シエンタとフリードをプロが徹底比較|お得で使い勝手が良いのはどっち?
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正
いまやSUVの人気が非常に高いですが、3列のシートを備えたファミリー向けミニバンの販売も依然として好調です。そのなかでも、国内のコンパクトミニバン市場で激しいトップ争いを繰り広げているのが、トヨタ シエンタとホンダ フリードです。
この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、月間申込数10万件(2026年3月・5月実績)を誇る「MOTA車買取」の豊富な査定実績データを交えながら「どちらが将来高く売れるのか」「残価設定ローンを使うと月々の支払いはどうなるか」といった、ファミリー層が一番気になる金銭面の負担を分析。
さらに、毎日の生活で重要になる室内の広さや荷室の使い勝手といった実用性の違いまで、分かりやすく解説します!
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シエンタとフリードの基本スペックを比較
トヨタ シエンタとホンダ フリードは、狭い住宅街やスーパーの駐車場でも扱いやすいコンパクトなミニバンで、全長は4300mm以下に収まっています。パワーユニットに関しては、シエンタは直列3気筒1.5L、フリードは直列4気筒1.5Lを搭載しており、それぞれ燃費性能に優れたハイブリッド車も用意しています。
| 項目 | シエンタ | フリード |
|---|---|---|
| 全長 | 4260mm | 4310mm |
| 全幅 | 1695mm | 1695〜1720mm |
| 全高 | 1695〜1715mm | 1755〜1780mm |
| パワーユニット | 1.5L ハイブリッド 1.5L ガソリン | 1.5L ハイブリッド 1.5L ガソリン |
| WLTCモード燃費 | 18.3〜28.4km/L | 14.4〜25.6km/L |
シエンタ・フリードのグレード構成を比較
グレード構成と価格帯の全体像を比較しておきましょう。
| 比較項目 | シエンタ | フリード |
|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 207.7万〜332.2万円 | 262.3万〜360.2万円 |
| グレード種類 | X/G/Z(各ガソリン・ハイブリッド) | AIR/AIR EX/CROSSTAR(各ガソリン・ハイブリッド) |
| 駆動方式 | 2WD/E-Four(4WD・ハイブリッドのみ) | 2WD/4WD |
| 乗車定員 | 5名/7名 | 5名/6名/7名 |
グレードごとの詳しい価格や装備の違いを知りたい方は、こちらの記事もチェック!
リセール比較|売却時の資産価値を独自データで算出
次に月間申込数10万件(2026年3月・5月実績)を誇る「MOTA車買取」の豊富な査定実績データをもとに、一番気になる売却時の価値(将来の資産価値)を見ていきましょう。数値は2024年式・走行5万km以内の中古車を対象に、2026年5月時点で集計したものです。
シエンタ・フリードのリセール率を比較
両車のグレード別リセール率を、MOTAの査定実績データから順に見ていきましょう。まずはトヨタ シエンタです。
トヨタ シエンタ グレード別 リセール率ランキング
| 調査概要 | |
|---|---|
| 対象車種 | トヨタ シエンタ(現行型) |
| 条件 | 2024年式・走行5万km以内・修復歴なし |
| 集計時点 | 2026年5月 |
| ソース | MOTA独自の査定実績データ |
| リセール率の定義 | 査定価格 ÷ 新車価格(税込)× 100 |
| リセール率の算出方法 | 各車両の年式に対応した新車価格(車両本体価格)と査定額をもとに、1台ずつ個別に算出し、その平均値を掲載 |
| 順位 | グレード | 平均査定額 | 平均リセール率 |
|---|---|---|---|
1位 | ハイブリッド 1.5 Z | 282万円 | 91.9% |
2位 | 1.5 X | 187万円 | 90.6% |
3位 | 1.5 Z | 242万円 | 88.9% |
4位 | 1.5 G | 212万円 | 88.3% |
5位 | ハイブリッド 1.5 Z E-Four 4WD | 287万円 | 87.9% |
6位 | ハイブリッド 1.5 G | 241万円 | 87.5% |
出典:MOTA車買取 査定実績データ 査定額が相場から著しく外れたデータは集計から除外しています。平均査定額は万円単位に四捨五入して表記しています。
新車価格に占める売却額の割合を平均値で算出すると、シエンタの「ハイブリッド Z(2WD)」は91.9%に達します。2024年式が新車価格の9割以上で売れるので、非常に高値安定型の商品と言えます。
一方、同じシエンタでも、1.5Lのノーマルガソリンエンジンを搭載する「Z(2WD)」は、新車価格に占める売却額の割合が88.9%に下がります。それでも十分に高水準ですが、ノーマルガソリンエンジンよりも、ハイブリッド車の方が高値で売却できる傾向です。
なお、新車価格に占める売却額の割合は、中古車市場における人気で決まります。シエンタのハイブリッドは、ノーマルガソリンエンジンよりも中古車人気が高く、高い価格で取引されるため、ユーザーが売却する時の金額も高くなると考えられます。
