【2021年マイナーチェンジ】BMW 新型X3の特徴・前モデルとの違いを徹底比較して再評価!

  • 筆者: MOTA編集部
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BMWのSUVカテゴリーを担う「X」シリーズ。現在、コンパクトなX1からハイクラスのX7まで幅広いラインナップが用意されていますが、その中でも特に人気なのがミドルサイズのX3です。今回はそのX3について詳しく解説していきましょう。

目次[開く][閉じる]
  1. BMW X3の特徴とラインナップ
  2. 人気のSUV BMW X3の車両データを検証
  3. BMW 新型X3 価格レビュー
  4. 総評:マイナーチェンジされた、BMW 新型X3の評価

BMW X3の特徴とラインナップ

BMW X3はXシリーズの中でもミドルクラスの大きさのSAV(Sports Activity Vehicle)です。BMWが掲げる「駆け抜ける喜び」のコンセプトのもと、快適なオンロード性能と運動性能を併せ持つ、従来のSUVとは一線を画する1台です。

またSUVならではのワイルドさを残しつつ、都会的で洗練されたデザインに仕上がっているのも人気の理由です。

現行のX3は、インテリジェント4輪駆動システムのBMW xDrive、大きなインパクトを与えるエアロダイナミクス、BMWツインパワー・ターボ・エンジン、そして多様性を求めるドライバーのために、内燃エンジンと電気モーターを組み合わせて、最大限のフレキシビリティを発揮するプラグイン・ハイブリッド・モデルなど、多彩なバリエーションがあります。

現在、X3シリーズには以下5つのラインナップがあります。

エンジンタイプ

xDrive20i(直列4気筒DOHCガソリン)

M40i(直列6気筒DOHCガソリン)

ディーゼルタイプ

xDrive20d(直列4気筒DOHCディーゼル)

M40d(直列6気筒DOHCディーゼル)

PHEVタイプ

xDrive30e(直列4気筒DOHCガソリン+モーター)

マイナーチェンジ後の「BMW X3」の基本スペックは、全長4,720mm x 全幅1,890mm x 全高1,675mm、ホイールベース2,865mmとマイナーチェンジ前と同サイズ。

X3はBMWのSAVの中ではミドルクラスとはいえ、ラグジュアリークラスの車格を有していることがわかります。

トランスミッションは8速ATで全グレードにフルタイム4WD「BMW xDrive」を採用しています。

1900mmに迫る車幅の影響は?

車幅が1,900まであと10mmと迫るボディサイズを持つ3代目は、広々とした室内空間につながり、更なる快適な居住性を得ることに成功しました。後部座席も十分なゆとりを確保し、さらにラゲッジルームのスペースも550Lと大容量です。

しかしサイズアップによるデメリットもあります。それは住宅地や都心部などの細い道を走行する際は、より一層注意が必要となります。細い道での鋭角なカーブや対向車のかわし方などは、テクニックが求められるかもしれません。

また駐車場探しにも苦労するかもしれません。全幅1,900mm近いサイズの場合、駐車場に入れられないケースも少なくありません。

特に都心部などでX3のようなワイドボディの車を検討する際は、上記のようなデメリットも考慮した方が良いでしょう。

マイナーチェンジしたBMW X3で変わった点とは

2021年10月28日にマイナーチェンジしたX3の大きな変更点は、キドニーグリルやフロントバンパーといった外装面の他、先進運転支援システムや安全支援装置、コネクティビティ機能の進化などの改良が施されました。

人気のSUV BMW X3の車両データを検証

世界中の自動車メーカーがさまざまなSUVを販売していますが、その中でも高い人気を誇るBMW X3。今回のマイナーチェンジではどのような変化があったのでしょうか。

エンジン(出力・トルク)、燃費

マイナーチェンジでエンジン最高出力・トルク・燃費性能はどのようになったのでしょうか。

以下がグレード毎の最大出力・最大トルク・燃費です。

モデル

最高出力

最大トルク

燃費

xDrive20i

184PS

300Nm

WLTCモード:12.0km/L

(市街地)9.4km/L

(郊外)11.9km/L

(高速)13.7km/L

M40i

387PS

500Nm

WLTCモード:10.5km/L

(市街地)7.6km/L

(郊外)10.8km/L

(高速)12.3km/L

xDrive20d

190PS

400Nm

WLTCモード:14.5km/L

(市街地)12.8km/L

(郊外)13.7km/L

(高速)16.0km/L

M40d

340PS

700Nm

WLTCモード:13.8km/L

(市街地)10.3km/L

(郊外)14.2km/L

(高速)15.8km/L

xDrive30e

184PS

300Nm

WLTCモード:11.8km/L

(市街地)10.1km/L

(郊外)11.0km/L

(高速)13.6km/L

パワートレインはマイナーチェンジ前と同様、ガソリン・ディーゼル・プラグインハイブリッドモデルを継承しています。

ベーシックモデルは効率的な4気筒ガソリンエンジンを搭載する「BMW X3 xDrive20i」、トルクフルな走りと高燃費を実現する4気筒クリーンディーゼルエンジンを積む「BMW X3 xDrive20d」です。

