ホンダ 新型CR-Z(2012年マイナーチェンジ)新型車解説 ~第2世代CR-Zはリチウムイオン電池搭載+「PLUS SPORT」ブーストボタンを追加!~(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:本田技研工業株式会社
「PLUS SPORT」ボタンを押せば、一瞬で走りのパワーを最大限に増幅!
「プラス・スポーツ・システム」にも注目したい。
ホンダ CR-Zは従来からSPORT/NORMAL/ECONの3モードを設け、6速MT仕様ではモーターアシストの反応を向上させていた。新しい「プラス・スポーツ・システム」では、エンジンスロットルの全開とモーターのフルアシストが行われ、CVTは反応を素早くさせてギヤ比はローギヤードになる。
動力性能が大幅に強化される一方、燃費はCVT仕様が「23km/L」で、6速MTは「20.6km/L」になる。(※いずれもJC08モード)
従来型に比べると、CVTは0.2km/Lの上乗せとなった(6速MTは同じ値をキープ)。エコカー減税の対応は、購入時に支払う税額についてはCVTが免税(100%の軽減)、6速MTは75%の減税になる。
スポーティクーペとあって、操舵感や走行安定性にも手を加えた。フロントサスペンションに装着されるスタビライザー(ボディの傾きを抑える棒状のパーツ)は、直径を18mmから19mmに拡大。ショックアブソーバーの減衰力も最適化されている。
タイヤサイズは、従来型は16インチ(195/55R16)のみだったが、マイナーチェンジ後は17インチ(205/45R17)も選べるようにした。動力性能の向上に合わせて、車両全体の走りを高めたわけだ。
マイナーチェンジの定番項目として、外観にも変更が加えられた。
フロントバンパー、リヤディフューザー(車体の後部に装着される空気の流れを整えるパーツ)のデザインを改め、ハニカムタイプのラジエターグリルは高輝度ブラック塗装にしている。
LEDポジショニングライトは、片側8灯(両側で16灯)となった。
グレード構成は、上級のαとベーシックなβに分かれ、αには「マスターラベル」も用意する。3つの選択肢を設けることは従来型と同じだが、αの「ブラックラベル」が「マスターラベル」に発展した。
合皮コンビレザーの内装、メタル製ペダル、専用インテリアガーニッシュに加えて、前述の17インチアルミホイールも標準装着する。
ホンダアクセスによる「モデューロ」のパーツも進化。
従来からカーボン調のエアロパーツを採用してきたが、デザインの見直しを図った。従来どおり、スポーツサスペンションキット、レカロ製のスポーツシートなども用意される。
以上のようにCR-Zは、ハイブリッドシステムの改善を中心に大幅な進化を遂げた。
求めやすい価格帯を中心とするホンダのハイブリッド車を際立たせる存在。CR-Zのイメージリーダーとしての役割が、従来以上に明確になった。2012年に入って「トヨタ 86」と「スバル BRZ」が投入され、「マツダ ロードスター」も7月には走行性能にまで踏み込んだマイナーチェンジを受けている。これにCR-Zの進化も加わり、国産のスポーツクーペがコンパクトサイズを中心に活気を帯びてきた。
まだまだ品ぞろえは少ないものの、今なら少数精鋭かつ商品力の高い国産スポーツクーペを手に入れることができるだろう。
ホンダ CR-Z グレード及び価格
ホンダCR-Z β(CVT/6MT)/2,365,000円
ホンダCR-Z α(CVT/6MT)/2,575,000円
ホンダCR-Z α Master Label(CVT/6MT)/2,630,000円
※エンジンは全車「1.5L i-VTEC+IMA」、駆動は全車「FF」。
この記事にコメントする