ルノー 新型 カングー ゼン 6MT[1.2ターボ] 試乗レポート/藤島知子(3/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂幸正・オートックワン編集部(カングージャンボリー会場)
新直噴ターボのエコ性能と6速MTの組み合わせは、どうなの?
と、つい話が膨らんでしまったが、私がこれまでカングーの購入にこぎ着けなかった理由は2つあった。現状で大きな荷物を積む必要性に駆られなかったことと、燃費がもう少し改善されたら嬉しいと思っていたことである。そこで今回登場してきた1.2リッターターボのダウンサイジングエンジンと多段化した6速MTの組み合わせは、人や荷物を運ぶクルマに必要なパワーを発揮するのか? また、燃費面との兼ね合いが実に気になる。
これまでのルノー カングーには、コンパクトカー「ルーテシア」のパワーユニットが受け継がれてきたが、新たに追加された1.2リッターのターボエンジンも4代目ルーテシアに搭載された120馬力のダウンサイジングエンジンが採用された。スペック的にはルーテシアより5馬力低くなっているが、これはカングーが荷物を運ぶクルマであることを踏まえ、重いクルマをスムーズに走り出させる上で最適化されているとのこと。
わずか1.2リッターでも十分なパワーを発揮
2リッター並みのトルクを発揮するパワーユニットは、排気量は低めに抑えながらも、適切なギアさえ選択していれば、走行中にモタツキを感じるシーンはほとんどない。あくまでも、車内で会話を楽しみながらドライブしていたいカングーのキャラを踏まえると、大人が2、3人乗車した状態で走って不足を感じるシーンがほとんどないのだ。
エンジンはわずか千回転ちょっとでトルクを発生してくるので、街乗り時のギアは早い段階で上のギアにチェンジ。3、4、5、6速へと積極的にシフトアップしていき、極端な話、イメージよりも2つ上のギアで走っていける感覚に驚かされる。登り坂の傾斜がキツくなれば、さすがに高いギアをキープしたまま坂を登ろうとすると力不足を感じるが、そこでギアを2速分ほど落として走れば、充分にパワーを発揮する。
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