160万円の大衆車なのにガルウイング! 時代が生んだスペシャリティクーペ トヨタ セラを写真でチェック

  • 筆者: MOTA編集部
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天高く開く“通称ガルウイングドア”は、高級スーパーカーを象徴する装備だ。しかし、かつて日本には大衆車でありながらスーパーカー顔負けのガルウイングドア(正確にはバタフライドア)を採用したコンパクトカーが存在した。車両価格160万円というごく一般的な大衆車でありながら、専用設計パーツをふんだんにに使用したドリームカー トヨタ セラを写真と共にご紹介しよう。

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  1. 大衆車スターレットをベースにしたスペシャリティクーペ
  2. コンパクトなボディと大きく開くバタフライドア
  3. ほぼすべて専用設計されたインテリア

大衆車スターレットをベースにしたスペシャリティクーペ

トヨタ セラの祖先は、1987年の第27回東京モーターショーで公開されたコンセプトカーのAXV-IIで、航空機のキャノピーを思わせる全面ガラス張りの「グラッシーキャビン」や跳ね上げ式のバタフライドアを採用。大きな話題になると共に、トヨタ内外から市販化を熱望する声が多かったことから開発がスタートする。

ベースとなったのは4代目スターレットで、1989年の第28回東京モーターショーで市販車バージョンのセラが披露され、1990年3月から販売を開始した。

バブルが生み出したドリームカー

大衆車には珍しいこのバタフライドアは、通常のドアと比べて重くなってしまう。そこで、上級車のカローラなどに搭載されていた最高出力110PS、最大トルク13.5kgmを発生する1.5リッター直4 DOHCエンジンを搭載。またガラス張りであることによる炎天下での温度上昇対策として、エアコンを上級車のユニットに換装するなど、グラッシーキャビン+バタフライドアという特殊なパッケージならではの苦労も垣間見える。

大衆の味方であるコンパクトカーに、ここまで特殊な要素を盛り込み膨大な開発費を掛けられたのはまさにバブルという時代のなせるわざ。安全性と燃費性能が最優先される今では考えられない、まさにドリームカーと言える名車だ。

コンパクトなボディと大きく開くバタフライドア

全体的に丸みを帯びたデザインは、今見ても未来感満載のフォルム。サイズは全長3860mm×全幅1650mm×全高1265mmで、現行型のトヨタ ヤリス(全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm)よりも一回りコンパクトだが、低い全高と滑らかなルーフラインのおかげで、数値以上に伸びやかなフォルムを実現している。

ガバッと開くバタフライドアは実用性も〇

また、見た目重視と捉えられがちなバタフライドアは、実用性も十分配慮されている。大きくガバッと開くため、狭い駐車場では乗り降りできないように思われるが、横方向の飛び出しは僅か43cmに抑えられており、さらに屋根部分まで開くため乗り降りで体をかがめる必要がない。

もちろん、上方には最大で約188cmまでドアが持ち上がるため、屋根の低い立体駐車場では注意が必要だ。

ほぼすべて専用設計されたインテリア

ガラス張りのキャビンは、ドライブではオープンカー並みの開放感を与えてくれる反面、外から車内が丸見え。そのため、インテリアのパーツはそのとんどが専用設計され、当時のコンパクトカーでは考えられないほど手の込んだ造りになっている。

エクステリア同様に、丸みを帯びたデザインのダッシュボードは、センターパネルからメーター部まで一体成型されたパネルを使用。それなりに製造コストが掛かる分、未来的でありながらシンプルにまとめられている。

スポーティなセミバケットタイプのシート

また、最高出力110PSというごく平凡な動力性能のコンパクトカーでありながら、シートはホールド性を持たせたセミバケットタイプを採用。このややオーバースペックとも取れるインテリアも、セラがスペシャリティカーの位置づけだったことを感じさせるポイントだ。

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MOTA編集部。現在総勢9名で企画・取材・原稿作成・記事編集を行っています。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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