マツダ CX-5とCX-8のディーゼルエンジンはイイとこ尽くめじゃない!? 長距離運転向きだが、ガソリン車より手厚いメンテナンスが不可欠だ

画像ギャラリーはこちら

かつてのイメージとは違いエコカーの仲間入りを果たしているディーゼルエンジン。国産メーカーではマツダが力を入れており、CX-5やCX-8といった大型SUVモデルのユーザーの半数以上がディーゼルを選んでいるほど。その一方でガソリン車と比較すると30〜50万円程度車両価格が高いために、選ぶ際に悩む人も多いという。そこでディーゼルエンジンに向いている人、さらにディーゼル車の注意点を改めてご紹介。結論からいうと街乗り重視で、メンテナンスフリーに近い状態で乗りたいならばガソリン車をオススメしたい。一体どんなメリット、デメリットがあるのか!?

目次[開く][閉じる]
  1. ディーゼルエンジンに向かないユーザーとは!?
  2. 車両価格も高いディーゼル車。選ぶ際は使うシーンを具体的に考えてから購入を
  3. ディーゼルエンジンの盲点多数! エンジンオイルの交換サイクルが早い&寒冷地での使用など注意点が多岐にわたるデメリットも

ディーゼルエンジンに向かないユーザーとは!?

化石燃料を使ったエンジン搭載車の将来が危ぶまれる中、ディーゼル車は高負荷時(ハイペースの高速巡航など)の燃費のよさ、そして燃料の安さがある。また車種にもよるが、静かなものなら巡航中のエンジン音の心地よさも得られる。

こうした数多くのメリットを持つだけに、ディーゼルエンジン車が選択できるマツダ車や輸入車を選ぶ際には、購入を検討している人も多いだろう。

しかし、ディーゼル車は誰にでもオススメできるものでもないために、ここではディーゼル車の向き不向きや使用の際の注意を挙げていく。

>>マツダ 新型CX-5とマツダ6は全車マイルドハイブリッド、そしてプラグインハイブリッドも追加し2022年に発売! 注目すべきは非常時に嬉しいドライバーアシスト機能にあり

車両価格も高いディーゼル車。選ぶ際は使うシーンを具体的に考えてから購入を

結論から書くと、ディーゼル車が向かないのは「走行距離が少ない=街乗りが多い人」である。

大きな理由はディーゼル車は構造的に黒煙の原因となるススが出るからだ。ディーゼル車のススはDP(ディーゼルパティキュレートフィルター)に溜められ、一定量が溜まると軽油を吹いて燃やすDPFの再生が行われる。

街乗り中心ならディーゼルの恩恵を受けられない

ススは街乗りの際に溜まりやすく、DPFの再生が増えるのに加え、燃費も低下する。そのため街乗りが多く、DPFの再生が増えて燃費が下がると、燃料コストの安さというディーゼル車のメリットはかなりスポイルされる。

さらにディーゼル車は低負荷走行の多さによりあまりにススが溜まると、マツダのディーゼル車でリコール対応があったように、調子を崩す可能性もある。

そのため筆者は生涯初の新車として買ったマツダ デミオ(マツダ2)のディーゼル車に乗っていた際には、街乗りというかチョイ乗りはなるべく避けていたのだ。

それに加え、それほど速いクルマでなかったのもあり安全な範囲で1日1回程度アクセルを深く踏んで僅かでも煤が溜まりにくようにしていたほど。

また現在のディーゼル車は振動、騒音も良くなってはいるが、街乗りだとやはりガソリン車よりは振動、騒音が気になるものが多いのだ。この点でも街乗りが多い人には向かないのに加え、街乗りが多いならディーゼル車のパワフルさというメリットを楽しめることも少ないだろう。

価格差、そして使用頻度を考えてエンジン選びを!

ということを総合すると、「走行距離が少ない=街乗りが多い」という人なら30万円程度はあるガソリン車との差額もペイしにくいのだ。

マツダ CX-5なら2.2リッターディーゼルより2リッターガソリン、CX-8なら2.2リッターディーゼルターボより2.5リッターガソリンという具合で、安価なガソリン車を選ぶ方がいいだろう。

対照的に「走行距離が多い人=高速道路などの高負荷での使用が多い」という人、そこにクルマのジャンルが空気抵抗が多い、車重が重いといった燃費に対する不利な要素が多いミニバンやSUVだと、ディーゼル車はドンピシャリである。

>>【マツダ CX-5維持費比較】ガソリンとディーゼルモデルの価格差約30万円あるも、税金や燃料代を考えるとディーゼルが買いだった

ディーゼルエンジンの盲点多数! エンジンオイルの交換サイクルが早い&寒冷地での使用など注意点が多岐にわたるデメリットも

エンジンオイル交換はガソリン車よりサイクルが早い!?

あまり知られていないかもしれないが、ディーゼル車は、ガソリン車よりエンジンオイルの交換サイクルが短い。

そしてDPF再生の際にエンジンオイルに軽油が混ざる燃料希釈という現象により、エンジンオイルが薄くなってしまい、オイル量が増えることがある。そのためエンジンオイルの量はガソリン車よりマメに確認し、あまりに増えているようなら交換が必要だ。マツダのディーゼル車の説明書にはエンジンオイルのレベルゲージの×印まで量が増えた場合には「交換が必要」と記載されていほど。

寒冷地での使用は要注意!

軽油は冬場の寒地だと凍るため(というより液状ではなくドロドロとした状態となり、エンジンが掛からなくなることも)、「関東地方などからスキー場に行く」といった際には、「出発前に軽油を満タンにしたら現地で寒地用軽油を混ぜるために給油する」といった対応をしたい。

ディーゼル車のガス欠は絶対NG! 復活がガソリン車よりも厄介だった

ディーゼル車はガス欠を起こすと燃料系にエアが入るなど、対応が厄介なのでガス欠は絶対に避けたい。

なお、マツダのディーゼル車ガス欠寸前になると、トラブル防止のため軽油を少しだけ残した状態でエンジンが止まる疑似ガス欠となる。

ディーゼル車を検討する際には上記のことも頭に置いて、自分に合ったものを慎重に選んで欲しい。

【筆者:永田 恵一】

マツダ/CX-8
マツダ CX-8カタログを見る
新車価格:
299.4万円505.9万円
中古価格:
140.4万円509.2万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

マツダ CX-8の最新自動車ニュース/記事

マツダのカタログ情報 マツダ CX-8のカタログ情報 マツダの中古車検索 マツダ CX-8の中古車検索 マツダの記事一覧 マツダ CX-8の記事一覧 マツダのニュース一覧 マツダ CX-8のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる