スズキ、新型「アルト」を発売 ~ガソリン車No.1の低燃費37.0km/Lを達成~
スズキは、軽自動車「アルト」を全面改良し、12月22日より発売開始した。価格は、「アルト バン(商用)」が696,600円(消費税込)~、「アルト(乗用)」が847,800円(消費税込)~としている。
「アルト」は、1979年5月に運転のしやすさ、使い勝手のよさ、経済性の高さ、求めやすい価格設定の実用的な軽自動車として発売され、女性を中心にヒット商品となり軽自動車の新しい市場を切り拓いた。同車は発売以来、時代にあわせて機能、性能を進化させ、35年にわたり多くのユーザーに愛用され、国内累計販売台数は約483万台となり、日本の軽自動車を代表するモデルとなっている。
今回8代目となる新型「アルト」は、新たに開発したプラットフォームを初めて採用し、徹底した軽量化の取り組みにより60kgの軽量化を達成。パワートレインの高効率化とあわせて、ガソリン車No.1の低燃費37.0km/Lを実現。軽快でしっかりした走りも両立させた。
質感とプロポーションにこだわったエクステリアに、デザイン性と機能性を両立させたインテリアのシンプルでスタイリッシュなデザインを採用するとともに、ロングホイールベース化によりクラストップの室内長のゆとりある室内空間も実現している。
さらに、レーダーブレーキサポート[衝突被害軽減ブレーキ]をはじめとする先進の安全技術を搭載し、軽自動車に求められる乗りやすさ、扱いやすさといった基本性能に磨きをかけながら、「燃費性能」、「走り」、「デザイン」、「安全性能」を進化させた。
▼新型アルトの概要
★シンプルでクリーン、スタイリッシュなデザイン
■エクステリア
限られた軽自動車の規格の中で、美しく品格ある軽自動車を創りたい。そのアプローチとして、加飾に頼らず、ボディ本体の造形でこれまでにないプロポーションを追求。
・シンプルを基本とした上でクルマ全体のプロポーションを重視し、ボディ、ホイールベース、キャビンの最適なバランスを追求
・全高を低くし、フロントからリアまで流れるようなルーフライン
・眼鏡をモチーフとしたヘッドランプ周りのデザインを採用し、目力を感じさせる個性的なフロントマスク
・シャープさと豊かさを表現したドアパネル
・力強いプロポーションを表現するショルダーデザイン
・ハイライトや陰影にこだわり、パネル面の持つ美しさを表現したバックドア
ランプ類をリアバンパーにスタイリッシュに収めたリアコンビネーションランプ
・15インチアルミホイール。モノトーンカラーにはシルバー、2トーンバックドアにはガンメタを設定。(X)
・13インチフルホイールキャップ(F、L、S)
・傷が目立ちにくい材料着色のフロントおよびリアバンパー(VP)
<2つの新色や2トーンバックドアなど、多彩な車体色>
・新色「ピュアレッド」、「シフォンアイボリーメタリック」をはじめ、Xにはグレーの2トーンバックドアを設定するなど、全12バリエーションを用意
■インテリア
エクステリアに呼応し、シンプルでクリーンな構成にした上で、使い勝手がよく、質感の高いインテリアを追求。デザイン性と機能性が最適にバランスされた、居心地の良い快適な空間を目指した。
・伸びやかな横基調で広さ感を生むインストルメントパネル
・ヘッドランプと共通モチーフのデザインを採用したメーター
・メッキ加飾を施したエアコンルーバー(X)
・ライトブルーを基調とし、白いパイピングをあしらったシート表皮
・落ち着いた雰囲気を演出するライトグレーのシート表皮(VP)
・シンプルなデザインと使いやすさを追求したCDプレイヤー(F、L、S、Xに標準装備。VPはAM/FMラジオ)
★新プラットホームの採用
軽さと高剛性を両立したプラットフォームを新設計。アンダーボディやサスペンションを刷新
■アンダーボディ
・主要な構造や部品の配置を全面刷新し、剛性や静粛性、衝突性能、走行性能などを大幅に向上させた上で、軽量化を達成。
・滑らかな形状とすることで補強部品を減らし、さらに板厚を薄くするとともに骨格部を連続化することで、より少ない部品で十分なボディ剛性を確保
