アルファスパイダー&ウェストフィールドSE “タイムズ Service X”レンタカー 試乗レポート/嶋田智之(4/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:小林岳夫
「いつもと違う自分」に酔いしれる
このスパイダーの機関のコンディションも抜群に良かった。とりわけエンジンの柔らかさと粘り強さが素晴らしかった。おかげでごく低速域から回転を高めていくときの吹け上がりの感触と音色の変化を存分に堪能することができた。そのときの高揚感こそ、キャブレター時代のアルファ ロメオを駆るときの最大の醍醐味だ。
だから、楽団の指揮者のような気分にさせるシフトレバーを繰り返し操作しながらフツーに走っているだけで、充分に楽しい。街中を流しているだけでも充分に気持ちいい。その気になれば結構応えてくれる実力は持ってるのだけど、だからって別に頑張って飛ばしたりしなくても、濃厚な至福のひと時を味わえるのだ。
それに、街角のショーウインドーに映るスパイダーの姿が目に入った瞬間といったら、ちょっとした陶酔感だ。美しいクルマを駆っている自分までちょっと特別な人物であるかのような錯覚すら覚えるくらい。滑稽に感じる人もいるだろうけど、人知れずそういう“いつもと違う自分”な気分になれることも、こういうクルマを走らせる密かな喜びのひとつだったりもするのだ。 そう考えると、キャブレター仕様のちょっと古いアルファロメオ スパイダーこそ、このサービスに最適な1台なんじゃないか? なんて思えてくる。
ヒストリックカーとつきあうためのハードル、それがここには存在しない
さて、1時間2700円で手に入れられるヒストリックカー体験。これ、なかなか素晴らしいアイデアなんじゃないかと思う。こうしたクルマにだいぶ慣れた身の上だというのに、それより遙かに短い時間、しかもほんの少し触れただけだというのに、やっぱり楽しかったのだ。
こうしたクルマのオーナーになるためには幾つかのハードルがあって、それは人によっては軽々クリアできるものでもあるけれど、多くの人にとっては超えるのがなかなか大変な高さである。このサービスはそれらのハードルとは全く無縁に、リーズナブルといえる出費だけでヒストリックカー達を体験することができるのだ。これを利用しない手はないだろう、と思う。
「自分に走らせられるか試してみたい」「一度でいいから体験してみたい」「時々でいいから楽しみたい」と想いは様々だろうけど、僕はできる限り多くの人達に、気持ちの赴くままにステアリングを握ってみて欲しいと思う。それからまた広がっていくもの、深くなっていくものがあるかも知れない。 そう、クルマというのは単なる道具に終始するものではなく、人生を豊かにしていくための良きスパイスでもあるのだから。
[レポート:嶋田智之/Photo:小林岳夫]
TIMES Car RENTAL ”Service X” サービス概要
利用金額(モニター価格):1時間 2,700円[税込](※利用は当日の営業時間内に限る)/補償内容:対人無制限・対物無制限(免責5万円)・車両補償なし・人身傷害3,000万/サービス利用規約:タイムズクラブ会員であること・利用時の年齢が35歳以上であること・有効なクレジットカードを保有していること・日本の普通免許を3年以上保有していること
貸出し店舗:タイムズカーレンタル タイムズステーション有楽町イトシア店[東京都千代田区有楽町2-7-1 タイムズステーション・イトシアB2F]/予約方法:タイムズカーレンタル コールセンター(電話:0120-36-8924・営業時間:平日 8:00~20:00 休日 9:00~17:15・定休日:年中無休)
貸出し車種:ウェストフィールド SE(スーパー7)[1991]/アルファ ロメオ スパイダー(シリーズ3)[1987]/マツダ RX-7カブリオレ[1991]
※日産 フェアレディZ(S30型)も追加予定
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