さらに電動駆動を実現するプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの「BMW X3 xDrive30e」では、2リッター直4ガソリンエンジンと電気モーターを備え、システムトータルで292psを発生します。

容量34Ahのリチウムイオンバッテリーが搭載され、一充電あたりのEV航続可能距離は49.5km(WLTCモード)を実現しています。

BMW Mが手がけた最上級モデルの「Mモデル」では、3リッター直6ツインターボエンジンを搭載します。「M40i」は387PS/500Nmを発生し、レッドゾーンも7000rpmに設定。高回転型エンジンでガソリン特有のスポーティな走りを楽しめます。

一方、「M40d」では、3リッター直6ツインターボディーゼルエンジン。700Nmとディーゼル特有の大トルクを実現し、高い加速性能を有しています。

「Mモデル」には4WDシステムにMスポーツサスペンションやMスポーツディファレンシャルが装備され、高い駆動性能とコーナリング性能を可能にしています。

外装(エクステリア)

デザイン面で大きな変更となったのが、BMWのアイコンとも言えるキドニーグリルです。左右一体構造のワイドグリルに変更し、これまで以上に逞しい雰囲気を演出します。

また空力性能に優れた形状のフロントバンパーに、新デザインのヘッドライトを組み合わせたフロントフェイスは、BMWに相応しいスタイリッシュさを演出します。

一方でリアにも大きな変更が施されています。

新規デザインのリアバンパーに立体感溢れるフルLEDテールライトを備えたリア部分は、精悍でパワフルなイメージを演出します。

内装(インテリア)

内装は、ブラック・ハイグロスの新デザインとなるセンター・コンソールとエアコン・システムのスイッチなどを変更しています。

ナビゲーション・システムが組み込まれた「BMWライブ・コックピット」は、タッチパネル付きの12.3インチのインフォメーションディスプレイとメーターパネルで構成され、スポーティさを演出。

さらに快適性と高級感に溢れるパーフォレーテッドのセンサテック素材のスポーツシートは全車種に標準装備され、室内空間をスポーティかつラグジュアリーな空間に仕上げています。

超先進的なアシストを約束するドライバーアシストシステム

全車に採用された最新の先進運転支援システムの「ドライビングアシストプロフェッショナル(ADAS)」。これは「アクティブクルーズコントロール」に「ステアリング&レーンコントロールアシスタント」がパッケージされています。

高性能3眼カメラとレーダー、高性能プロセッサーによる高い解析能力を有するシステムを組み込み、従来よりも精度と正確性が大幅に向上しました。

また、ドライバーの負担軽減に大きく寄与する「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」も搭載されました。

2019年にBMWが国内で初の認可を取得したこの運転支援機能は、高速道路などを60km/h以下で走行した時、ある一定の条件下において、ドライバーがステアリングから手を離していても、先行車を追従して走行が可能です。

この他にも事故回避ステアリング機能付き自動緊急ブレーキ・ペダル踏み間違い急発進制御機能などを標準装備しています。

コネクティビティ機能も進化しました。「OK BMW」と話しかけるとシステムが起動し、車両の操作やナビゲーションの設定などが可能となります。

また「Apple CarPlay」にも対応する他、総合テレマティクスサービス「BMWコネクティッドドライブ」では「Amazon Alexa」に対応した新しいスマートフォン向けアプリ「My BMW」もリリース。

Alexaに話しかけるだけで、天気予報の確認や音楽のストリーミング再生など、スマートホームデバイスの様々な操作が車内でも可能になりました。

グレード別のおすすめオプション

マイナーチェンジされた3代目のオプション装備について説明します。BMWでは関連性の高いオプション装備がパッケージ化されているのが特徴です。

3代目のおすすめオプションを紹介しましょう。

グレード名

おすすめオプション名と内容

xDrive20i / xDrive20d

「レザーパッケージ」

・ヴァーネスカレザーシート

・アクティブベンチレーション

・フロントランバーサポート(電動調整式)

・インテリアトリム

M40i / M40d / xDrive30e

「セレクトパッケージ」

・ステアリングホイールヒーティング

・アコースティックガラス

・リアサイドウィンドーローラーブラインド(手動)

・サンプロテクションガラス

・リヤシートバックレスト

・BMWジェスチャーコントロール

・harman/kardonサラウンドサウンドシステム

464W、16スピーカー、9チャンネルサラウンド

・xDrive20d

このモデルでは、スタンダードモデルとM Sportモデルが選べます。

バンパーの形状やステアリング、シート素材が違うほか、M SportにはM Sportサスペンションが標準装備されています。よりスポーティに楽しみたい人は、M Sportがおすすめです。