・曲げ剛性約30%向上、ねじり剛性約30%向上
■サスペンション
フロントサスペンションは軽量化や剛性を向上。リアサスペンションは新設計し、コーナリングでの車体の傾きやステアリング応答性を適正にコントロールして、リニアな操舵感を実現。
・サスペンションフレームをフラットな構造として、軽量化と高剛性を両立。また、取付構造を変更し車体骨格の一部とすることで、高剛性化に貢献
・フロントおよびリアのサスペンションストロークを拡大し、乗り心地を向上
・フロントおよびリアサスペンションにスタビライザーを採用(X 2WD車)
・リアベアリングとハブの一体構造のハブユニットを採用し、軽量化、および転がり抵抗を低減
■軽量化
新プラットフォームをはじめ、ボディ、足回り、エンジンにいたるまで車両全体の軽量化を徹底し、60kgの軽量化を達成
ボディ
超高張力鋼板の使用範囲を拡大した軽量高剛性ボディ
・軽量で強度の高い高張力鋼板をボディ全体の約46%に採用。そのうち、さらに強度の高い超高張力鋼板980MPaの使用範囲を約16%に拡大し、大幅な軽量化を図った上でボディ剛性を確保。
・樹脂化したフロントフェンダー、ロアクロスメンバーを採用し、軽量化に貢献【スズキ初】
エンジン
・軽量型のR06A型エンジンを搭載。吸気、排気系を新設計するとともに、エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用や触媒ケースの簡素化など、軽量・コンパクト化。
・高さ△23mm、幅△36mm、全長△79mmとした。 *数値は現行アルトエコ比
シート
・超高張力鋼板980MPaを活用した、軽量化と高性能化を両立したフロントシートフレームを新開発。軽量化に加え、剛性と座り心地を向上。
・リアシートは、シートバックフレーム構造の見直しや、ボディ側への取付部品の溶接化などを行い軽量化に貢献(VPは除く)
▼ガソリン車No.1の低燃費37.0km/L
徹底した軽量化に加え、エンジンおよびCVTの高効率化や走行抵抗の低減などにより、ガソリン車No.1の低燃費37.0L/kmを達成(2WD CVT車)
■R06A型エンジンを大幅に改良
圧縮比の向上やEGRシステム採用により、燃費性能の向上
<ピストン形状の最適化>
・R06A型エンジンの圧縮比を11.2から11.5に高めた上で、吸気ポートとピストン上部の形状を変更。燃焼室内でより強い渦を形成させ、均一な混合気を効率よく燃焼させることで、熱効率が向上。 *数値は現行アルトエコ比
<ノッキングを抑制するEGRシステムを採用>(F 5MT車およびVPを除く)
・排出ガスの一部を燃焼室内に戻すことで、燃焼温度を下げ、混合気の自然発火を抑制するEGRシステムを採用。圧縮比アップに伴う筒内温度上昇によるノッキングを抑制すると同時にポンピングロスも低減
■副変速機構付CVTの改良
・車両全体の軽量化に伴い、駆動力に余裕が発生するため、現行型と同等の動力性能を確保した上で、変速日を最適化し、燃費性能を向上
▼快適でしっかりした走り
軽量化と車体剛性の向上で、軽快でしっかりした走りを実現
■曲げ剛性、ねじり剛性の高い車体とサスペンションフレーム
・曲げ剛性、ねじり剛性の高い車体に加え、サスペンションフレームと車体メンバーとの固定点を増やし、走行性能に重要なサスペンション取付部の横剛性を向上。
・新設計のサスペンションとの組み合わせで、リニアなステアリングの操舵感を実現。
■可変ギアレシオステアリングの採用
・直進付近ではクイックなギア比として、高速道路走行時は進路の修正をしやすく、市街地走行ではきびきびした走りを可能とした。
・車庫入れや縦列駐車などの低速走行時は、軽い力でステアリングを操舵できる。
■加速性能の向上
車両全体の軽量化に加え、大幅に改良したエンジン、副変速機構CVTやAGSの搭載により燃費性能を高めながら、加速性能も向上
