トヨタ クラウンアスリート (ハイブリッド 2.5G)燃費レポート(4/4)
- 筆者: 永田 恵一
トヨタ クラウンアスリート (ハイブリッド 2.5G)燃費レポート【市街地編】
市街地でのクラウンハイブリッドの印象を一言でまとめると「安楽、快適」だ。
この印象にはモーターで発進することをはじめ、全体にシームレスでスムースというトヨタ式ハイブリッドの特徴も大きく貢献している。なお、ボタンで選択可能なエンジンを使わずにモーターだけで走るEV走行は、バッテリー残量が多いときに約60km/hまで可能だ。
また、使いやすさという面で好感を持ったのがナビ画面下に配置されたタッチパネル式のエアコンや走行モードのスイッチ。
初めはガラケーからスマホに替えた時のようにスイッチを押したときの押した感覚がない点を懸念していたのだが、実際にはメインとなるエアコンと走行モードの選択は感覚のあるスイッチになっていることに加え、その後の選択も直感的に進めるので非常に使いやすかった。
暑さでバッテリーの減りが早く・・気温が低ければ燃費はもっと伸びたかも
市街地区間の燃費は「15.1km/L」と車格などを考えれば申し分ないものだったが、この燃費は気候によってさらに伸びる可能性があると感じた。というのは、7月第1週だったテスト日は最近の猛暑ほどではないが湿度が非常に高く、気温もおおよそ30℃とエアコンはフル稼働に近い状況だったのに加え、激しい渋滞にも遭遇した。
トヨタのハイブリッドのエアコンはエンジンではなく走行用バッテリーを動力源に使う電動タイプなので、バッテリーが残っていればアイドリングストップ中でもエアコンが効くのだが、この暑さと激しい渋滞による停止時間の長さではさすがにバッテリーの減りも早く、停止中に「エアコンを作動させるための電力を作るためだけ」のような感じでエンジンを掛ける場面も多かった。
そのため「エアコンを使う」という状況は同じでも、暑さと湿度がもう少し低ければエンジン始動も少なくなり、燃費も有利になった可能性は高い。
エアコンに関しては走行モードをエコモードすればエアコンの効きを控えめにすることで、家庭のエアコンと同じように電力消費(=バッテリーの使用)を減らしエンジン始動を減る方向に出来ることや、乗車人数が前席に2人なら後席へのエアコン作動を止める「前席集中モード」を選ぶことで電力消費を減らすという手段も選べる。
トヨタクラウンアスリートハイブリッド 市街地の実燃費/15.1km/L
トヨタクラウンアスリートハイブリッド 燃費レポート【総評】
トヨタクラウンアスリートハイブリッド 総合燃費/ 17.7km/L
クラウンハイブリッドに1日乗って特に印象的だったことは、“燃費の良さ”と“ハイブリッドの完成度の高さ”だった。
区間ごとの燃費と総合燃費を合わせて考えた際、かなり厳しく考えても平均燃費「15km/L」くらいは期待できるだろう。
同時に先代のクラウンハイブリッドが3.5リッターV6を搭載し、燃費向上よりも速さを得るためにハイブリッド技術を使った暴力的なハイブリッドカーだったことを思うと、現行クラウンのハイブリッドが燃費と動力性能をプリウスのように絶妙なところでバランスさせてきた見事な変わり身に感心した。
ランニングコストの面でもハイブリッドのメリットは大きい。ハイブリッド車とガソリン車(2.5リッターV6)の車両価格を比べると、ハイブリッドの方が53万円高いが、エコカー減税にまったく対応しない2.5リッターV6に対し、ハイブリッドは取得税と重量が免税になるため、テストに使ったアスリートG同士で約26万円も得になり、この時点で車両価格の差は約27万円まで縮まる。
ガソリン代も燃費をハイブリッドで「15km/L」、2.5リッターV6をかなり甘めに考えて「10km/L」、それぞれが使用するレギュラーガソリン1Lを150円と想定し、1万kmあたりのガソリン代を計算すると、ハイブリッドで年/約10万円、2.5リッターV6で年/約15万円となり、遅くとも6万km走行時点までにはハイブリッドの方が得となる。
また、そこまでクルマを使わないとしても中古車の査定の基準が新車価格であることや、この先「油田がたくさん見つかる」といったガソリン車に強烈な神風でも吹かない限り、燃費のいいクルマの方が査定の際に高く評価されるのが確実なことを考えると、新型クラウンを買うなら「ハイブリッドしか選択肢はない」。
また、首都圏の渋滞路での安楽さやスイッチ類の使いやすさ、バッテリーをラゲッジスペースに積むという不利がありながら、この種のクルマに必要とされるゴルフバッグが4つ入りそうなラゲッジ容量を備えている点、見切りの良さなどから絶対的なサイズの割にサイズが苦にならないことなど、クラウンが日本の使用環境に実にあった高級車であることも再認識できた。
その反面、燃費とハイブリッド関連以外で特に強い印象はなかったというのも事実。
もっとも、クラウン自体がリピーターの多い日本に根付いた高級車であるだけに、強い個性は必要ないのかもしれない。
そう考えると、アグレッシブなグリルと4気筒ハイブリッドを採用したことだけでも、現行クラウンがクラウンの歴史に残るモデルになることは間違いないだろう。
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