BMW 新型X3の進化レベルが凄い!オン/オフ問わない走りに脱帽(1/2)

ニーズに細かく答えた結果の“進化”。それがクロスオーバーSUV

SUVは元々ピックアップトラックの派生モデルが源流である。

しかし80年代に日本でクロカン四駆ブームが起きると、悪路走破性のみならず快適な乗り心地、充実した装備などを備えるようになった。するとユーザーは乗用車並みのオンロード性能も求めるようになると、これまでのラダーフレーム構造では限界がある。

新型X3の詳細を写真で見る(画像57枚)

そこで生まれたのが、モノコックボディの乗用車をベースにした「クロスオーバーSUV」である。

いかにも……という内外装は泥臭い感じは排除され、都会の街並みでも違和感が全くないカジュアルなデザインの採用。走りも「乗用車の乗りやすさ」と「SUVの安心感」を両立。その人気はアッと言う間に日本から世界へと飛び火し、世界の主要メーカーには大中小様々なクロスオーバーSUVがラインナップされるようになった。当初はニッチモデルだったが、現在は“世界戦略車”として各メーカーの重要なモデルへと成長している。

輸入車の中ではBMWはこのカテゴリーへの参入は早く、1999年にX5を導入。ただし、彼らはSUVとは呼ばず、“SAV”(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んだ。これは筆者の解釈だが、SAVは「ジープタイプを街乗り重視にした」モノではなく、「セダン/クーペの背を高くした」新しいジャンルという違いだ。そう、BMWが提唱する「駆け抜ける喜び」を「走る道を選ばずに」と言う意味を内包しているのだ。

BMW SAVの代表格、“X3”がフルモデルチェンジ

そんなBMWのSAVは累計販売台数150万台を超え、今やBMWの全販売台数の1/3を超える基幹モデルへと成長した。その中でも中核をなし、世界的に激戦区となっているミドルクラスを担当するのが“X3”である。

初代モデルは2004年に登場し狙い通りのヒット作となり2011年に2代目へと進化。そして、今回3世代目へと進化を遂げた。すでに、日本仕様が発表されているが、今回は一足先にお先にポルトガルで試乗を行なってきた。

BMWのデザイン言語がより強調されたエクステリアデザイン

エクステリアはパッと見るとキープコンセプトに見えるかもしれないが、三次元的なデザインでより強調されたキドニーグリルや筋肉質になったフェンダー周り、力強さが増したホイールアーチ周りなどに、最新のBMWデザイン言語が盛り込まれており、先代と見比べるとその差は歴然。よりグラマラスになった上にトレッド拡大も相まってSAVらしい安心感もプラスされた。

ちなみに空力的にもこだわっており、Cd値はセグメントトップの0.29を達成。ボディサイズはライバルが拡大している中、新型X3は従来モデルからほぼ変更ないが、ホイールベースは先代比で50mmアップしている。

インテリアにはラグジュアリーと実用性が両立している

インテリアはBMWらしいドライバーオリエンテッドで機能的なコクピットになっているが、先代モデルよりもラグジュアリーな仕立てになっており、加飾の使い方や質感などは5シリーズ並みといってもいい。

ちなみに前出のホイールベース拡大は後席の居住性アップに割り当てられており、標準で500リットル、リアシートを畳む(40:20:40の可倒式)と1600リットルまで拡大可能なラゲッジスペース、そして輸入車が最も苦手としていた収納スペース数のアップなどなど、実用性もシッカリと引き上げられているのだ。

パワートレインはお好みに合わせて・・・!どっちも愉快だ

パワートレインはガソリンとディーゼルで複数用意されるが、今回試乗できたのはガソリンが直列6気筒3.0Lターボ(360ps/500Nm)と、ディーゼルの直列6気筒3.0Lターボ(265ps/620Nm)の2種類。残念ながら日本仕様に搭載される直列4気筒2.0Lターボ(ガソリン/ディーゼル)は用意されておらず……。

ガソリンモデルニアはクイックレスポンスが特徴

ガソリンはX3シリーズ初のMパフォーマンスモデル「M40i」用と言うこともあり、とにかくアクセルを踏んだ瞬間からとにかくパワフルで鋭いレスポンスと、高回転までストレスなく回る気持ち良さにニンマリ。

ただ、個人的にはスロットルに対する反応が良すぎるので、普段はドライビング・パフォーマンス・コントロール「ECO PRO」モードで十分である。

ディーゼルモデルはSAVらしい圧倒的なトルクが特徴

ディーゼルは日本に導入されないのが残念なくらいの逸品で、1500rpmくらい回っていれば事足りてしまうくらいの超トルクフルな特性はもちろん、高回転まで滑らかに回るフィーリングと静粛性の高さなどは、もはやディーゼルであることを忘れてしまうくらいのレベル。

BMWは昨今、電動化に熱心ではあるものの、決して内燃機関も疎かにしていないことを実感させるユニットだと感じた。どちらのユニットも日本仕様に追加設定される事を期待したい。

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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