トヨタ、2015年3月期決算で前期比20%増 2兆7505億円の営業利益 ~純利益でも2兆円超~
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:オートックワン編集部 レポート:オートックワン編集部
トヨタ、過去最高の利益を確保
トヨタは2015年5月8日、トヨタ自動車 東京本社(東京都文京区)において2015年3月期の決算発表を行った。為替の円安傾向による推移や、グループ内の原価改善活動といった積み重ねにより、売上高で27兆2345億円(前期比+6.0%)、営業利益で2兆7505億円(前期比+20.0%)、純利益においても2兆円超の2兆1733億円(前期比+19.2%)と、過去最高の利益を確保した。
小売販売台数の面では、トヨタ・レクサス車で897万2000台(前期比-14万4000台)、ダイハツ・日野を含むグループ合計で1016万8000台(前期比+3万5000台)となっている。
販売台数は国内やアジアなどで減少しマイナス ~北米や欧州では堅調な推移~
地域別では、日本が販売台数215万4000台(前期比-21万1000台)、営業利益1兆5714億円(前期比+613億円)。「レクサス NX」「アルファード」「ヴェルファイア」「エスクァイア」などの新型車は好調なものの、消費税率引き上げの影響を受け前期比マイナスとなった。他方、研究開発を積極的に行い諸経費は増加したものの、為替変動などの影響もあり、利益は確保した。
「RAV4」や「カローラ」などが販売を伸ばし、モデルチェンジを実施した「カムリ」も堅調な推移をみせる北米は販売台数271万5000台(前期比+18万6000台)、営業利益5379億円(前期比+1964億円)。「ヤリス」(日本名:ヴィッツ)や「カムリ」などが順調に推移し、コンパクトカー「アイゴ」をフルモデルチェンジした欧州(ロシア含む)では、販売台数85万9000台(前期比+1万5000台)、営業利益811億円(前期比+228億円)。
アジアでは「ヤリス」「カローラ」などの新型車は堅調な推移をみせたものの、タイやインドネシアなどでの競争激化・市場低迷の影響を受け、販売台数148万9000台(前期比-12万台)。こちらも為替の影響で営業利益4217億円(前期比+260億円)とした。中南米・オセアニア・アフリカ・中近東では、中南米などで販売を伸ばすも、主にアフリカでの販売減の影響を受け、販売台数175万5000台(前期比-1万4000台)。営業利益では通貨安の影響もあったものの諸経費の減少や営業努力などにより1115億円(前期比+689億円)となっている。
これらを受け、株主に対して年間の配当金を1株あたり200円(期末配当125円・中間配当75円)とする案を株主総会へ提出するほか、3000億円を上限とする自己株式取得も新たに実施する計画とした。
トヨタの豊田 章男 取締役社長は2015年3月期の好結果について、販売店・仕入れ先といった関係者や世界中のユーザーのおかげとし、感謝を述べた。またいっぽうで、現場の従業員らの地道な取り組みの積み重ねによる功績の結果についても称えるのを忘れない。
2015年は、トヨタが力を注ぐ「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」(TNGA)を用いたニューモデルの市場投入(4代目の新型「プリウス」からか!?)が開始する。このTNGA車は、2020年頃までに世界で販売するクルマの半分程度を切り替える意向も表明している。
今後の中長期計画については『持続的な成長のため「真の競争力向上」に向けた取り組みを進める』とし、軸となる「もっといいクルマづくり」と「人材育成」といった、常に進化し続ける強い現場創りの意向を語った。
[Photo&レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)]
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