マクラーレン、P1のサーキット専用車「P1 GTR」のデザインコンセプトを初披露

選ばれしドライバーのための比類なきサーキット専用モデルが登場

McLaren P1 GTR /エクステリア・フロント
McLaren P1 GTR /エクステリア・フロントMcLaren P1 GTR /エクステリア・リア

F1の名門チーム、マクラーレンのグループ企業であるスポーツカーメーカー、マクラーレン・オートモーティブは、アメリカで開催されたペブルビーチコンクールデレガンスにおいて、「McLaren P1 GTR」デザインコンセプトを初披露した。

「McLaren P1 GTR」は、究極のロードカー「P1」のオーナーからのリクエストにより開発されたサーキット専用モデル。

今回、「McLaren P1 GTR」の発表のタイミングは、伝説のレーシングカー「McLaren F1 GTR」が、1995年のル・マン24時間耐久レースで優勝してから20年目を記念してのもの。

「全世界のサーキットを走る、最高のドライバーズカー」

McLaren P1 GTR

公道での走行に伴う様々なルールに縛られる必要のない、McLaren P1 GTRは、マクラーレンスペシャルオペレーションズ(以下、MSO)がこれまで世に送り出してきたどのモデルよりも、サーキットへの適性が高く、最もパワフルなモデルだ。

サーキット専用モデルに設定されたゴールは、ロードカーモデルよりも明確に焦点が絞り込まれた「全世界のサーキットを走る、最高のドライバーズカー」であること。ドラマティックなボディから分かるように、McLaren P1 GTRはエアロダイナミクス性能が高められている。

さらに、レースで優れた実績を誇るスリックタイヤの採用や、低く固定されたライドハイト(最低地上高)、大型の固定式リアウィングに搭載されたF1で培ったテクノロジー譲りのDRS(ドラッグ・リダクション・システム)とIPAS(インスタント・パワー・アシスト・システム)連動のパワーデリバリーの向上、ERS(エネルギー回生)スタイルのプッシュトゥパスシステムなど、このモデルに与えられた機能が相互に作用することで、サーキットで最高のエクスペリエンスが生み出される。

最適化したエアロダイナミクスが究極の性能を実現

McLaren P1 GTR

McLarenP1から派生したサーキット専用モデルであるMcLaren P1 GTRデザインコンセプトは、エアロダイナミクスの効率性を高める「シュリンクラップ」(可能な限り最小のサイズで機能を包み込む)思想のボディ形状が採用されている。この最適化されたボディ形状によって車両性能は最大化され、ハンドリング特性や、ドライバーとマシンの一体感も向上している。

同車は、フロントのトレッドが80mm拡張され、GTレーシングカースタイルのアグレッシブなフロントスプリッターが装着されている。形状が変更されたラジエーターの排出ダクトは、大きく広がるフロントのホイールアーチとシームレスにつながり、McLaren P1同様のアクティブエアロダイナミクスフラップがフロントホイール前方に装着されている。

フロントホイール後方のカーボンファイバー製モノケージを包み込むような「シュリンクラップ」のボディデザインがホイールウェル周りの空気をうまく循環させ、フロントのホイールアーチ後方に装着されるエアロダイナミクスブレードがフロントタイヤからの空気を整流する。このブレードはディヘドラルドアの下側をカーボンファイバー製ボディ側面に沿うように延長されており、ボディ後部のサイドパネルまでシームレスにつながっている。このブレードに沿って流れる空気は高温ラジエーターへと送られて、リアのエアロダイナミクス性能の向上に貢献している。

エクステリアデザインはそのままに、最低地上高がロードカーモデルよりも低い位置で固定され、さらにサーキット仕様サスペンションの装着によりフロントが下がったスタイルとなっている。

McLaren F1のオリジナルデザインを参考としているシュノーケルエアインテークは、カーボンファイバー製モノケージのルーフ部分に装着されている。位置をAピラーに移したサイドミラーは、ドライバーの視線を近づけるだけでなく、空気抵抗の低減にも貢献している。また、ドアに取り付けられているラジエーターへの通気経路は後部まで延長されており、より多くの空気がドアの内部を抜けてエンジンに到達することで冷却をサポートしている。

固定式リアウィングを採用。リアウィングは格納不要に

McLaren P1 GTR /エクステリア・リア

リアのデザインは、2層構造の大型リアウィングを支える特徴的なカーボンファイバー製パイロンがボディ後部を包み込むように広がっている。高さが固定されたリアウィングには加速性能を高めるための油圧式DRSを搭載。このDRSはフロントのアクティブエアロダイナミクスフラップと連動して動作することで、ロードカーモデルを上回るダウンフォースアクセレーションパフォーマンスをもたらす。

また、McLaren P1のリアウィングは、公道での法規上ボディに格納する必要があったが、McLaren P1 GTRデザインコンセプトは固定式ウィングを採用しているため、ウィングを格納するメカニズムやダンパーが不要となり、エンジンベイ後方のボディワークは滑らかで流れるようなスタイルが実現され、クリアな気流をボディ後方へと送ることが可能である。

McLaren P1 GTRには、エアフローに対する細心の注意が払われており、最も効率的かつ効果的に空気が流れるマシンとして設計されている。とくに車体底面の気流を重視しており、リア周りのボディ下はカーボンファイバー製の大型ディフューザーで覆われている。

また、マクラーレンのテクニカルパートナーであるピレリと、共同でデザインしたカスタム仕様のスリックタイヤもこのモデルに与えられた特徴の一つだ。このスリックタイヤは、高いグリップ力、コーナーでの機敏な応答性、最適なハンドリングバランスを実現するために設計されている。McLaren P1 GTRはこれらの特性により、コーナー進入時にはブレーキングのタイミングをぎりぎりまで遅らせ、コーナーリング中の速度を高め、さらに出口では素早く加速体制に入れることから、サーキットでのラップタイムが短縮されることが可能となる。

GTRファミリーとしての類似性と現代的なアレンジが共存

McLaren P1 GTR/走行イメージ

今回公開されたMcLaren P1 GTRデザインコンセプトには、初めてGTRのバッジが与えられたマクラーレンを彷彿させるカラーリングが施されている。かつて過酷なF1GTR開発テストプログラムをクリアしたシャーシナンバー01Rのテストカーには、特徴的なオレンジとシルバーのカラースキームが与えられていたが、今回ペブルビーチで公開されたモデルにも同様のカラーリングがアレンジされ、さらにオリジナルのシャーシナンバーを示す「01」というナンバーもつけられた。以前「01」というナンバーを与えられたマシンは、1995年のル・マン24時間レースで待望の初優勝を飾っている。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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