アウディ、WECから撤退しフォーミュラEに本格参戦
将来を見据え、電気自動車によるレース フォーミュラEに注力
アウディはモータースポーツ戦略を再編し、ル・マン24時間レースを含めたFIA WEC(世界耐久選手権)への参戦は、2016年シーズンをもって終了すると発表した。
WEC参戦に代わり、2017年からは電気自動車によるFIA フォーミュラEレーシング シリーズに本格参戦する方針となる。
AUDI AG取締役会会長のルパート シュタートラー氏は、「将来を見据え、電気自動車によるレースに参戦することにしました。アウディのラインアップにおいて、今後電気自動車の比率が次第に高くなっていきます。アウディの先進技術を代表するモータースポーツのレースカーは、その技術力を示すものでければなりません。」 と述べた。
完全なバッテリー駆動による電気自動車を2018年からラインナップに加えるという目標を掲げるアウディにとって、電気自動車のレースシリーズであるフォーミュラEへの参戦は、同社の戦略にマッチしている。
「18年間にわたってアウディに大きな成功をもたらしたプロトタイプレースを離れることは、もちろん非常に辛いことです。Audi Sportチーム ヨーストは、文字通りWECを席巻し続けました。この偉大な成功を分かちあったチームメンバー、ラインホルド ヨーストと彼のチーム、ドライバー、そしてパートナー、スポンサーの皆様に、心から感謝の意を表明したいと思います。本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。」と、アウディ モータースポーツ責任者 ウォルフガング ウルリッヒ氏はコメントした。
フォーミュラEで培った電気自動車技術を市販モデルへ活かす
アウディは、ル・マン プロトタイプ レースに参戦し続けたことで、ブランドのスローガンである「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)を世界に示すとともに、市販モデルに役立つ数多くのノウハウを得た。
今後はフォーミュラEで培った技術を電気自動車の開発に活かしていくことになる。
なお、DTMへの取り組みはこれまで通り継続される。2017年シーズンは、アウディ RS 5 DTMの後継モデルで参戦する予定である。
また、FIA世界ラリークロス選手権(World RX)への参戦については、最終的な結論がまだ出ていない。
今日までアウディとしての参画は、プライベートのEKSチームを支援するだけに留まっており、この支援体制を継続するかについて検討中だが、ラリークロス レーシングについても電動化が主要な議題として上がっているという。
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