CASE普及のカギは“新車ディーラー”にあり!? その理由とは [“モビリティの世界” Vol.13]

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CASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)の普及は、自動車メーカーだけは果たすことは難しい。じつはCASEを展開する上で自動車販売店(新車ディーラー)の動きもガキとなってくるのだ。

>>CASEが始動すればこんなクルマが街を走る!?

今回は自動車を売る・整備するから、“地域の暮らしとモビリティを支える拠点” へと生まれ変わる大変革期を迎えている自動車販売店の動きにフォーカスする。

技術のお披露目会となる東京オリンピック・パラリンピック2020に向けどのような動きが起こったのか、そしてCASEがどのように我々の暮らしへ関わっていくのか。モビリティジャーナリストとして活躍中の楠田 悦子氏に語ってもらった。

目次[開く][閉じる]
  1. 東京オリンピック・パラリンピック2020を国内外のショーケースに
  2. 自動車販売店が大変革期に! 地域の暮らしとモビリティを支える拠点へ
  3. 「もう母が乗らなくなったので」高齢化で自動車購入以外のニーズも
  4. すでにMaaSやパーソナルモビリティの取り扱いも開始している

東京オリンピック・パラリンピック2020を国内外のショーケースに

2020年と言えば、やはり注目は東京オリンピック・パラリンピック。ここをマイルストーンとして自動運転などの準備を進めてきた自動車メーカーもいよいよ本番を迎えます。各メーカーは日本の最先端モビリティを海外へ発信するとともに、新しい技術に慣れ親しんでもらおうと考えています。

自動車メーカーの中でもオリパラのスポンサーになっている会社の動きを追うと動きがつかみやすいでしょう。ワールドワイドオリンピックパートナーのトヨタは、同社の自動運転時代を象徴するAutono-MaaS(オートノマース)専用EV「e-Palette(イーパレット)」を選手村に数十台導入して、巡回バスとして走らせるなど、大会を移動面からサポートします。

東京オリンピック・パラリンピック2020前の2020年7月6日~12日の7日間には、スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、日野、ホンダ、マツダ、三菱、ヤマハの計10社が参画し、大規模な実証実験が羽田空港、臨海副都心で行われます。使用される車両は自動運転レベル2~4相当の約80台です。

加えて、2020年の動きで筆者が注目しているのが自動車の販売店です。自動車販売店は、自動車を売る・整備するから“地域の暮らしとモビリティを支える拠点” へと生まれ変わる大変革期を迎えているのです。

自動車販売店が大変革期に! 地域の暮らしとモビリティを支える拠点へ

2020年5月に“チャネル軸”から“地域軸”へと、トヨタの販売店でチャネルの統合が行われます。トヨタの販売店は「トヨタ店」「カローラ店」「トヨペット店」「ネッツ店」に分かれていました。購入できる車種がチャネルによって異なっていたので、扱っていない車種が欲しくても「うちでは扱っていません」と断られるなど、顧客にとって不便さがありましたが、販売店にとってはうまく住み分けがされていました。

しかしこの差別化がなくなります。先行して統合が進められたのが東京です。2019年4月にトヨタの100%子会社「トヨタ東京販売ホールディングス」とその100%子会社の4社が「トヨタモビリティ東京」へと融合しました。環境の変化に対応し、地域のモビリティのニーズに対応するためです。

「もう母が乗らなくなったので」高齢化で自動車購入以外のニーズも

自動車販売店に来店する顧客からは、購入ではなく廃車の依頼も増えてきているといいます。高齢者による交通事故と免許返納に対する社会の関心が高まっているためです。

このような背景を受け、トヨタの本社から販売店へ説かれたことは、地域の交通事業者などと連携しながらデマンド交通などの“MaaS(マース)”に取組む重要性です。

MaaSなどのモビリティサービスに加えて、今後考えられることは、自転車やパーソナルモビリティの販売です。販売店はこれまでと異なる商材づくりや、CASE時代に備えたバリューチェーンづくりが迫られています。

トヨタとソフトバンク、その他自動車メーカーが出資しているMONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)によると、免許返納でマイカーを手放す人、移動に困っている人など、潜在的な移動の市場規模は2.6兆円に上ると試算しています。

すでにMaaSやパーソナルモビリティの取り扱いも開始している

販売店を取巻く環境の変化にいち早く対応したのは、兵庫県尼崎市に本社を置くネッツトヨタ神戸です。

本社店舗の2階に、料理教室ができる空間を用意して、地域の拠点になろうとコトづくりに取組んでいます。またグッドデザイン賞を受賞したアイシン精機の乗合送迎サービス「チョイソコ」の実証実験を2020年4月から地域と連携して主体的に取組みます。

健康意識が高く、老後の暮らしに備える人は自転車を勧める、なんてことも出てくるかもしれません。

これまでは自動車販売店でのパーソナルモビリティの販売は活発ではありませんでした。しかしその状況は変わり、歩くことが難しい人に対して、オリパラで活用される立ち乗りタイプや車いす連結タイプのような多様な移動手段の購入がしやすくなるかもしれません。

このように、移動に心配のない社会づくりのために、自動車販売店がよい働きをするのではないかと筆者は期待しています。

[筆者:楠田 悦子]

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楠田 悦子
筆者楠田 悦子

「暮らしや社会をより"心豊か"に」をテーマに、新進気鋭のモビリティジャーナリストとして活躍中。 欧州生活、バックパーカー、NGOなどの経験を基に、クルマ、鉄道、バス、自転車、飛行機‥身近な人やモノの移動やその手段の進化に着目。暮らしや社会の問題を考察したり、新たな価値を提案するなど、具体的にアクションをとることがライフワークになった。自動車業界紙、(株)自動車新聞社の記者出身で、モビリティビジネス情報誌「LIGARE」の初代編集長。国や自治体の検討会委員なども務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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