カローラもついに3ナンバー車へ|トヨタ、カローラをフルモデルチェンジ

12代目セダンは「カローラ」、ワゴンは「カローラツーリング」に変更

2018年6月に「12代目カローラシリーズの先駆け」としてトヨタ カローラスポーツが発売された。あれから1年少々を経た2019年9月17日、カローラシリーズの本命ともいえるセダンとワゴンがデビューした。従来型の名称はセダンがカローラアクシオ、ワゴンはカローラフィールダーであったが、新型はセダンが「カローラ」、ワゴンは「カローラツーリング」と呼ぶ。

>>新型カローラ/カローラツーリングの内外装を画像で見る

イメージ一新した新型カローラの外観デザイン、3ナンバー化した理由とは

車幅を1745mmに拡大、カローラもついに3ナンバー車へ

新型カローラの注目点は、ボディを3ナンバーサイズに拡大したことだ。エンジンは直列4気筒で、1.8リッター、1.2リッターターボ、1.8リッターハイブリッドを選べる。

まずはボディサイズだが、セダン、ツーリングともに全長が4495mm、全幅は1745mmだ。従来型のセダン(カローラアクシオ)に比べると、95mm長く、50mm幅広くなった。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2640mmだから40mm伸びている。従来型はコンパクトなセダンとワゴンだったが、新型はミドルサイズに該当する。

ボディスタイルも存在感を強めた。最近のトヨタ車に共通する特徴として、フロントマスクには大型のグリルが備わる。ヘッドランプは切れ長のデザインで、正面から見ると睨みを利かせた印象だ。従来のカローラとはイメージがかなり違う。

プラットフォームは、プリウスから採用が開始されたTNGAの考え方に基づくタイプだ。開発者は「日本のカローラでは5ナンバーサイズに収めることが大切と考えて、さまざまな検討を行った。それでも想定している走行性能と乗り心地を得るためには、TNGAのプラットフォームを使うのがベストだと判断した。その結果、3ナンバー車になった」と説明した。

トヨタ カローラ(セダン) サイズ比較表

車種名

新型カローラ
(セダン)

従来型比
(アクシオ)

欧州仕様比

全長(mm)

4,495mm

+95mm

-135mm

全幅(mm)

1,745mm

+50mm

-35mm

全高(mm)

1,435mm

-25mm

+40mm

ホイールベース(mm)

2,640mm

+40mm

-60mm

車幅は拡大したが日本仕様はグローバルモデルよりも45mm狭い特別仕様に

全幅の数値は、カローラスポーツが1790mmなのに対して、セダンとツーリングは45mm狭い1745mmだ。ボディ下まわりの基本骨格はカローラスポーツと共通としながら、ドア断面やフェンダーなどのボディパネル変更により、全幅を45mm狭めた。

全幅を1745mmにした理由を開発者に尋ねると「3代目になる先代プリウスの全幅が1745mmだった(現行型は1760mm)。先代プリウスは大量に売れて、日本の道路環境にも定着したから、1745mmの全幅であれば受け入れられると考えた」と返答している。5ナンバーサイズには収まらなかったが、可能な限り抑えた。

トヨタ カローラツーリング(ワゴン) サイズ比較表

車種名

新型ツーリング
(ワゴン)

従来型比
(フィールダー)

欧州仕様比

全長(mm)

4,495mm

+85mm

-155mm

全幅(mm)

1,745mm

+50mm

-45mm

全高(mm)

1,460mm

-50mm

0mm

ホイールベース(mm)

2,640mm

+40mm

-60mm

内装の質感や荷室の使い勝手も向上

内装はカローラスポーツに準じたデザインだ。従来型に比べると質感が高まり、メーターの視認性やスイッチの操作性も良い。

シートの造りや前後席の足元空間は、カローラスポーツと基本的に同じだ。腰から大腿部付近をしっかりと支えるので、長距離を移動する時でも疲れにくい。

荷室の機能にも注目したい。セダンにも後席の背もたれを前側に倒すトランクスルー機能が備わり、ワゴンのように荷室面積を拡大できる。ワゴンモデルのカローラツーリングには専用のリバーシブルデッキボードが備わり、荷室床面の高さを2段階に調節できる。裏面は樹脂製だから、汚れた荷物を積む時などに便利だ。

