トヨタ セラの祖先は、1987年の第27回東京モーターショーで公開されたコンセプトカーのAXV-IIで、航空機のキャノピーを思わせる全面ガラス張りの「グラッシーキャビン」や跳ね上げ式のバタフライドアを採用。大きな話題になると共に、トヨタ内外から市販化を熱望する声が多かったことから市販化に向け開発がスタートする。 ベースとなったのは4代目スターレットで、1989年の第28回東京モーターショーで市販車バージョンのセラが披露され、1990年3月から販売を開始した。
大衆車には珍しいこのバタフライドアは、通常のドアと比べて重くなってしまう。そこで、上級車のカローラなどに搭載されていた最高出力110PS、最大トルク13.5kgmを発生する1.5リッター直4 DOHCエンジンを搭載。またガラス張りであることによる炎天下での温度上昇対策として、エアコンを上級車のユニットに換装するなど、グラッシーキャビン+バタフライドアという特殊なパッケージならではの苦労も垣間見える。
大衆の味方であるコンパクトカーに、ここまで特殊な要素を盛り込み膨大な開発費を掛けられたたのはまさにバブルという時代のなせるわざ。安全性と燃費性能が最優先される今では考えられない、まさにドリームカーと言える名車だ。
全体的に丸みを帯びたデザインは、今見ても未来感満載のフォルム。サイズは全長3860mm×全幅1650mm×全高1265mmで、現行型のトヨタ ヤリス(全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm)よりも一回りコンパクトだが、低い全高と滑らかなルーフラインのおかげで、数値以上に伸びやかなフォルムを実現している。
また、見た目重視と捉えられがちなバタフライドアは、実用性も十分配慮されている。大きくガバッと開くため、狭い駐車場では乗り降りできないように思われるが、横方向の飛び出しは僅か43cmに抑えられており、さらに屋根部分まで開くため乗り降りで体をかがめる必要がない。 もちろん、上方には最大で約188cmまでドアが持ち上がるため、屋根の低い立体駐車場では注意が必要だ。
ガラス張りのキャビンは、ドライブではオープンカー並みの開放感を与えてくれる反面、外から車内が丸見え。そのため、インテリアのパーツはそのとんどが専用設計され、当時のコンパクトカーでは考えられないほど手の込んだ造りになっている。 エクステリア同様に、丸みを帯びたデザインのダッシュボードは、センターパネルからメーター部まで一体成型されたパネルを使用。それなりに製造コストが掛かる分、未来的でありながらシンプルにまとめられている。
また、最高出力110PSというごく平凡な動力性能のコンパクトカーでありながら、シートはホールド性を持たせたセミバケットタイプを採用。このややオーバースペックとも取れるインテリアも、セラがスペシャリティカーの位置づけだったことを感じさせるポイントだ。
トヨタ セラ
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。
コメントを受け付けました
しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。