実は改良の度に悪化していた三菱 eKワゴン、日産 デイズの燃費・・・改めて“実燃費”を測定した結果は(3/6)

実は改良の度に悪化していた三菱 eKワゴン、日産 デイズの燃費・・・改めて“実燃費”を測定した結果は
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日産 デイズ 燃費レポート/高速道路編

日産 デイズ 茂原長南インター

まず初めに、eKワゴン、デイズのインプレッションを記すには「動力性能」と「ドライバビリティ」(運転のしやすさ)という言葉がついて回る。というのも「14型」とよばれる初期型は、動力性能とドライバビリティがすべての走行シーンにおいて“壊滅的”であったためである。

具体的には、高速道路でNAエンジン車は特にエアコンが入っていると(確かに排気量の小さい軽自動車にとってエアコンによる負担は小さいものではないのは事実にせよ、今やエアコンオンで走るのは当たり前だ)、高速道路や自動車専用道路の本線合流で頻繁にアクセル全開を強いられる上、それでも余力がなく危険を感じることすらあるほど動力性能が低かった。

また高速道路で巡航状態を保つ際にも、初期型のNAエンジン搭載車の100km/h走行時のエンジン回転数は2800回転程度とNAエンジンを搭載するハイトワゴン型軽自動車としては標準的なところであるが、目では分からないようなごく緩い上り坂でアクセルを少し踏み足しただけで過大にエンジン回転数が上がるなど、CVTなどのマネージメントを含む総合的な動力性能の低さを常に感じる車であった。

またターボ車も初期型は総合的に見ると、ライバル車のNAエンジン搭載車と同等に近い動力性能にしか感じられず、愕然とした記憶もある。

日産 デイズ パーキングエリアにて

だが、現行モデルではエンジンやマネージメント関係の見直しなどによるものなのか、ライバルとなる軽自動車に比べて加速の際のアクセル開度が若干多い傾向はあるものの動力性能に大きな不満はなく、「ハイトワゴン型軽自動車としてはごく普通の動力性能」と言えるほど“劇的に改善”された。

またエアコンをオンにした際の動力性能も、初期型の低下の度合いを“ガタン”と例えるなら、現行モデルはハイトワゴン型軽自動車としては大きいのは否めないのは事実ながら“ガクッ”程度に改善されていたことも改良の効果として評価できる。

ただ、エンジン音については悪い意味で重さや古さを感じさせるものであり、初期型から現行モデルまで変わっていないのは残念なところである。

日産 デイズ 高速道路における実燃費は「23.0km/L」

高速道路での燃費は「23.0km/L」を記録した。

この燃費は過去データがあるNAエンジンを搭載するライバル車と比べると、ホンダ N WGNの初期型(カタログに載るJC08モード燃費は29.2km/L、現行型は29.4km/L。2014年5月のテスト)の「23.8km/L」、ダイハツ キャストスタイル(JC08モード燃費30.0km/L、2015年11月のテスト)の21.9km/Lの間で、燃費偽装を思うと望外とも言える値を記録した。

この結果は、後述するエンジンの2,500rpm以下の常用域のトルクの薄さと対照的に、現行型のeKワゴン、デイズがある程度エンジン回転数が上がる高速道路のスピード域ではライバル車にそう見劣りしない動力性能を備えている裏付けと言えるだろう。

日産 デイズ X(2015年10月マイナーチェンジモデル)の高速道路での実燃費/23.0km/L

ホンダ N WGN G(2013年11月登場時)/23.8km/L

ダイハツ キャストスタイル X(2015年9月登場時)/21.9km/L

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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