新型カローラ/カローラツーリングのエンジンラインナップは3タイプ

1.8L/1.2Lターボ/1.8Lハイブリッドを設定

新型カローラ/カローラツーリングに搭載されるエンジンは、前述の1.8リッター、1.2リッターターボ、1.8リッターハイブリッドの3種類を用意した。

1.8リッターは最高出力が140馬力(6200回転)、最大トルクは17.3kg-m(3900回転)で、無段変速ATのCVTと組み合わせられる。

1.2リッターターボは116馬力(5200~5600回転)・18.9kg-m(1500~4000回転)とされ、実用回転域の駆動力が高い。このエンジンには6速MTを組み合わせた。

開発者に組み合わせの理由を尋ねると「ターボは実用回転域の駆動力が高く6速MTが相応しいと判断した」というが、6速MTにはむしろ高回転域まで回る1.8リッターがピッタリではないだろうか。またカローラスポーツには、1.8リッターのノーマルエンジンは用意されず、1.2リッターターボにCVTと6速MTを組み合わせる。

結局のところ1.2リッターターボはコストが高く、スペシャルティなエンジンとして6速MTを組み合わせたようだ。グレードも最上級のW×B専用になる。カローラ/カローラツーリングでは、カローラスポーツ以上に価格の割安感が重要だから、低コストの1.8リッターエンジンを搭載した。

なお時代の主流であるハイブリッドモデルは、プリウスやカローラスポーツと同じ1.8リッターエンジンと組み合わされる。

4WDはハイブリッドのみに設定

駆動方式は、1.8リッターのノーマルエンジンとターボは前輪駆動(FF)の2WDのみで四輪駆動(4WD)は設定されない。ハイブリッドには、後輪をモーターで駆動する4WDのE-Fourを用意した。E-Fourは発進時には有効に作動するが、本格的な雪道走行では後輪の駆動力が不足する面があり、積雪地域の評判もあまり良くない。そうなると1.8リッターのノーマルエンジンに、一般的な4WDを用意して欲しいところである。

新型カローラ/カローラツーリングの燃費をエンジンタイプ別にご紹介

WLTCモード燃費は、カローラ/ツーリングともに2WDの1.8リッターエンジンが14.6km/L、1.2リッターターボは15.8km/L、ハイブリッドのSやG-Xは29km/Lだ。ハイブリッドの燃料代は、数値上ではノーマルエンジンやターボの約半分に抑えられる。

プラットフォームと足まわりは従来型に比べると刷新され、カローラスポーツと同じタイプだ。サスペンションは前輪側がストラット、後輪側がダブルウイッシュボーンの4輪独立式になる。カローラスポーツでは、ショックアブソーバーの減衰力を走行状態に応じて変化させるAVSをオプション装着できるが、カローラセダン&ツーリングには用意されない。

先進運転支援技術や通信機能も充実

トヨタセーフティセンスは夜間の歩行者検知も可能に

先進運転支援装備については、緊急自動ブレーキを作動できるトヨタセーフティセンスが注目される。自転車や夜間の歩行者検知も可能にした。

このほか車庫入れなど低速時の事故を防ぐインテリジェントクリアランスソナー、後方から接近する車両を検知するブラインドスポットモニターやリヤクロストラフィックオートブレーキも用意している。サイド/カーテン/ニーエアバッグは全車に標準装着され、安全装備の充実度は高い。

ナビはディスプレイオーディオとスマホの組み合わせがおススメ

通信機能も完備され、ディスプレイオーディオを全車に標準装着した。スマートフォンと連携させて、カーナビの表示が可能だ。従来通りの車載用ナビを使いたいユーザーのために、エントリーナビキットも選べる。さらに9月5日に発表されたLINEカーナビも使える。LINEは音声で入力して送信したり、受信された内容を音声で再生する機能も備わる。

