日本版コンシューマレポート-トヨタ マークX ユーザー試乗レビュー-(4/6)
- 筆者: 桃田 健史
マークXのユーザー評価・レビュー/ドライビング
いまから6年前の、2004年。筆者は初代「マークX」を、今回の二代目「マークX」と同じく、山梨県内の某有料道路とその周辺一般路で試乗した。その際、率直に感じたことが2つある。
(1)ステアリング操作に対するクイックな動き。まるでスバルの水平対向エンジン搭載車のように、スッと動く。マークII時代とは比較にならない、驚きの動き。
(2)道路の継ぎ目などを通過する際、路面からの突き上げがかなり強い。高齢者が同乗する場合、苦痛になるほどではないか?
これらを、当時の「マークX」開発担当者たちに直接伝えた。それから5年経った2009年、二代目「マークX」の走りはどう変わったのか?
友原さんは本音を漏らした。
「正直、私も初代の、特に後席の突き上げは強過ぎると感じました。ですが、それはある程度必要だったのだと思います。マークIIからマークXへ大変革するため、まずは思い切ってスタイリングをやって、さらに走りの面でも”やり過ぎるくらい”やった。
そのため、前席はそれ程感じないが、後席の乗り心地が悪くなった。ですが、そこまでやりきったため、お客様がどのアタリを求めているのかが分かってきたのも事実です。二代目では、乗り心地を担保したうえで、走りの楽しさを追い求めました。お客様の期待以上の乗り心地と走りを目指しました」
では具体的に、ナニをどう改良したのか?
前モデルは、路面からの入力(衝撃/突き上げ)に対して、車体全体がグラグラっと動く感じ。そのため、ドライバーの頭も動いてしまう。良い乗り味というのは、路面のアンジュレーション(凹凸)を各サスペンションがしっかり受け止めてくれること。
そのために、ロール(クルマの左右の触れ)の方向、ピッチング(クルマの前後の触れ)のバランスを徹底させた。ホイールレートの前後比を変え、スタビライザーを含めたボディ剛性を強化。各部のブッシュ(ゴム)類も改良して、上質な乗り味を狙った。
またこだわったのは、「高速走行でのレーンチェンジ」。トヨタ車特有の、ハンドルを切り始めた時に「少しばねが効いたような緩慢な感じ」を改めた。トヨタ車が通常使っている指標とは全く違う方向に振った。「正直なところ、ベンチマーク(狙いどころ)は、BMW5シリーズです」(友原さん)。
こうしたトヨタの思い、果たしてユーザーに届いているのか?
また、設問「試乗前後でイメージは変わったか?」で、「変わった」は少数派の28%。そうした少数派意見、あえて全回答を公開する。
「試乗前後でイメージは変わったか?」で変わったと答えたユーザーのコメント
・2.5に乗りましたが、レギュラーガソリン仕様になった割にはいい加速をしていたと思います。ただ、ボディの剛性感は少し低いと思いました (徳島県 たむたむさん)
・大きいイメージでいたが、室内が狭い。特に後席!室内のインテリアはさすがトヨタという感じで、なかなか良い! (神奈川県 スペシャリストさん)
・もう少しパワーがあるかと思った。そのわりには燃費は良くなさそう。トランクルームも思ったより狭かった (大阪府 よしのぶさん)
・初代マークXとプラットフォームを共有しているので、外観だけの変更かと思っていましたが、乗り味はすっきりとしていてオジサンのクルマではなくなっていました。電動シート等の装備を変更して価格ダウンをしているのは残念です (兵庫県 GONTAさん)
・見た目よりも大きく感じた (大阪府 ヤマグチさん)
・アクセルのレスポンスが遅れるのが大きく違和感として残った。シートの材質がアクリルっぽくて滑る感じでもう少し高級感がほしい。皮を選べばいいのでしょうが・・・ (兵庫県 ニーナさん)
・250Gリラックスセレクションに試乗しました。乗り出しのつっこみ感、コーナーでのバタバタした感じを感じてしまいました (群馬県 izu00126さん)
・試乗する前は、ふわふわ柔らかいイメージがあったがカッチリと安定していてとても乗りやすいと思いました (東京都 アベさん)
・スポーティなイメージが走行性能にそれほど感じられなかった (群馬県 nqi11455さん)
・安いグレードに試乗したからかもしれませんが乗っていて高級車を運転している感じが全くしませんでした。車体は前のクラウンやレクサスISと基本的に同じなので期待していたのですが、100万以上安いだけあってコストダウンが至る所にある感じがしました (福岡県 はるさん)
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