クロスカントリーラリー「バハ・ポルタレグレ 500」三菱自動車チームはアウトランダーPHEVで参戦

ポルトガル自動車連盟が主催するクロスカントリーラリー「バハ・ポルタレグレ500」が、ポルトガル東部の古都ポルタレグレを基点とし、10月22日(木)~24日(土)に開催されている。

22日(木)には公式車検が行われ、三菱自動車チームのプラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」が新設されたTEクラス唯一の車両として通過。

ドライバーは、世界一過酷なダカールラリーを2002~2003年に2連覇した三菱自動車の増岡浩が監督兼務で務め、コ・ドライバーは2002年に増岡がダカールラリーで初優勝を飾った際のパートナーであるパスカル・メモン(フランス)が務める。

テクニカルディレクターは三菱自動車 開発本部 EV要素研究部エキスパートの田中泰男、エンジニアは同部の社員4名が担当。三菱自動車が主体となったチーム体制により「アウトランダーPHEV」のパフォーマンスを引き出し、完走及び上位フィニッシュを狙う。

今年で29回目となる「バハ・ポルタレグレ500」には、4輪92台、2輪80台、バギー37台、クワッド34台、そしてプロモーションクラスの2輪/バギー/クワッド69台の全312台が集結。同ラリーは国際自動車連盟(FIA)のクロスカントリー・ワールドカップの第10戦にも組み込まれており、ポルトガル国内のプライベートチームだけでなく、来年初頭に開催される「ダカールラリー」への参戦を予定している強豪チームも出場する。

来年、30周年を迎える同ラリーは今年、過去の伝統的な競技形式に見直され、23日(金)のレグ1(計測区間90.52km、移動区間77.78km、総走行距離168.30km)、24日(土)のレグ2(計測区間350.00km、移動区間151.96km、総走行距離501.96km)の2日間にわたって競われる。

ラリーの中心地となるポルタレグレは、スペイン国境に近いアレンテージョ地方の古都。ラリーのサービスパークは町の中心部から数キロ南に下った広場に置かれ、サービスパークを中心に競技が行われる。ラリーのコースはグラベル(未舗装路)で、フラットでハイスピードなダート路、凹凸の激しい荒れ地、林の中の狭路など様々な道を走行する。また、コースの途中にはジャンプや河渡りなどもあり、マシンと選手には総合的な対応力が求められる。

競技車両は、市販車をベースにラリーの車両規定に合わせて製作。PHEVシステムの主要部品は量産品とし、ラリーに合わせて制御を変更することにより、前後モーターの高出力化、エンジンの高回転化、ジェネレーターの発電量アップにより高性能化を果たし、駆動用バッテリーを容量アップして高性能化に対応している。

また、「ランサーエボリューション」で培った車両運動統合制御システム「S-AWC」のノウハウを活用したツインモーター4WDも、制御の変更によりトラクション性能を強化。最低地上高とサスペンションストロークをアップし、ラリー専用の大径タイヤの装着などにより悪路走破性を向上させ、高性能化されたPHEVシステム及びツインモーター4WDのパフォーマンスを有効に引き出している。

三菱自動車チームは18日(日)にポルトガル入りし、翌19日(月)にはポルトガルの販売会社MBPオートモベイス・ポルトガル・エスエーで競技車両を入念に整備。20日(火)には首都リスボンの約120km南東にあるサンタ・マルガリーダ・ド・サドのオフロードコースでシェイクダウンテストを実施し、PHEVシステム及びツインモーター4WD/S-AWCの制御やサスペンション等のセッティングを確認、本番に向けて万全を期している。

ドライバー兼監督、増岡浩のコメント

「自ら『アウトランダーPHEV』のステアリングを握り、ダカールラリーにも出場する強豪が集うバハ・ポルタレグレ500に参戦することを楽しみにしてきました。国内で数回テストを行い『アウトランダーPHEV』のポテンシャルは確認済みですが、ポルトガルでのシェイクダウンは実際のラリーコースに近い走行条件で長距離テストを行い、最後の微調整と本番に向けた走行準備を行いました。S-AWCのセッティングのさらなる最適化により、自由自在なハンドリングに仕上がりとても満足しています。

競技車両の『アウトランダーPHEV』は、基本的にはエンジンで発電してモーターで走るシリーズ走行モードでの走行となります。モーターによる力強く滑らかな加速はコントロールしやすく、変速操作が不要なためアクセルワークに専念できます。また、常時発電して、ブレーキングで積極的に回生、立ち上がりではモータートルクをフルに発揮するという、電動車両ならではのエネルギーマネージメントが走る醍醐味です。ラリーフィールドにおいて、『アウトランダーPHEV』のパフォーマンスを披露したいと思います。」

テクニカルディレクター、田中泰男のコメント

「アジア・クロスカントリーラリーに『アウトランダーPHEV』で参戦するプライベートチームに対して、3年間、技術支援を行ってきました。今回の競技車両は、8月のアジア・クロスカントリーラリーに出場した競技車両と基本的に同じですが、技術支援を通じて得たノウハウを活用し、ラリーの特性に合わせて細部を仕上げてきました。

そして、ラリーの開始前に行ったシェイクダウンではその効果を確認するとともに、さらなる小改良を施し万全を期しました。発電量、充電速度、モーター出力の向上といった今回の高性能化アイテムは、ラリーでのパフォーマンスを向上させるためだけでなく、今後の市販車の性能向上にも応用できる技術です。連続する限界走行で確認できた様々な課題を、ラリーを通じて克服していくことで、将来の電動車両の性能・品質を高める技術を磨いていきたいと思います。」

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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