最近のトヨタの新型車に装着されるDCM(専用通信機)も安心感を高める。エアバッグが展開した時などは、オペレーターが乗員に呼びかけを行い、応答がない時は警察や消防に通報することも可能だ。これも安全装備のひとつに含まれるだろう。

新型カローラ/カローラツーリングのオススメグレードはこれだ

1.8L、1.2Lターボ、ハイブリッドの中でイチ押しは1.8Lモデル

新型カローラ/カローラツーリングのグレードの選びについて考えてみよう。

まずセダンのカローラとワゴンのカローラツーリングを選択する。価格はカローラツーリングが5~8万円高い。

エンジンは1.8リッターが割安だ。1.2リッターターボはW×Bのみで、1.8リッターの同グレードに比べると、装備差を補正して実質14万円ほど上まわる。ハイブリッドは1.8リッターのノーマルエンジンに比べて40万円以上高い。最も買い得なのは1.8リッターのSで、価格はセダンのカローラが213万9500円、カローラツーリングは221万6500円だ。1.8リッターエンジンを搭載して装備を充実させたミドルサイズカーとしては、納得できる価格だろう。3ナンバー車になっても、カローラにとって買い得感は大切だ。

廉価なビジネスグレードとしてカローラアクシオ/フィールダーを継続、カローラスポーツも一部改良

なお5ナンバーサイズに収めなければならない法人ユーザーなどのために、従来のカローラアクシオ/カローラフィールダーも、価格の安い仕様(ビジネスグレード「EX」「ハイブリッドEX」)を残している。

今回の新型カローラ/カローラツーリング導入に合わせ、先行発売されていたカローラスポーツも改良を施し、カーブを曲がる時の挙動などを改善した。

以上のようにカローラシリーズはラインナップを一気に充実させた。特に安全面の向上が著しく、選ぶ価値を高めている。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:島村 栄二・トヨタ]

トヨタ カローラ ハイブリッド G-X[FF] 主要スペック比較表

車種名

カローラ

グレード名

ハイブリッド G-X

価格(消費税込み)

2,403,500円

全長×全幅×全高

4,495mm×1,745mm×1,435mm

ホイールベース

2,640mm

駆動方式

FF

車両重量

1,330kg

乗車定員

5名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC

総排気量

1,797cc

エンジン最高出力

72kW(98PS)/5,200rpm

エンジン最大トルク

142Nm(14.5kg・m)/3,600rpm

トランスミッション

電気式無段変速機

使用燃料

無鉛レギュラーガソリン

燃料消費率(JC08モード燃費)

35.0km/L

燃料消費率(WLTCモード燃費)

29.0km/L

燃料消費率
(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)

27.8km/L/32.2km/L/27.7km/L

電動機(モーター)種類

交流同期電動機

動力用主電池

リチウムイオン電池

モーター最高出力

53kW(72PS)

モーター最大トルク

163Nm(16.6kg・m)

トヨタ カローラツーリング W×B 1.8[FF] 主要スペック比較表

車種名

カローラツーリング

グレード名

W×B 1.8

価格(消費税込み)

2,365,000円

全長×全幅×全高

4,495mm×1,745mm×1,460mm

ホイールベース

2,640mm

駆動方式

FF

車両重量

1,330kg

乗車定員

5名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC

総排気量

1,797cc

エンジン最高出力

103kW(140PS)/6,200rpm

エンジン最大トルク

170Nm(17.3kg・m)/3,900rpm

トランスミッション

Super CVT-i[自動無段変速機]
7速スポーツシーケンシャルシフトマチック

使用燃料

無鉛レギュラーガソリン

燃料消費率(JC08モード燃費)

ーーkm/L

燃料消費率(WLTCモード燃費)

14.6km/L

燃料消費率
(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)

9.6km/L/15.9km/L/17.6km/L

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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