実は改良の度に悪化していた三菱 eKワゴン、日産 デイズの燃費・・・改めて“実燃費”を測定した結果は(2/6)

実は改良の度に悪化していた三菱 eKワゴン、日産 デイズの燃費・・・改めて“実燃費”を測定した結果は
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年々、改良を施されて上がっていたはずの燃費は、実は「下がっていた」

続いて燃費不正の経緯を振り返ってみよう。

スキャンダルが明らかになった4月20日の三菱自動車の記者会見では、NMKVの次期軽自動車の開発が日産主導で行われることで、日産が参考のため現行車の燃費を計測したところカタログ値との乖離が大きいため発覚したという(それにしても現行車の開発の主導は三菱自動車であるにせよ、日産のバッジが付く日産で販売するモデル、挙句単なるOEMではない「日産の技術も入っている」と謳っていた共同開発車の性能を「疑う」という意味ではなく、「日産は確認もしないのか?」という大きな疑問が残る。その上、それが登場から約3年後に明らかになったという点も大きな問題ではないだろうか)。

燃費不正のカラクリは、JC08モード燃費がシャシダイナモと呼ばれる台上での計測であるため、計測の際に自己申告する空気抵抗やタイヤの転がり抵抗などを総合した抵抗値を自車に著しく有利なものとすることで、実際の性能を大幅に水増しした燃費をカタログに載せていた。

結果、JC08モード燃費を基に適応となるエコカー減税でも脱税のような形の不正となるため、その不正分の金額は三菱自動車が補償し、不正発覚までに両シリーズを購入したユーザーに対しては不正による燃料代の差額、継続車検の際に重量税が増額となる分(この原稿を書きながら、ちょうど今年の6月、7月がeKワゴン、デイズの初期モデルの初期出荷車が初回車検を迎えるタイミングであるため、後からの混乱を防ぐためにあの時期に不正を明らかにしたのでは?という気もしてきた)、お詫びとして購入方法によって異なるケースもあるが基本的に10万円を損害補償した。

そして正しいJC08モード燃費が発表された訳だが、一例としてeKワゴンとデイズの燃費訴求車の不正を行っていた燃費と正しい燃費を挙げると以下の通りとなる。

三菱 eKワゴン

(左から)型式/旧届け出燃費/新届け出燃費

14型(2013年6月から 2014年5月まで販売)/29.2km/L/26.8km/L

15型(2014年6月から 2015年9月まで販売)/30.0km/L/26.2km/L

16型=最新型(2015年10月以降販売)/30.4km/L/25.8km/L

最新型に関しては、燃費の低下によりエコカー減税は取得税、重量税それぞれ免税から取得税60%、重量税50%軽減に降格となる。

また、それ以上に改良の度に向上しているはずだったJC08モード燃費が、正しい燃費では改良の度に下がっているというのも非常に不可解なところで、いずれにせよ燃費訴求車で10%から15%近い燃費の不正が行われていたことになる。

日産 デイズ

今回の燃費テストでは、日産デイズの燃費訴求車で売れ筋となるXグレード(131万8680円、JC08モード燃費25.8km/L)を起用。

テストは7月13日(水)の午前6時に開始し。午後12時半頃帰京するというスケジュールで実施。テスト中の天候は曇り、最高気温は27度で梅雨らしく湿度が高く、エアコンの負担による大きかった。道路の流れはかなりスムーズであった。

燃費測定の基本ルール

・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用

・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行

・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定

・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行

試乗ルート1「高速道路」

試乗ルート1「高速道路」

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから最近開通した圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。

道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

試乗ルート2「郊外路」

試乗ルート2「郊外路」

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。

道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

試乗ルート3「市街地」

試乗ルート3「市街地」

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通りを経由し、オートックワン編集部に戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。

平均時速は15~18km/h程度で、イメージとしては混んだ東京都内の道に近い。道のりは約55km。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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