若者のクルマ愛を侮るなかれ!第3回「ゆーるピアンミーティング」潜入記

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  • カメラマン:オートックワン編集部
若者のクルマ愛を侮るなかれ!第3回「ゆーるピアンミーティング」潜入記
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コアメンバー には学生カーソムリエも!ゆーるピアンミーティングとは!?

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12月6日の日曜日、晴天下の横浜シンボルタワーにランチア「イプシロン」、アルファロメオ「スパイダー」、ランチア「デルタ」といった輸入車が集まりだした。台数はどんどん増えていき、次第に国産スポーツカーであるトヨタ「スープラ」やMINI「MINIジョン・クーパー・ワークス」なども加わり、どんどんジャンルの垣根はなくなっていく。

この日行われたのは第3回「ゆーるピアンミーティング」。

これはツイッター上のクルマ好きメンバーのやり取りから生まれたミーティング。ゆーるピアンという名称から欧州車中心のラインナップを想像するが、実際にはそのようなことはない。国産輸入問わず様々な車種で気軽に「ユルく」楽しんで欲しいという願いが込められているようだ。3回めの開催となった今回は、最終的に56台もの車が各地から集まった。

このイベントで特徴的なのが、参加者の平均年齢が非常に若い点。コアメンバーは皆20代前半で、参加者も半数以上が20代前半〜30代という様子だった。さらに車大好き高校生の参加もあり、全体として非常に若さあふれる活発な空気があふれていた。

コアメンバーの一人である本田さんは、以前カーソムリエの企画に参加したこともある生粋のフランス車好き。まだ都内の大学の学生ながら、その知識量には目を見張るものがある。ちなみに彼に憧れの車種を聞いてみたところ、シトロエン「2CV」と「DS」。どちらも自動車史に残る名車だ。

同じ大学の甲野さんもかつての学生カーソムリエ活動のメンバーにして、なんと現在はアルファロメオ「スパイダー」を愛車にしている。彼等は生粋の輸入車好きなのだ。

そもそもの始まりは「どんなクルマでも集まれる場を」

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本田さんによると、そもそもの企画意図は「どんな車種でも」「気軽に」参加できるMTGがやりたかったからだという。そこでFacebookやTwitterなどのSNSを活用して近しい趣味を持つ仲間同士を募り、十数台規模で開催するようになったのだそうだ。

実際、先にも述べたとおり今回参加している車種は非常に多種多様で、しいて言えばアメ車がいないくらい。それと国産スポーツカーも、割合としては少なめと言える。

今回は参加者の皆さんにインタビューを行ったのでぜひご覧頂きたい。

日産「スカイラインGTE」で登場の上野裕さん

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上野さんは現在中古車販売店に勤務している。実は彼が、このミーティングの初期メンバーの一人なのだ。

彼の愛車は、この種のミーティングに参加するには珍しく(?)走り系エアロパーツが全く装着されていない「素の」姿をとどめた4ドアのスカイライン。もはやこの状態で残っているのが奇跡といえる。

実はこの個体、もともとは勤務先の販売店に下取依頼された一台なのだという。とはいえ年式も年式なので、普通に考えれば待っているのはオークションで買い叩かれてしまうか、もしくは解体の運命。だがその時、移動のためにハンドルを握った上野さんは、即座にその“シングルカムエンジンに自然吸気のフィーリング”に何かを感じてしまう。以来、愛車としてずっとお乗りということだった。

アルファロメオ「スパイダー」にお乗りの甲野大輔さん

第3回ゆーるピアンミーティング
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本イベントのコアメンバーである甲野さんの愛車は、このアルファロメオ「スパイダー」。

憧れの車を聞いてみると、マセラティ「ギブリ」(E-MG型)とロータス「エスプリ」。エスプリはS4SかV8アニバーサリーという条件付きだ。イタリア車に英国車、なんとも渋い!