また、シエンタハイブリッドには、後輪を前輪とは別のモーターで駆動する4WDの「E-Four」も設定されています。「ハイブリッド Z(E-Four)」の売却額は、新車価格の87.9%です。シエンタの場合、4WDの中古車を希望するユーザーが比較的少ないため、新車価格に占める売却額の割合も一歩譲る形になっています。
続いて、ホンダ フリードのグレード別リセール率を見ていきましょう。
ホンダ フリード グレード別 リセール率ランキング
| 調査概要 | |
|---|---|
| 対象車種 | ホンダ フリード(現行型) |
| 条件 | 2024年式・走行5万km以内・修復歴なし |
| 集計時点 | 2026年5月 |
| ソース | MOTA独自の査定実績データ |
| リセール率の定義 | 査定価格 ÷ 新車価格(税込)× 100 |
| リセール率の算出方法 | 各車両の年式に対応した新車価格(車両本体価格)と査定額をもとに、1台ずつ個別に算出し、その平均値を掲載 |
| 順位 | グレード | 平均査定額 | 平均リセール率 |
|---|---|---|---|
1位 | 1.5 e:HEV AIR | 277万円 | 94.9% |
2位 | 1.5 e:HEV AIR EX | 299万円 | 94.1% |
3位 | 1.5 AIR EX | 259万円 | 92.7% |
4位 | 1.5 e:HEV CROSSTAR | 296万円 | 90.1% |
5位 | 1.5 CROSSTAR | 246万円 | 84.9% |
出典:MOTA車買取 査定実績データ 査定額が相場から著しく外れたデータは集計から除外しています。平均査定額は万円単位に四捨五入して表記しています。
ライバル車であるホンダのフリードでは、ハイブリッドを搭載する「e:HEV AIR(エアー)」が、シエンタを上回る条件で売却できます。新車価格に占める売却額の割合は94.9%と、きわめて高い数値を記録しました。
さらに、装備を充実させた「e:HEV エアー EX」も94.1%、1.5Lのノーマルガソリンエンジンを搭載する「エアー」も92.7%と、どちらもシエンタの「ハイブリッド Z」の91.9%を上回ります。
2025年度(2025年4月から2026年3月)における両車の登録台数は、シエンタが1か月平均で8730台、フリードは7441台です。販売(登録)台数ではフリードがシエンタを少し下まわりますが、売却時の価値においては「エアー」や「エアー EX」が高く評価されていることが分かります。
SUV風の「フリード CROSSTAR(クロスター)」の売却額が下がる理由
ただし、外観をSUV風にアレンジした「フリード CROSSTAR(クロスター)」は、「e:HEV」であっても売却額が新車価格の90.1%とやや低くなります。
クロスターは外観がSUV風に変更されるだけでなく、3列シート仕様に加えて2列シート仕様も用意するなど個性的ですが、新車・中古車市場ともに人気はあまり高くないのが現状です。
ホンダの販売店に尋ねると、以下のような返答がありました。
「フリードは外観をシンプルに仕上げた『エアー』の人気が高いです。『クロスター』は、全幅が(1720mmと)ワイドになる影響もあり、エアーほどの人気はありません」。
結論:売却時の資産価値で選ぶべきグレード
以上のように、将来高値で売却できる資産価値の高いコンパクトミニバンを買いたいなら、フリードの「e:HEV エアー」、あるいは「e:HEV エアー EX」を選ぶのがベストです。
もしシエンタが欲しいというユーザーであれば、「ハイブリッド Z」を選ぶと高値で売却しやすくなります。どちらの車種においても、中古車市場ではハイブリッド車が人気を集めています。
シエンタやフリードが新車価格の9割前後を保つように、今お乗りの車にも想像以上の価値が残っているケースがあります。
乗り換え予算を組むうえでは、今の車の相場を先に把握しておくと判断材料がぐっと増えます。
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残価設定ローンの比較|月々の返済額を試算
ここで、残価設定ローンの利用も考えましょう。残価設定ローンは、数年後の残価(残存価値)を除いた金額を分割返済するため、返済期間を終えても車両は自分の所有になりません。その代わり、月々の返済額を安く抑えられるのがメリットです。
そして、将来的に高値で売却できるコンパクトミニバンは、残価を高く設定できるため、月々の返済額をさらに安くできます。
「シエンタ ハイブリッドZ (312万4000円/2WD・7人乗り)」と、「フリード e:HEVエアーEX (321万2000円/2WD・6人乗り)」で、残価設定ローンを利用した場合に返済額がどのように異なるかを試算しましょう。なお、シエンタの算出は首都圏の販売会社で行いました。
| 車種・契約プラン | 残価の割合 | 月々の返済額 |
|---|---|---|
シエンタ ハイブリッドZ・2WD(3年契約) | 50% | 5万6900円 |
シエンタ ハイブリッドZ・2WD(5年契約) | 38% | 4万4200円 |
フリード e:HEVエアーEX・2WD(3年契約) | 55% | 5万2000円 |
フリード e:HEVエアーEX・2WD(5年契約) | 37% | 4万4000円 |
現金購入ならシエンタ、残価設定ローンならフリードが有利
