スウェーデンラリーと現地のクルマ事情を探れ!学生カーソムリエ現地レポート(2/2)

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スウェーデンラリーと現地のクルマ事情を探れ!学生カーソムリエ現地レポート
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そしてWRCスウェーデンへ

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そして留学の全プログラムを終了し、滞在期間の最後にWRC(Rally Sweden)を見に行きました。

ラリーは複数あるステージ毎の合計タイムを競う競技で、今回僕が紹介するステージは有名な「Colin’s Crest」です。Colin’s Crestはラリーカーが30m以上の距離をジャンプする見応えがある場所なのですが、いかんせん場所が完全に森の中でどう行けば良いのか、何を持っていけば良いのか全くわからずかなり困ったので、この記事が今後WRCに観戦に行く人の助けになると幸いです。特に来年からはトヨタがWRCに復帰するので、日本から観戦に行く日本人も増えるかもしれませんね。

滞在していたストックホルムからColin’s Crestまでは片道380km。東京~仙台間以上の距離です。今回はレンタカーで日帰りで(!)行きましたが、普通に会場の近くに泊まる事をお勧めします。Google mapで「Colin’s Crest」と調べると場所が出てきます。その手前に駐車場があり、観戦場所まで徒歩で雪の森の中を500mほど進みます。一人で歩くと不安になるレベルの大自然ですが、そのうちチケットの販売員に出会えるので、そこでチケットを購入します。

ちなみに、ここは現金しか使えないので注意です。忘れずに!

チケット購入後すぐ先の雪の丘を駆け上ると、それまでの大自然の風景とは一変。完全にラリーの世界になります。この瞬間がこの日一番感動しました。

それまではこの場所で本当に合ってるのかと不安でいっぱいだったのですが、盛り上がっている群集を見て「ああ、WRCだ」と実感できます。皆さん飲んだくれていたり焚き火をしていたり、その火でお風呂を沸かして入る猛者がいたり、さらには何故かタキシード着ている人がいたりと色々滅茶苦茶です。

この会場にアジア人はほぼいないため、物珍しさからよく話しかけられましたが、同い年くらいのスウェーデン人が「俺は車は好きだけどここに来るのはそれだけが理由じゃない。この雰囲気を仲間と分かち合いたいから毎年来てるんだ」と言っているのが印象的でした。 「ラリー」はどうやら彼らの文化の一部のようです。文化とは流行廃りとは無縁なものであり、文化である事こそが、永く愛される所以なんだろうと感じました。是非日本にも、そういう文化が根付いて欲しいものです。

ラリーへの興味

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 そもそも私は、自動車部に所属するまではどちらかというとサーキット系のモータースポーツが好きでした。やはりスーパーGTの方が有名と感じていましたし、車両自体も、いかにもレーシングカーといった感じで魅力的だと感じていました。そこからラリーに興味が移ったきっかけは、3年前に大学の授業の一環で、フランスで開催されていたラリーの整備サポート部隊として参加したことでした。

当然サーキット系のモータースポーツは今でも好きですが、ラリーは学生でも実際に自分で参戦できる機会が多いので、より身近に感じられたのが理由かなと思います。そして何と言ってもラリー車はナンバー付き市販車の改造車両で戦うところが魅力です。普段自分たちが乗ったり見かけたりする車が、ラリーという戦場で活躍している姿を見るのは感動します(スーパーGTも一般車両がベースですが、もはや原型をとどめていないものがほとんどなので……)。

それに加え、サーキット車両はやはりあのサーキットの路面上だからこそ性能を発揮することが出来るのであり、どこでも最速という訳ではありません。路面を選ばない「地上最速」という称号は、ラリーカーにこそ当てはまるといえるでしょう。

ただ残念なのが、しばらく日本メーカーがWRCに参戦していないこと。一昔前の日本車が世界ラリー選手権(WRC)を席巻していたときにリアルタイムで見ていたら、さぞや幸せだっただろうなと思います。

WRCスウェーデンで改めて感じたこと

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 今回Rally Swedenを観戦して、生でラリーカーを見て印象に残ったのは、Colin’s crestのジャンプした後の車の動きでした。普通あんな大ジャンプをしたらサスペンションが衝撃を吸収しきれず、車の挙動が乱れるものだと思います。が、さすがWRCで使われるサスペンションは、あの大ジャンプをものともせず、着地の衝撃を一発で完全にいなしてしまいます。いつか一度体感してみたいものです……。

しかし、一番印象に残ったことは、不思議とラリーカーのことではありませんでした。最も印象的だったのはやはり会場の雰囲気、空気です。これに関しては、やはり現場で体感しないとわからないと思います。

なぜそのような言葉では表せない強烈な印象になったのか?少し考えてみました。

思うにラリーというものは人間が機械を操って自然を駆け抜けるという「人間・機械・大自然」が絶妙に混ざった、他に類を見ないアクティビティだと感じるのです。今振り返ると、その雰囲気自体が強烈に印象に残ったのではないかと思いました。そしてそこに文化としてのラリーの価値があると思います。おそらくラリーは「機械」と「大自然」の両方に対して敬意を表す稀有な文化であり、これはやはり文化的に価値があると言えるでしょう。

日本はスウェーデン同様、機械にも大自然にも恵まれた国なので、ラリーという文化を通じて、日本の良い所を再認識できるんじゃないかと考えたりもしました。なので、2017年からWRCに復帰するトヨタには是非優勝して、ラリー自体の知名度を上げて欲しいところですね!

(text:東京大学工学系研究科 システム創成学専攻 大山 健志)

 

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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