・「M40i」「M40d」

上位車種の「M」モデルには、「ファストトラックパッケージ」もおすすめです。

こちらには「Mスポーツブレーキ」「Mライトシャドーライン」「Mシートベルト」「Mスポーツシート(運転席&助手席)」「Mハイグロスシャドーラインエクステリアエクステンドコンテンツ」「ヴァーネスカレザーシート」がパッケージされています。

ボディカラー

X3には全8色のボディカラーが用意されています。

  • アルピンホワイト
  • ミネラルホワイト
  • ブラック
  • ブラックサファイヤ
  • カーボンブラックメタリック
  • ソフィストグレーブリリアントエフェクト
  • ブルックリングレー
  • ファイトニックブルー

洗練されたデザインで知られるBMWにおいて、定番の人気ボディカラーといえば、ホワイト系です。この「ホワイト系」にも、スタンダードなソリッドカラーの「アルピンホワイト」と、ラグジュアリー系で設定されるメタリックカラーの「ミネラルホワイト」があります。

それ以外だと、シックで車格を上げる「ブラック」や、イメージカラーの「ファイトニックブルー」なども人気が高い色です。

人気の高いカラーは、リセールバリューが高いというメリットもあります。先々の乗り換えも考慮して、カラー選びをするのがおすすめです。

BMW 新型X3 価格レビュー

3代目の維持費やリセールバリューについて見てみましょう。

維持費

維持費は、固定費(税金、保険)と変動費(ガソリン代、駐車場代、メンテナンス代など)の合計です。各グレードの維持費の相場は以下になります。

グレードの種類

月額の維持費の平均

年間の維持費の平均

xDrive20i

約2.5万円

約30万円

M40i

約2.7万円

約32万円

xDrive20d

約2.4万円

約29万円

M40d

約2.5万円

約30万円

xDrive30e

約2.5万円

約30万円

以上のように、3代目にかかる維持費は年間で30万円ほどが相場です。これはあくまで相場なので、乗車頻度の高い人は相場以上の維持費がかかるでしょう。

ただしBMWではメンテナンスパッケージが用意されています。

新車から3年間はオイル交換、法定1年点検などがディーラーで無償で受けることができるので、メンテナンス費用を抑えることが可能です。

また、環境性能に優れたクルマに対して自動車税、自動車重量税、自動車取得税が軽減されるエコカー優遇制度減税についても注目すべきポイントの一つです。

X3シリーズの中ではプラグイン・ハイブリッド車である「xDrive30e」がクリーンエネルギー自動車補助金制度の対象となります。

エコカーは購入時、高額なものもありますが、自動車重量税、自動車税などの税金を含めて計算すると、思いのほか負担が少なくなることもあるので、選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。

※自治体の補助金制度の有無については、自治体ごとに異なります。また、支給条件等によって対象外となる場合や既に終了していることもあるため、必ず各自治体もしくはお近くの販売店に確認をお願いします。

BMW 新型X3のリセールバリューは高い?

BMWは外国車カテゴリーの中でも高級車の部類に入りますが、総じてリセールバリューが低いことでも知られています。X3においても同様で、現行モデル3年落ちの残価率が50%と言われています。

特にディーゼル車・ハイブリッド車は買取価格の下落率が激しい傾向が見られます。

もちろん、年落ちの経過と走行距離、そして車の状態によって、その買取価格は変動します。また、少しでも高く売りたい場合は「モデルを跨がない」こともポイントです。いわゆる「型落ち」モデルは、車の状態が良くても思ったほど値段が付きにくいと言われています。

売りに出す際は、年落ち、走行距離、車の状態、そして型落ちを見極めるのがポイントです。

総評:マイナーチェンジされた、BMW 新型X3の評価

BMW X3シリーズの3代目マイナーチェンジの特徴についてまとめてみました。

  • ボディサイズは1,900mmに迫る大迫力。車内では余裕を持って過ごせるが、住宅地や都心部では運転中の注意が必要
  • 出力・トルクは日常ユースでは十分なパフォーマンスを実現。上位車種の「M40i」「M40d」はハイスペック仕様
  • 全車種に最新の先進運転支援システムが搭載
  • 左右一体構造のキドニーグリルを採用したフロントフェイスで精悍なイメージを助長
  • 維持費は月に3万円ほどで、歴代モデルとほぼ変化なし

以上のように、マイナーチェンジでさらに車格が向上した3代目X3は、長年のBMWファンだけでなく、多くのSUVファンを満足させてくれることでしょう。

BMW/X3
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新車価格:
790万円978万円
中古価格:
54.2万円922.5万円

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MOTA編集部
筆者MOTA編集部

MOTA編集部。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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