そんなコアな趣味を持つ甲野さんのような若者も居る一方で、世間では何かと、若者は車に興味が無いのではという声も目立つ。これまでひたすらにクルマ好きとして歩んできた甲野さんの目には、この現象はどう映るのだろうか。

“クルマに興味があっても無くても、まず乗ってみることで可能性は広がります。なので、免許あるならとりあえず運転してみない?と思ってます。終電などの制約に縛られず、気まぐれにどこにでも出掛けられる自由を味わって欲しいなと思ってます。”

マニアックな車種への強い愛にあふれる一方で、そこに見られたのは、純粋に「自由な移動手段」としてクルマを眺める青年の姿だった。

ランチア「デルタ」で参加の飯田匠さん

第3回ゆーるピアンミーティング
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真っ赤なランチア「デルタ」で参加したのは飯田匠さん。ランチアのロゴ入りレーシングスーツをまとっての登場だったが、意外にも(?)おとなしい性格のナイスガイだ。

ランチア・デルタといえば、80年代の世界各国のラリーでの目覚ましい活躍があまりにも有名。不気味なまでに張り出した左右のフェンダーは安定した走行性能のため。開口部を極限まで増やしたフロントグリルは、強力なターボエンジンを少しでも効率よく冷却するため。まさしく勝利のために磨き上げられたモンスターマシンといえる。

彼がランチアに魅入られたのは、フェラーリなどの輸入車が好きな父親の影響だという。細かな経緯は不明だが一度試乗して以来、その圧倒的な個性の虜になってしまったという。また彼はラリー競技にも興味があり「デルタS4」というモンスターマシンに一度乗ってみたいと言っていた。

昨日買った(!)アルファ147で参加の鈴木健太さん

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同じくレッドのアルファロメオ「147」で参加の鈴木健太さん。

なんとこのアルファロメオ、昨日購入したばかりだという。しかも知人つながりでの購入ということで、その金額たるや5万円(!)ちなみに有名なセレスピードクラッチではなくマニュアルだった。

先の飯田さん同様、ご家族の影響で輸入車に目覚めた鈴木さん。実家にあるプジョー「106 1.3ラリー」に加えて2台目の愛車だという。

アルファに乗り換えての感想は「高回転域まではどことなく非力なプジョーに比べて、低回転でもトルクがあるので長距離でも疲れない」とのことだった。シレッと言ってのける彼だが、この2車種、どちらも相当レアなのではないか……。

ちなみに彼の憧れの車を聞いてみると、ケーターハム「スーパー7」との返事が帰ってきた。大人しそうな外見に見えたが、なるほど硬派である。

バルケッタで登場した木村領太さん

第3回ゆーるピアンミーティング

木村領太さんの愛車はオレンジ色の鮮やかなフィアット「バルケッタ」。小舟を連想させるデザインが印象的な2人乗りオープンカーだ。

「もともとは4人乗りで後輪駆動、且つマニュアルのオープンカーが欲しかったんですよ」と笑う木村さんだが、条件は半分しか満たしてないではないか。どうしてこうなったのだろう。

「とにかく人と被らない車種に乗りたい」という理由から、メジャーなマツダ「ロードスター」等には目を向けず、日産「シルビアヴァリエッタ」や英国車の「MG」さえも候補に入れたという。その中で偶然今のバルケッタに出会い、購入に至ったのが19歳の時。

現在はメーカーに努めており、買い換えるとしたらオペル「カリブラターボ」、あこがれのクルマはポルシェ「968」だという。彼自身「そこまでクルマに詳しいわけではない」と謙遜するが、とてもそうは思えないディープなやり取りだった。

彼女さんとスープラを共有!星野和司さん

第3回ゆーるピアンミーティング

黒のトヨタ「スープラ」で参加したのは星野和司さん。今回はゆーるピアンミーティングのステッカーを作ってくれた。

実は現在、このスープラはお付き合いしている彼女さんと共有しているとのこと。というより、お付き合いするきっかけとなった記念の一台ということらしい。

今回の参加者には珍しい国産ハイパワー車ということで、憧れの一台にもそのような車種が並ぶのかと思いきや、そのお返事は「アルファロメオ」だという。もともと国産車とイタリア車が好きだったらしく、輸入車ならアルファ「159」、国産車なら日産「スカイラインGT-R(R33)」が一番好きということだった。

