300万円台で選ぶインポートクーペ 徹底比較(3/4)

300万円台で選ぶインポートクーペ 徹底比較
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コンパクトキャビンながら開放的な印象を受ける

プジョー RCZ

他の2モデル(120i/アルファGT)のコクピットでは、むしろタイト感を演出しているフシがあるのに対して、RCZは実際に車幅もワイドでかつガラス面積も広いことで、コンパクトなキャビンながら、開放的な印象がある。

他のプジョー車にも見られるように、ダッシュボードにまでレザーを配したインテグラレザー仕様とする点も、ライバルに対するアドバンテージだ。ヘッドレスト一体の大柄なスポーツシートは、窮屈すぎることもなく適度なホールド感を与えてくれる。

独特のスタイリングが、運転席に座ってしまうと目に入らなくなるのだが、ルームミラーに映る「ダブルバブル」のガラスルーフや、ドアミラーに映る独特のリアフェンダーなどにより、RCZに乗ることを感じながらドライブを楽しむことができる。

写真をご覧のとおり、リアシートは非常用と割り切ったもので、シートの形をした荷物置き場のつもりで使ったほうがいい。

トランクの大きな荷物を積みたいときには、リアシートの背もたれを前倒しすると、そこそこ大きなスペースが得られる。ラゲッジルーム自体の奥行きはけっこう大きいが、横幅は大きくないので、ゴルフバッグは横や斜めには積めそうにない。積みたい場合はリアシートを倒す必要があるだろう。

ラゲッジフロア下には、比較的容量の大きなアンダーボックスが備わる。2+2で、これほど特徴的なデザインのクルマとしては、実用性にも優れるのも特長だ。

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実用的なリアシート空間が確保されている

BMW 120i

ほど良くタイトな空間とされたインテリアは、エントリーモデルとはいえ、BMWらしくちょっとエキゾチックなデザインで、かつ上質感ある雰囲気を放っている。

シートカラーやトリムは多彩な選択が可能で、写真のようなコーラルレッドのボストンレザーシートやアルミアクセントのトリムをオプションで選ぶこともできる。また、BMWといえばiDriveが特徴の一つだが、こちらの使い勝手も徐々に改良され、最新のものはだいぶ使いやすくなっている。

今回の3台では、リアシートにまともに人が乗れそうなのは120iクーペのみで、頭上もけっして余裕があるわけではないが、平均的な成人男性も座れる空間が確保されている。また、リアシート用のルームランプやマップランプまで備わっている。

やろうと思えば5人乗車ができそうなスペースはあるのだが、5ドアハッチバックの1シリーズの乗車定員は5人乗りのところ、1シリーズクーペは4人乗りとなっており、中央にはトレーが設定されている。

ラゲッジルームについては、デュアルヒンジを持つトランクフードにより開口部が大きく開き、容量も十分に実用に耐える広さが確保されている。タイヤハウス後方が広くなっているので、仕切りのネットを外せば、ゴルフバッグを横向きに積むこともできる。

BMW 120iBMW 120iBMW 120iBMW 120iBMW 120i

アルファらしい色気を感じさせる佇まい

アルファGT

エクステリアだけでなく、インテリアもまたアルファロメオらしく有機的なデザイン。

タイトに仕立てられた空間は、ちょっと他にはないデザインを披露している。登場からそれなりに時間が経過しているが、新しさとか古いという価値観を超えて、アルファらしい色気を感じさせるところがいい。

今回の撮影車では、歴代ラグジュアリーなモデルに与えられてきたという「クアドリフォリオドーロ」の名に相応しく、インテリアは上質なナチュラルカラーのレザー仕立てとなっている。

同程度の出費で買えるクルマとしては、インテリアの質感では依然として高いアドバンテージがあると思わせる。

リアシートは空間こそ狭いが、見た目のクオリティ感が前席と同等に高いことがまず印象的。こちらも本来は荷物置き場として使うのが正しいのだろうが、いざとなれば成人男性も座れなくはないスペースはなんとか確保されている。

テールゲートはハッチバックのようにリアウィンドウ上端から開き、トノカバーが備わる。ラゲッジスペース容量も意外と大きく、深さもあるので背の高いものも積める。

リアシートの背もたれの中央がトランクスルーできるようになっているので長尺物も積めるし、ダブルフォールディングさせるとけっこう大きな荷物を積むこともできそうだ。また、タイヤハウス後方の右側の壁が深くえぐられているので、小さめのゴルバックなら横向きに積めそうだ。

アルファGTアルファGTアルファGTアルファGTアルファGT

総評

価格もそれなりなので、3台とも安全装備は充実しており、また、こうしたキャラクターのクルマながら、いずれも実用性にも配慮されていることがうかがえた。ただし、さすがに後席の居住性の話となると、プライオリティは低そうだが、この中では120iクーペが、後席に人を乗せる機会がそれなりにある人にも対応できそうだ。また、あえてクーペを求めるユーザーに対して訴求すべく、インテリア各部の視覚的な質感についても凝った設定とされている。ちなみに、撮影時は残暑の厳しい気候だったところ、エアコンの利きの強さが、120iクーペはまったく問題なかったが、RCZとアルファGTはやや弱いように感じられところが少々気になった。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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