300万円台で選ぶインポートクーペ 徹底比較(2/4)

300万円台で選ぶインポートクーペ 徹底比較
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高い直進安定性と厚みのあるトルク

プジョー RCZ

見てのとおり非常に特徴的なデザインが、いうまでもなくRCZのアピールポイントだ。

RCZのフロントマスクはベース車である308系と共通のイメージだが、非常に個性的なサイドやリアビューにより、今回の走行時も目で追われることたびたびであった。ボディサイズは、4,290mm×1,845mm×1,360mmとなっているが、もっと背が低いように見える。

トランスミッションは、MTとATが選べ、今回はATをチョイス。1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンは、おとなしめに踏んでも、1,500rpmあたりから厚みのあるトルクを感じさせる。

中間加速はさすがに過給機付きエンジンらしく力強く、レッドゾーンの6,500rpm近くまでフラットにトルクを発生させる。かつてプジョー車というと、ATが泣きどころだったのは否めないが、新しい6速ATはまったく問題ない。

ダイレクト感もあり、ギアのステップ比も適切で、巧みにエンジン出力の美味しいところを掴んでいる印象だ。欲をいうと、せっかくなのでぜひパドルシフトも欲しいところだ。

RCZのフットワークについては、高速巡航時の極めて高い直進安定性が印象的。ステアリング操作に対して、フロントが正確に反応し、それに合わせてリアがついていき、ラインを乱すことなくトレースするという、フロント重視のハンドリングを示す。

そして、路面をなめるように凹凸に合わせてしなやかにタイヤを追従させながらも、強めに効かせたダンピングにより、バネ上を揺らさず足だけが動いてフラットな姿勢を保つ。意外かもしれないが、初期ロールは今回の3モデル中でもっとも抑えられていた。

これぞプジョーの得意とする味ではないかと思う。

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新しい2リッターエンジンの実力は高い

BMW 120i

120iのボディサイズは4,380mm×1,750mm×1,385mmとコンパクトながら、ハッチバックの1シリーズにトランクが付くだけで別のクルマに見えてしまう。

上級の135iクーペには標準で付くMエアロダイナミクス・パッケージが、120iではオプション扱いとなり、非装着の撮影車はスッキリとしたルックスを呈している。

1シリーズクーペに、これまでなかった2リッターエンジン搭載モデルが追加されたのだが、同時に2リッター直4エンジン自体が改良され、従来よりも大幅にスペックも燃費も向上しているところも特筆したい。

同エンジンは従来に比べて実用域のトルクが大きく増しており、また踏み込んだときに即座に前に出るピックアップのよさもある。けっしてパワフルと表現するほどではないが、パンチの効いた乗り味は、「BMWに乗る」ことの醍醐味を味わわせてくれる。レッドゾーンは7,000rpmからとなっている。

パドルシフトがないのが残念ではあるものの、ATの「DS」モードの味付けもスポーツ走行に適しており、ワインディングを走るにも、マニュアルシフトせずとも、概ねこれで事足りる。

また、ほかの前輪駆動の2モデル(RCZ/アルファGT)がフロントヘビーを痛感させるのに対し、120iクーペは「後輪駆動」であり、前後重量配分50:50を実現したバランスの良さが光る。

電動パワステのフィーリングは操舵力が重めで、最初の切り始めにやや不感帯があり、直後には素早く反応するのだが、ステアリング舵角と実際のタイヤのアングルが一致しない感覚が残り、一体感に欠ける面もなくはない。

ただし、直進性を確保し、アジリティ(=俊敏性)を高めつつ、クルマの動きは落ち着かせるという三要素を両立させる意味では、好バランスといえる仕上がりになっている。

BMW 120iBMW 120iBMW 120iBMW 120iBMW 120i

洗練された最終モデル

アルファGT

2ボックスハッチバックの147をベースにクーペ化したスタイリングは、147とは打って変わった、「GT」を名乗るに相応しい雰囲気を身につけている。

ボディサイズは4,495mm×1,765mm×1,375mmと、意外や今回の中では最大の外寸である。

撮影した限定車「クアドリフォリオドーロ」には、エクステリアでは、5スポーク18インチアルミホイールやボディ同色ドアミラー、専用バッジなどが与えられる。ひさびさにアルファGTをドライブしたのだが、以前は何かと気になったいろいろな部分が洗練されていることを確認することができた。

セレスピードは、もっと扱いにくい印象だったが、ATのクリープがないのは仕方がないとしても、出足はずいぶんスムーズになり、シフトチェンジ時のタイムラグも小さくなるなどして、「舟を漕ぐ」と揶揄された感覚が小さくなっている。ひとたび走り出してしまえば、それほど悪い部分が気になることもない。

フロアセレクターやパドルシフトを駆使してのマニュアルシフトのレスポンスもまずまず。ただし、レッドゾーンは6,000rpm~で、実際には7,000rpmまで回るエンジンのフィーリングが、「アルファロメオ」と聞いて描く往年のイメージからすると、やや元気のない印象が残るのは少々惜しい。

静粛性にはあまり配慮されていない印象だが、むしろ走りを楽しむための演出を思えば悪くないだろう。

フットワークについて、当初はテールをスライド気味にすることで回頭性のよさを演出しているきらいがあったが、最近のアルファの味付けはリアもいたって安定している。

また、ステアリングの剛性感は非常に高く、ダイレクト感のあるハンドリングを楽しめる。この点は上記2モデルに対してもアドバンテージといえる。

アルファGTアルファGTアルファGTアルファGTアルファGT

総評

予想どおり走り味の違いが印象的。エンジンでいうと、BMW120iクーペに搭載された新しいエンジンの仕上がりは予想以上に好印象で、フットワーク面ではプジョーRCZのフラットライド感あふれる乗り味が印象的だった。アルファGTについては、かつて試乗時に感じたいたらない部分がずいぶん改善されていることを確認することができた。ちなみに、Dレンジで100km/h巡航時のエンジン回転数は、BMW120iクーペとプジョーRCZは約2200rpmと同じくらいだったが、アルファGTは2,800rpm程度と高め。ちなみに、車検証上の車両重量(前軸重+後軸重)は、プジョーRCZが1,350kg(870kg+480kg)、BMW120iクーペが1,430kg(720kg+710kg)、アルファGTが1,360kg(840kg+520kg)となっており、BMW120iクーペの好数値が光る。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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