ジョン・クーパー・ワークスにゾッコン!ブラボーさん

第3回ゆーるピアンミーティング

ブラボーさんの愛車はMINI「ジョン・クーパー・ワークス」。

現在22歳の彼は、お父さんの影響で幼少期からモータースポーツやチューニング関係の情報に触れることが多かったという。そんな彼の最初の愛車がトヨタ「ヴィッツRS」。これは「公道でマニュアル車に乗りたい」という理由からだったという。

その後、もともとスポーツカー好きだった彼は順当に国産スポーツカーに行くかと思いきや「小さいのに速い」を体現するヴィッツRSの延長線上、いわゆるホットハッチに目が向くこととなる。そこで輸入車も含めて次期愛車探しが始まるわけだが、気になって試乗したこのMINIにゾッコン、その勢いで購入に踏み切ってしまう。彼曰く「サイズ感、パワー、ボディ剛性のバランスが最高」ということだった。

現在の愛車にゾッコンの彼に、いわゆる「若者のクルマ離れ」問題について聞いてみた。

たしかに彼の周りの同年代の方は、クルマを持っている層、また持っていてもそこまで趣味に走る層は多くはないとのこと。彼曰く“若者はそもそも自動車に触れる機会がないような気がする。免許を取得しても、家の人がクルマ好きでもない限りなかなか車に触れる機会がない。そういう人がクルマに興味を持てるようなキッカケがあれば空気も代わるのではないか”と言っていた。

ロールバー装着のNDで登場!藏人脩平さん

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ラストを飾るのは、以前学生カーソムリエ活動に参加してくれた藏人脩平さん。愛車は購入したばかりというマツダ「ロードスター(ND型)」だ。

彼は自動車メディア対抗のロードスター耐久レースを観戦して以来、同じようなレースに参戦したいと思うようになり、その思いが高じて実車の購入に至ったという。先日早くもマツダ主催のアマチュア向け耐久レース「マツダファン・エンデュランス」(通称:マツ耐)に参戦、見事完走を果たしたということだった。

ちなみに彼の憧れの一台はジャガー「Fタイプ」。やはりロングノーズ・ショートデッキのスポーツカーがお好きなようだった。

クルマを持って変わったのは、いつでも自由に移動できるフットワークだという。今回のようなジャンル不問のイベントには、これからどんどん参加したいと意気込んでいた。

第3回ゆーるピアンミーティング

今回このイベントを取材して改めて感じたのは、若者の車離れが仮に起きているとしても、ここに参加するように心からクルマを愛してやまない層は確実に存在するということ。そして、彼等は想像以上に強いつながりで結びついているということだ。

実際今日のイベントはTwitterやFacebookを中心に参加者が招集され、当日初顔合わせというメンバーも少なくなかった。にも関わらずイベント全体を通じて常に和やかな空気が流れており、参加者同士の雰囲気も非常に良いものだった。クルマに関する情報交換から維持、整備の苦労話まで、それを初対面の人と互いに交換できる貴重な場所だといえる。

イベントの中心人物である本田さんも、クルマは立派な趣味として確立したジャンルであり、年齢がどうであろうと自信を持って活動して欲しいと語ってくれた。

それにしても、SNSの車好きのコミュニティは侮れない。3回目というまだまだ若いイベントながら、56台という参加台数を数えるまでになったのだから。ちなみに解散間際に聞いてみたところ、次回のゆーるピアンミーティングは春頃の開催を予定しているとのこと。

興味のある方は是非、公式のTwitterをご覧頂きたい。

◆ゆーるピアンミーティング公式ツイッター

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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