・2WD CVT車は、発進加速(0-100km/L)で約1.6秒短縮、追い抜き加速(40-80km/L)で約0.9秒短縮。 *現行アルトエコ 2WD CVT車比
・2WD 5AGS車は、発進加速、追い抜き加速ともに同等の加速性能 *現行アルト 2WD 4AT車比
■オートギアシフト(AGS)の採用【スズキ軽乗用初】
・AGSは、MTをベースにクラッチ、および、シフト操作を自動化した電動油圧式アクチュエーターを採用。トランスミッションとエンジンの強調制御により、シフトチェンジのタイミングを最適化。
・マニュアルモードも選択でき、力強くダイレクトなドライブ感ある走りを実現
・駐車時やエンジン始動時に使用するPレンジやクリープ機能を採用
▼快適で使いやすいパッケージング
新プラットフォーム採用により、エンジンルームを最小化するとともに室内長を最大化することで快適な室内空間を実現
■広々で快適な室内空間
・新プラットフォーム採用によるスズキ系最長のロングホイールベース2,460mm
・室内長2,040mmの実現【クラストップ】
・前後乗員間距離も大きく拡大し900mmを実現。さらに前席の左右乗員間距離を620mmとした。
・ルーフライニング、ピラートリムの張り出しを抑え、開放的な室内空間とした
■運転/乗り降りのしやすさ
・チルトステアリングの調整量を35mmとし、操作性を向上(X)
・リフト調整量60mmのシートリフターにより、最適な運転ポジションを実現。(S、X)【クラストップ】
・運転席シートヒーター(F 2WD車およびVPを除く)、助手席シートヒーター(FおよびVPを除く4WD車に設定)を装備
・前席ヒップポイント地上高585mmにより、腰の移動量が少なくスムーズな乗り降りを実現
・狭い駐車場での乗り降りをスムーズにするため、フロントドアに中間2段ストッパーを採用【スズキ軽初】
・クラストップレベルの最小回転半径4.2mを実現(13インチタイヤ装着車)
■豊富な収納スペース
・500ml紙パックに対応したフロントコンソールドリンクホルダー(5MT車を除く)
・カバンもかけられる大型のショッピングフック(助手席シートバック)(VPを除く)
・収納量を拡大したラゲッジアンダーボックス(VPを除く)
★先進安全技術を搭載
新プラットフォームの採用により、高い衝突安全機能を実現するとともに、レーダーブレーキサポートをはじめとする先進安全技術を搭載し、安全性能を充実させた
・レーダーブレーキサポート装着車を全機種に設定
・スリップや横滑りを抑えるESPを乗用全車に標準装備
・坂道で車両の後退を抑制する、ヒルホールドコントロールを装備(F 5MT車を除く)(VPレーダーブレーキサポート装着車に設定)
・運転席に加えて、助手席シートベルトリマインダーを乗用全車に標準装備
・衝突時の衝撃を効率良く吸収・分散する、「TECT」を採用。新プラットフォームにより、優れた衝突吸収性を発揮
・脚部保護に配慮したフロントバンパーなど、歩行者傷害軽減ボディを採用
・頚部衝撃緩和性能に配慮したフロントシートを採用(VP)を除く
★経済性と実用性を兼ね備えたアルトバン
経済性が高く、広く使い勝手のいい荷室、さらに安全性能など、商用車に求められる価値を追求した
大きく開く開口部と広い荷室で、荷物の出し入れが容易
・バックドア下部開口部が大幅に拡大。さらに広い荷室により楽にたっぷりと荷物の積載を可能とした
・荷室長1,350mm、荷室幅1,200mm、下部開口部幅1,065mmとした
商用車No.1の低燃費26.2km/Lを実現
・R06A型エンジンとAGSの採用、車両全体にわたる軽量化を徹底したことで、商用車No.1の低燃費を実現(JC08モード走行燃費に基づく。ガソリン車において)
レーダーブレーキサポート装着車を設定【軽商用車初】
・軽商用車初となるレーダーブレーキサポートをはじめ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナルを設定。日々、ビジネスで使うクルマだからこそ、万一に備えた安全性能を確保
この記事にコメントする