車両価格そのものは、フリード「e:HEVエアーEX(2WD)」の方がシエンタ「ハイブリッドZ(2WD)」よりも8万8000円高いですが、月々の返済額は逆転します。
3年契約の場合、フリードはシエンタよりも4900円安くなります。これは、3年後の残価がフリードは新車価格の55%であり、シエンタの50%を大きく上回るからです。
以上のように、フリード「e:HEVエアーEX(2WD)」とシエンタ「ハイブリッドZ(2WD)」を現金で購入するならシエンタが安いですが、残価設定ローンを利用する場合はフリードの方が月々の返済額を安く抑えられます。
ただし、最終的に高い残価を支払って車両を買い取るのであれば、フリードの優位性はなくなります。安くなるのは、あくまで残価設定ローンの返済期間を終えて、車両を返却する時だけです。
そして、フリード「e:HEVエアー」や「エアーEX」は、前述の通りMOTAのデータでも高値で売却できると示されています。両車ともに資産価値は高いですが、フリードはさらに高値で売却できてオトクだと言えます。
月々の返済額や予算の全体像は、今の車の下取り・売却額が決まって初めてはっきりします。
下取りに出す前に複数社の相場を知っておけば、商談での交渉材料にもなります。
その相場を手軽に確認できるのがMOTA車買取です。
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実用性比較|運転のしやすさ・室内の広さ・荷室の使い勝手
シエンタとフリードは実用性の面でも異なります。ここでは、カタログだけでは分からない運転のしやすさ、室内の広さ、荷室の使い勝手を比較します。
取り回しの良さ(運転のしやすさ)
シエンタの全長は4260mmと短く、最小回転半径も5.0mなので小回りの利きが良いです。
対するフリードの全長は4310mmと少し長く、最小回転半径も5.2mです。そのため、狭い裏道や駐車場で運転しやすいのはシエンタです。
| 比較項目 | シエンタ | フリード |
|---|---|---|
| 全長 | 4260mm | 4310mm |
| 最小回転半径 | 5.0m | 5.2m |
| 小回りの評価 | ◎ 取り回しやすい | ○ やや大きめ |
居住性(3列目シートの足元空間)
その代わり、後席の足元空間はフリードの方が広いです。
身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目の膝先空間を握りこぶし1つ分に調節すると、フリードでは3列目に座る乗員の膝先に握りこぶし1つ半の余裕ができます。
しかしシエンタでは、同じ測り方をすると3列目に座る乗員の膝先が2列目の背面に触れてしまいます。
| 比較項目 | シエンタ | フリード |
|---|---|---|
| 3列目の足元 | 膝が2列目背面に触れる | こぶし約1.5個分の余裕 |
| 足元の広さ | △ 短距離向き | ◎ ゆとりあり |
シートアレンジと荷室の使い勝手
シートアレンジと荷室の使い勝手も異なります。
シエンタの3列目は、2列目の下側に格納されます。格納時に2列目を持ち上げる必要があって操作は面倒ですが、広げた荷室に3列目が張り出さず荷物の出し入れもしやすいです。
フリードの3列目は、左右に跳ね上げる方式で操作は単純ですが、格納された3列目が荷室に張り出します。
3列目のアレンジを頻繁に行うなら、操作性の優れたフリードが適します。
通常は3列目を格納して広い荷室として使いながら、まれに3列目に座る使い方ならシエンタが適します。
シエンタの3列目は前述のように狭いですが、たまに短距離を多人数で移動する使い方なら不満はないでしょう。
| 比較項目 | シエンタ | フリード |
|---|---|---|
| 3列目の格納方式 | 2列目の下側に格納 | 左右に跳ね上げ |
| 格納操作 | △ 2列目を持ち上げる手間 | ◎ 単純で簡単 |
| 荷室への張り出し | ◎ 張り出さない | △ 左右に張り出す |
| 荷室の使い勝手 | 荷物を積みやすい | 荷室幅が狭くなる |
まとめ・安く買うための商談のコツ
高値で売却できる一方で「安く買いたい」時は、シエンタとフリードの購入条件を比べながら商談すると良いでしょう。
特にコンパクトミニバンは、実用指向の強い車種で、ユーザーも就学年齢の子どもを持つ世帯が中心です。この世代は出費も増える時期であるため、購入予算をなるべく安く抑えたいと考えます。
値引き額や下取り車の査定額を高めたいと思うのは当然の心理であり、販売店もそうした商談には柔軟に応じます。
このようにシエンタとフリードは、先に触れた損得勘定に加えて、使い勝手も異なります。
街乗り中心でたまに多人数乗車するならシエンタ、3列目を頻繁に使うならフリードといったように、これらの違いに基づいて選び分けると良いでしょう。
ミニバンや全車種のリセールバリューをもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】
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一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
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一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。












