日産 NV100クリッパーバン 実燃費レポート|日常で欠かせない“仕事のミカタ” 実燃費を徹底検証(1/4)
- 筆者: 小鮒 康一
- カメラマン:小鮒 康一・ 望月 達也(MOTA編集部)
NV100 クリッパーバンの実燃費を徹底検証!
今回の実燃費テストに持ち出したのは、日産からリリースされている軽商用バンのNV100クリッパーバンだ。日産の、とは言ったものの、ご存知の通りスズキ エブリイのOEM車である。
過去には各メーカーで自前の軽バンを用意していた時代もあったが、今となってはキャブオーバータイプの軽バンはスズキ エブリイ軍(日産NV100クリッパー、マツダ スクラム、三菱 ミニキャブ)とダイハツ ハイゼット軍(トヨタ ピクシスバン、スバル サンバー)の2種類のみ。ホンダはアクティを廃止しフロントエンジンのN-VANになったため、選択肢があるようでないのである。
エブリイ4兄弟については、グレード展開に若干の差異はあるものの(ターボのMTはエブリイバンのみ、スクラムバンにはターボエンジンモデルがないなど)基本的には同一車種と言えるので、今回はNV100クリッパーバンを使用しているが、それ以外の兄弟車を検討している方にも参考にしていただければ幸いだ。
起用グレード
今回のテストに駆り出したのは、NV100クリッパーバンの「GX」と呼ばれるグレードの2WD、5速MT車。装備の内容的にはNAエンジンを搭載したトップグレードであり、エブリイであれば「JOIN」、スクラムであれば「BUSTER」、ミニキャブであれば「ブラボー」に該当するグレードとなる(ただし、スクラムとミニキャブには同グレードにMTの設定がない)。
実燃費レポート 目次
実燃費テスト概要
なお、今回の燃費測定は2019年7月2日に実施した。天候は梅雨時らしく曇りのち雨、最高気温は22度前後の中の走行となった。
午前11時ごろに横浜市内を出発し、高速、郊外路、市街地・街乗りの順で走行し、16時ごろに編集部へ戻るルートを選択した。燃費の数値は総合のみ計算で算出し、車両の燃費計を使用している。エアコンはマニュアル仕様のため、ドライバーが都度快適と感じる温度をキープするように操作した。
総合実燃費結果
日産 NV100クリッパー | ホンダ N-VAN | ダイハツ ハイゼットカーゴ | |
---|---|---|---|
カタログ燃費 | 18.4km/L | 23.8km/L | 17.8km/L |
総合実燃費 | 19.21km/L | 19.5km/L | 16.6km/L |
市街地(街乗り) | 16.3km/L | 16.7km/L | 14.5km/L |
郊外路 | 22.3km/L | 22.6km/L | 18.0km/L |
高速道路 | 20.6km/L | 21.0km/L | 18.1km/L |
結論から言うとトータルで164.1kmを走行し、全行程を走り切ったトータルの燃費数値は19.21km/Lとなった。同グレードのJC08モード燃費は18.4km/Lであり、荷物を積んで走る前提のローギヤードの設定であることを考えれば十分というか出来すぎの数値だろう。
搭載されるエンジンは、オールアルミ製のツインカムエンジンで吸気側には可変バルブ機構を備えたもの、と書くと非常にハイスペックな響きとなるが、スズキの軽自動車に搭載されているR06A型であり、スペックは36kW/62N・mと880kgという車重から考えるとやや物足りなさを感じてしまうもの。ただ、3つのペダルを駆使して周囲のクルマの流れに乗せるという行為は意外にもファントゥドライブなものだった。
なお、過去に行った燃費計測では、N-VANが19.5km/L、ハイゼットカーゴが16.6km/Lという数値となっている。
それではここからは走行シーンごとの燃費や走りっぷりなどをお伝えしていこう。
>>NV100クリッパーバン 実燃費レポート|市街地・街乗り・郊外路編[次ページへ続く]
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