4代目タントは超高齢社会に向け新たな進化|開発初期から福祉車両を想定

  • 筆者: MOTA編集部

完成度の高い新型タント“基本性能向上によりユーザーへの訴求は可能”

2019年7月9日、4代目ダイハツ新型タントが発表された。新型タントでは新プラットフォームを採用、ウォークスルー機能の使い勝手を向上させ、先進・安全技術が進化するなど、話題は盛り沢山だ。

現在スーパーハイト系は約45%と高い割合で軽自動車市場を占めている。当然ここには各メーカーが魅力的な車両を投入している。その激戦区で如何にライバル車種に対抗し、ユーザーに訴求していくのか。

「基本性能があがったことでユーザーへの訴求は十分に可能」と奥平総一郎取締役社長は話した。このシンプルな回答から製品としての自信が伺えた。

ユーザーの期待も集まっており、信頼も厚い。受注状況は既に約16000台に達しており、クルマが届いていないにもかかわらず計画の1.5倍だという

設定した価格の中で、出来る最善の性能を維持をするという考え方で設計をし、価格設定にこだわった。新しい技術を投入するも"良品廉価なクルマを提供する”ダイハツの軸はブレていない。そこにユーザーのニーズがあるからだという。コストダウン、材料の使い方など、ダイハツが培ってきたノウハウがあるからこそ実現できるのだろう。

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ダイハツ 新型タント どこが進化した?

新型タントはダイハツの新世代のクルマ「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」による第一弾として送り込まれた。サスペンションや骨格の部品配置をゼロベースで再構築し、新プラットフォームを開発。新技術を採用したCVTや大幅改良をしたエンジンにより、基本性能を大幅に向上させた。

新型タントでは、“ミラクルウォークスルーパッケージ”を提案。これはタントならではの室内空間の広さを活かしながら、ミラクルオープンドアと組み合わせた新しい使い方を実現した。また次世代スマートアシストとして充実した先進・安全装備を採用するなど、全方位で大幅に機能と性能を進化させた。

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普段使いもしやすい!元気な高齢者も選びやすくなった福祉車両

タントは初代から子育て世代に人気の車種だが、2代目になるとシニアの割合が高くなり、3代目になる頃にはユーザーの半数近くがシニアとなった。団塊の世代が60代後半に入り、今後シニアからの需要はますます高まると予測されている。これによりダイハツのクルマづくりにも変化が見られている。

標準車を開発し、福祉車両の機能を追加するのが一般的だ。しかし新型タントは初期段階から標準車/福祉車両での一体開発を行った。それにより福祉車両としての機能向上はもちろんのこと、普段使いがしやすくなったのだ。

標準車と福祉車両の“垣根を無くす” ウェルカムターンシートを新設定

今回新たにウェルカムターンシートが設定された。ダイハツの福祉車両は3種類となり、介護のレベルにあわせて選択できるようになっている。

・ウェルカムターンシート:健常高齢者から一人で乗り降りが難しい高齢者向け

・ウェルカムシートリフト:昇降シート車

・スローパー:車椅子移動車

ウェルカムターンシート

福祉車両はシートが回転したり、車椅子を載せることが出来る機能がある代わりに、普段使いがしにくいというデメリットがあった。さらに価格も標準車に比べ高くなる。これらは福祉車両購入のハードルを高くしていた。そのため健常高齢者は「自分にはまだ早い」と福祉車両ではなく標準車を選んでいたという。

福祉車両開発にあたり、ダイハツは高齢者やその家族にヒアリングを行った。今は問題なく乗り降りが出来ても「何年か先には辛くなる時がくるのではないか」という不安を訴える意見もあった。また常時車椅子を使わない人や家族にとっても、福祉車両は心理的に抵抗があるということが調査の結果明らかになった。

そこでダイハツは将来に備えた機能はありながらも、標準車と同じ様に使える福祉車両を新たに設定した。このウェルカムターンシートの登場により、健常高齢者でも標準車ではなく福祉車両を選びやすくなったのだ。

従来の福祉車両では、電動式の車椅子収納装置であるパワークレーンがラゲッジスペースを占領していた。そのため標準車に比べて荷物を載せられる場所が狭くなっていた。しかしパワークレーンの位置を上方にすることで、そのネガを解消し、標準車とほぼ同じ用にラゲッジスペースを使うことが出来るようになった。これも標準車と福祉車両の一体開発によって可能になったことだ。

助手席シートにも工夫がある。回転可能な手動のシートが装備されている。特徴はシートが30度までしか回転しないことだ。これによりAピラーに装着されているラクスマグリップを正面から掴む事ができ、乗り降りがしやすくなっている。

このラクスマグリップも作り込まれている。高齢者が握りやすいように、素材選びや形状など、こだわって開発したものだ。

ウェルカムシートリフト

ミラクルオープンドアの大開口により、2モードの昇降パターンが可能な便利機能はそのままに、シートと昇降ユニットの昇降性と操作性をレベルアップさせた。

また専用シートは新設計としている。このシート座面に工夫があり、サイドの盛り上がりは前方部分のみフラットにしている。このデザインにより走行時は身体を支えながら、乗り降りを楽にした。細やかな部分で使いやすさを向上させている。

スローパー

リアゲートからスロープを展開し、車椅子を載せることが出来る車両だ。こちらも「普段使いがしにくい」「車椅子の乗降時の操作が難しい」という声を反映し、改良を加えている。

従来は格納したスロープが邪魔になり、ラゲッジスペースに荷物を入れにくいなど、普段使いが難しかった。新開発のリトラクタブルスロープはフラットに収めることができ、ラゲッジスペースを確保している。また展開も従来車より簡単になった。

セカンドシート脱着も容易となり、車椅子の乗車以外にも使い方を広げることで、標準車にはないメリットを生んだ。

このように新型タントでは、より広い範囲の人に選んでもらいやすいクルマを作り、新しい福祉車両のありかたを示したのだ。

ダイハツでは新型タントを体感できるイベントを実施している。興味のある方は足を運んでみてはいかがだろうか。

ダイハツ 新型タント 主要スペック

グレード名
X
カスタムRS
価格[消費税込]
1,463,400円
1,749,600円
全長
3,395mm
全幅
1,475mm
全高
1,755mm
ホイールベース
2,460mm
駆動方式
FF(前2輪駆動)
車両重量
900kg
920kg
乗車定員
4名
エンジン種類
水冷直列3気筒
12バルブDOHC横置
水冷直列3気筒
12バルブDOHC
インタークラーターボ
横置
総排気量
658cc
エンジン最高出力
38kW(52PS)/6,900rpm
47kW(64PS)/6,400rpm
エンジン最大トルク
60Nm(6.1kg・m)/3,600rpm
100Nm(10.2kg・m)/3,600rpm
トランスミッション
CVT
使用燃料
無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費
27.2km/L
25.2km/L
WLTCモード燃費
21.2km/L
20.0km/L
WLTC
市街地モード燃費
18.4km/L
17.5km/L
WLTC
郊外モード燃費
22.8km/L
21.4km/L
WLTC
高速モード燃費
21.6km/L
20.4km/L

[筆者・撮影:MOTA編集部]

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