トヨタ カローラスポーツ 実燃費レポート|1.2リッターターボ 6速MTの実力を試す(2/6)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:和田 清志・永田 恵一
カローラスポーツ 実燃費レポート|市街地編
■カローラスポーツ 市街地での実燃費:11.6km/L
市街地実燃費 | カタログ燃費 WLTCモード | |
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カローラスポーツ 1.2ターボ | 11.6km/L | 12.5km/L(WLTCモード) |
MAZDA3 セダン 2.0 | 11.2km/L | 12.0km/L(WLTCモード) |
カローラスポーツ1.2ターボMTは、市街地で11.6km/Lという、アイドリングストップがない点を考えれば及第点と言える燃費を記録した。
市街地編ではドライバビリティ(運転のしやすさ)、iMTを含めたMTのフィーリングを中心にお伝えする。
まずドライバビリティに関しては、輸入車のダウンサイジングターボのように、アクセルを踏んだ瞬間からモリモリと力が出るというタイプではなく、1500回転あたりから過給が始まるというタイプだったため、エンジンを常時1500回転は回していたいという性格だ。
そのため高いギアのまま低回転の粘りに期待しての走りや、飛ばしシフト(ギアを1-3-5のように飛ばして操作すること)などはあまり得意でなく、シフト操作をサボる運転スタイルは向かないという印象だ。
MTのシフトフィール、クラッチフィールはユーザーの期待値によっては大きく評価が変わるところだが、シフトフィールはギアの入りはよく、軽いタッチだ。MTの経験が豊富で、こだわりのあるユーザーだと「もう少し剛性感が欲しい」と感じる方もいると思うが、MTビギナーやリターン組も考えると良い意味で万人向けといったところだ。
ただし、その割にクラッチフィールはつなぎやすいが、MTに慣れている筆者でもカローラスポーツのクラッチは重く感じた。
iMTは走行モードに関係なくオン/オフできるようにすべき
そして冒頭に書いたiMTは、発進時などにアクセルを若干煽る作業と、ブリッピングなどと呼ばれるシフトダウンの際のショックを防ぐための回転合わせをクルマがやってくれるというものだが、後者はスポーツモードにしないと作動しない(そのためスポーツモードで走行した)。
せっかくの装備なのだからエコモードはともかくとして、ノーマルモードでは程度を考慮しながら作動するようにした方がいいように感じた。iMT自体は、MTの運転のサポートとして特にMTビギナーやリターン組には有難いものなのは事実なので、走行モードに関係なくiMTをオンオフできるボタンがあれば、問題は解決するのではないだろうか。
ただiMTのシフトダウン時のブリッピングは、エンジンが静かなためやっているのか分からないこともよくあり、MTは排気音かブリッピングをもう少し大きくするといった配慮というか、演出があってもいいように感じた。
またカローラスポーツ1.2ターボは、せっかくMTで乗っても回転を上げたところでまったく盛り上がりがない性格のエンジン。そこにもともとの静かさも加わり、シフトレバーを見ないと本当に何速で走っているか分からないということが多々あった。アップとダウンを含めたギアのポジションの表示が早急に欲しいところだ。
全ての走行モードのレベルを一段階上げてほしい
走行モードに関しては、ノーマルモードを基準にするとエコモードはアクセル操作に対するレスポンスが非常に鈍くなるうえ、エンジンの吹け上がりが非常に遅い。またスポーツモードはハンドルが重くなり、アクセル操作に対するレスポンスがシャープになるといった変化がある。
しかしスポーツモードにしないと乗っているのがイヤになるくらいアクセル操作に対するレスポンスが悪く、それぞれのモードのレベルを一段階上に上げた方が、見方によっては面倒なMTの作業が、楽しいスポーツドライビングに変わるのではないだろうか。
>>カローラスポーツ 実燃費レポート|郊外路編[次ページへ続く]
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