フェラーリGTC4ルッソTは新たな跳ね馬!派生ではない6番目モデルの理由(2/2)

  • 筆者: 西川 淳
  • カメラマン:フェラーリ・ジャパン
フェラーリGTC4ルッソTは新たな跳ね馬!派生ではない6番目モデルの理由
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大柄ボディでも微速域から高速ワインディングまで

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GTC4ルッソTを実際に試乗してみた印象からお伝えすると、12気筒のルッソと8気筒のルッソTは、ドライバーズシートに座って走っている限り、まったく“別の跳ね馬”と言って良いほどであった。例えるならば、メルセデス・ベンツとBMWを比べるほどに違っていたと言っても過言ではない。

もちろん、前者が12気筒、後者が8気筒、である。

シエナ近郊の山岳都市モンテリッジョーニを起点に、アドリア海に面したアラ岬との間を往復する試乗ルートは、風光明媚な景色とはうらはらにアスファルト路面は荒れ気味で、狭い場所も多く、ぬるい気分でドライブできるようなコースではなかった。

けれども、どうだ。そんなコースをルッソTは、まったくもってスポーツカーとして駆け抜けたのだから驚く。

念のため言っておくと、ルッソTのサイズは、全長5m、全幅2m、ホイールベースは3mもある。Eセグメントのサルーン並みに大柄だ。そんなクルマを駆りながら、狭いワインディングをこともなげに走っていける。まるでカリフォルニアTをドライブしているような錯覚にさえ陥った。

タイトベントでは後輪操舵がよく効き、フロントノーズはあくまでも軽く、それでいて手応えははっきりとしている。

前輪の動きは常に鮮明で路面を見失うことがなく、後輪からは分厚いエンジントルクの恩恵でたのもしいグリップ感がドライバーへと常に伝わってくる。だから、右足での細かな調整がとても楽しい。足裏に伝わってくる力が、心地良くてたまらない。

エグゾーストノートは、12気筒とはうってかわって8気筒らしく派手で豪快。そこに、7速DSGの瞬間的なアップシフトサウンドが加わって、ドライバーの気持ちは否が応でも盛り上がっていく。

12気筒のように、エンジン回転を上げて楽しむという感じではない。あくまでも豊かなトルクバンドの間を上手く使って、瞬発力のある走りを楽しむという感覚だ。それは、最近のターボフェラーリに共通する走りのキャラクターでもある。

おかげで巨体をもてあますことなく、微速域から高速ワインディングまで、ピュアなスポーツカーとして楽しめた。

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時代に則してエンジンをダウンサイジング

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短い区間だったが、高速クルージングも試す機会があった。

さすがに12気筒ルッソのように、滑らかで豊かな気持ちに満たされるようなクルーズフィールではないものの、想像していたほど直進安定性も悪くはない。もっとも、雨でも降り出したら嫌だなと思うくらいには“動きたがる”前アシを持ってはいたが。

総じて、乗り心地は硬かった。助手席に座ると強い左右のゲインにゆさぶられ、酔いやすい。これはやはり、シューティングブレークの形をしたスポーツカーというべきだ。

4WSのおかげで、フル4シーターであってもまるで2シーターモデルのようにドライブできることは先に記したとおり。12気筒のルッソとはまるで違う中身を持っているから、別のモデルであり派生グレードではない、というマラネッロの主張にも、試乗後にようやく頷くことが出来た。

そういう意味ではFFとGTC4ルッソが、それ以前の4シーターFR12気筒とはまるで別種の、新たな跳ね馬として誕生していたと言ったほうが良いだろう。なぜならGTC4ルッソTの方が、それ以前の4シーター12気筒の正統な後継モデルであり、時代に則してエンジンをダウンサイジングしたと捉えることも出来るからだ。

もっとも、FFの登場で4シーター12気筒フェラーリの平均購入年齢層は10歳も若返ったらしい。この8気筒版ではさらに10歳若返るとマラネッロは予想する。

そして、GTC4ルッソTの始終硬派な乗り心地をときおりあげつらった五十過ぎの筆者は、その話を聞いて「これくらいの硬さなら、ぜんぜん我慢できるよね」と、思わず強がってみせたのだった。

[Text:西川淳]

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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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