東京オリンピックもこれで万全! 首都東京を守る警視庁機動隊のすごいクルマ 10選

首都の安全を守る! 機動隊の“はたらくクルマ”を一挙紹介

2018年5月で創設70周年を迎えた警視庁機動隊は、警視庁警備部の中の一つの部隊であり、警察警備の中核をなす執行部隊だ。

警視庁機動隊は、第一機動隊から第九機動隊に特科車両隊を加えた10個隊体制で首都東京を守っている。ちなみに第一から第九までは東京都をエリア制で分けられているわけではなく、創設された経緯がそれぞれにはある。

例えば、「車両」の名がつく「特科車両隊」は1956年に第一機動隊の中に設置された特科車両中隊から特科車両隊(1968年に改名)に、そして第八機動隊(1969年)となり、同時に特科車両部門が分離独立して1969年7月1日に誕生したのが現在の特科車両隊である。分離独立してからもう間もなくちょうど50年となる。

車両隊といっても車両だけを専門に扱うわけではなく、他の機動隊と同様に治安警備や災害警備、墨田川花火大会に代表される雑踏警備などを行い、各種車両で他の機動隊の支援を行っている。

「警察の機甲部隊」ともいわれる部隊で、特に「災害重機部隊」は特科車両隊にのみに配置されており、地震や洪水などの風水害など大規模災害が発生した際には災害重機車両で支援活動を行っている。

それでは日本が世界に誇る精鋭部隊、警視庁機動隊が所有するすごい車両10選を紹介してみよう。

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警視庁機動隊の頼れる車両たち 10選

警護車:日産 スカイライン 350GT、トヨタ マークX 他

その名の通り、要人警護のための車。ほとんどが黒塗りの車で車種は日産 スカイラインやトヨタ マークX、クラウン、最上級クラスとなると防弾仕様のLEXUS LSなどの準高級~高級セダンが採用されている。

ドライバー(SP)の技量も非常に高く、スラロームを機敏に走り抜ける訓練や銃撃音に反応して反射神経を磨くための訓練など専門のトレーニングを受けており、前後、左右に絶妙な間隔を保ちながら要人が乗る車両にピッタリついて盾になるように守る。助手席側のドアミラー上に設置された補助ミラーが独特。一見して警護車とはわからない仕様となっている。

多目的災害対策車:メルセデス・ベンツ ウニモグ Universal-Motor-Gerat

最大登坂角度45度(45 度の坂道は実際目の前にするとほとんど壁!)、水深1.2mの水たまりも余裕で走破できる驚異の悪路走破性、機動力を誇るウニモグは多目的作業用トラックの代名詞ともいえるトラックだ。

ウニモグはメルセデス・ベンツが製造する車両で、60年以上の長い歴史を持っている。また日本では長くヤナセが輸入販売を行ってきたこともあり、警察関係の他、消防署や防衛省、競馬場など、幅広い用途で活躍している。

ウニモグのスゴイところは、ベース車両の機動力が桁はずれなのはもちろんだが、ベース車両に様々な作業用アタッチメントを付け替えることで、何通りもの作業をウニモグ1台で行うことができるのだ。高レベルの作業を経済的かつ合理的に行えるのがポイントである。

爆発物処理筒車(筒型爆発物処理車) いすゞ エルフ

警視庁特科車両隊所属の爆発物処理筒車がこちら。日本では爆発物の処理を行うのは自衛隊と警察で、自衛隊は主に不発弾、警察はそれ以外の事件性が高い爆発物の処理にあたっている。

爆発物処理筒車においてはトラック荷台後部に設置された「処理筒」の中に爆発物を入れて処理するが、筒の中で爆発するようなことがあっても耐えられる仕様となっている。また、ドア部のサイドガラスにも耐爆仕様の脱着式防護板が備わっており、万が一の事態にも対応している。

放射線防護車 三菱ふそう・スーパーグレートFS

2013年に警察庁に初めて配備された、1台約1億5千万円の放射線防護車は第四機動隊に所属している。2011年の東日本大震災時おける東京電力福島第一原発の事故を受けて導入が決まったもので、原発事故や原子力発電所を狙ったテロ工作などによって放射能漏れが起きた場合に、現場で活動する役目を担う。

2台同時に導入された時点では1台が東京(緊急時に現場へ移動)、もう1台は福島第一原発(福島県警)に配置されていた。全長約10メートルの大型車両で重量は22トン。車両全体に放射線を遮断するための鉛素材を使用しており、放射性物質の流入を防ぐため車内の気圧を外気より高めた仕様となっている。

機動隊指揮車両(特科車両隊)トヨタ ランドクルーザー

「DJポリス」が立つ車として一躍有名になった現場指揮官車両。ベースはランドクルーザーがほとんどで、2007年度までは100系ランクル、2009年度からは200系ランクルが導入されている。

投石などによる車の損傷を防ぐため、横と後ろのガラスは金網でガードされているが、フロントガラスと運転席/助手席側のガラスには、防弾に準じる強度を持ったガラスが採用されている。

警察庁の資料によると100系ランクルの価格は特別防護の装備などを加えて900万円以上とのこと。

水難救助車 いすゞ フォワード

島国日本は四方を海で囲まれ、さらに川や湖などの多くの水源に恵まれているがその分、水に関わる事故も多い。日本で水難救助の役目を担う組織は海上自衛隊、海上保安庁、消防、警察の4つの組織となり、警察の水難救助隊は全国各都道府県の機動隊に属している。

普段は機動隊としての通常の任務についているが、水難事故が発生した場合には訓練を受けた機動隊員が水難救助隊として出動する。なお消防と警察の水難救助隊の違いは、消防は「人」を助ける任務がメイン、警察は水難事故などによって亡くなった方の遺体の引き上げや検死、身元確認、犯罪がらみの事故の場合は証拠品や現場検証が主な活動となる。

こちらの水難救助車は警視庁第二機動隊に属する車両で5代目いすゞ フォワードFTR(8トン・前期型)をベースとしている。

遊撃放水車 いすゞ フォワード FTR

機動隊における「放水」とは「放水砲」のこと。貯水タンクの水に高い圧力をかけてホースから水を噴出させて暴動鎮圧すべき相手などの行動を阻止したり、無力化させたりする「非致死性兵器」の一つである。遊撃放水車仕様のいすゞ フォワード FTRは、車両の屋根部分に放水銃を搭載している。

遊撃捜査二輪車 ホンダ CB400F

遊撃捜査二輪車は2003年に導入された。主な目的は当時、急増していた原付バイクによるひったくり事件の解決、犯人を追跡するために70台が設置された。

被害の通報を受けると同時に機動性に優れた小型バイクで出動するため、初動捜査における犯人取り逃がしを防ぎ、犯人確保に大きな効果を上げている。

[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 博人]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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