「こんなクルマもう二度と現れない!」黄金の90年代スポーツカー5選|RX-7やGT-Rなど、熱狂を呼び起こした伝説の名車を振り返る
- 筆者: 岡本 幸一郎
バブルが終焉を迎えても、実はバブル期以上に刺激的なスポーツカーが続々と登場したのが1990年代です。
本企画では、数多くの新型車のステアリングを握ってきたモータージャーナリストの岡本幸一郎さんに、当時だからこそ生み出された「今後はもう二度と出てこないようなクルマ」を5台、厳選して紹介していただきます。
選ばれたのは、ロータリーのピュアスポーツ「マツダ RX-7」、第2世代GT-Rの完成形「日産 スカイラインGT-R」などです。
クルマ好きが熱狂したあの時代の名車たちがどのような存在だったのか。岡本さんの解説とともに、その足跡を振り返ってみましょう。
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▼この記事の筆者

岡本 幸一郎
モータージャーナリスト / 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
「市販される車は、軽自動車からスーパーカーまですべて乗る」を信条とし、ステアリングを握る車は年間数百台に及ぶ。単なるスペック評価にとどまらず、「ユーザーが実際に使った時の心地よさ」や「メカニズムがもたらす体感」を、論理的かつ情感豊かに言語化する手腕に定評がある。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2004-2005〜)、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員として、公正な視点で自動車業界の動向を発信し続けている。
マツダ RX-7(FD3S)|流麗なデザインと唯一無二のロータリー・ターボが織りなす究極のハンドリング
まず何より、そのスタイリングに目を奪われます。空力性能を追求した有機的な曲線は、登場から30年以上が経過した現在でも色褪せない存在感を放っています。
タイトなコクピットに腰を下ろし、極限まで低められたシートポジションに身を委ねると、走るための高揚感が全身を包み込みます。
シーケンシャルツインターボを備えた「13B-REW」型ロータリーエンジンは、アクセルを踏み込むと特有の突き抜けるような吹け上がりとともに、背中をシートに押し付けられる強烈な加速を味わわせてくれます。
レシプロエンジンとは一線を画す、はじけるような独特のサウンドはロータリーならではの特権といえるでしょう。コンパクトなロータリーエンジンをフロントミッドに搭載するからこそ実現できた、剃刀のようにシャープなハンドリングは、まさにピュアスポーツと呼ぶにふさわしいものです。
スポーツカーとしてこれほどまでに官能性と走行性能を兼ね備えたクルマは、他に類を見ません。残念ながら、現在の厳しい排ガス基準をクリアすることは極めて困難なため、今後このようなピュア・ロータリーモデルが誕生する可能性は低いでしょう。
ホンダ インテグラ タイプR(DC2)|リッターあたり111馬力を超える超高回転型VTECエンジンがもたらす興奮
1995年に登場したDC2型インテグラ タイプRは、純粋にサーキットで速く走ることを目的に開発された、FF(前輪駆動)ピュアスポーツの金字塔です。
特筆すべきは、初期型において熟練の職人が手作業で「ポート研磨」を施していたという、驚くほど手の込んだ「B18C Spec-R」エンジンの存在です。5000回転台後半で「VTEC」が高速側カムに切り替わると、咆哮のようなVTECサウンドとともに、レッドゾーンの始まる8400rpmまで一気に突き抜ける痛快な吹け上がりを体感できます。
自然吸気(NA)ながらリッターあたり111馬力以上という、当時の世界最高峰の出力を絞り出した性能には、もはや畏敬の念すら抱かざるを得ません。
車体各所に施された徹底的な軽量化と、ハードに締め上げられた足もとにより、ステアリング操作に対して間髪入れずノーズが反応するダイレクトな挙動を実現。その感覚はまさに「公道を走るレーシングカート」そのものでした。
コクピットには「タイプR」の証である真っ赤なレカロ製バケットシートやMOMO製ステアリングが奢られ、乗り込んだ瞬間からスパルタンな世界観を構築しています。これほどまでに採算を度外視し、情熱を注ぎ込んで作られた量産エンジン搭載車は、今後二度と現れないはずです。
三菱 ランサーエボリューション|WRC(世界ラリー選手権)を制するために進化し続けたハイテク4WDの傑作
当時、WRC(世界ラリー選手権)は「最低5000台(のちに2500台へ緩和)」の生産実績を持つ市販車をベースとした「グループA」車両で競われていました。その競技ベース車として送り出された日本が誇る双璧の1台が、三菱 ランサーエボリューション(ランエボ)です。
2.0Lターボエンジンと4WDの組み合わせは毎年のように進化を遂げ、代を重ねるごとにその戦闘力を引き上げていきました。最高出力だけでなく、レスポンスを追求した4G63型ターボエンジンや、旋回性能を飛躍的に高める「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」といった独自のアドバンスド・テクノロジーを投入。
特筆すべきは、その独特なハンドリングです。アンダーステアが出そうな場面で、あえてアクセルを踏み込むことでノーズがグイグイとインを向く挙動は、他のクルマでは決して味わえない未知のコーナリング体験でした。
宿命のライバルであるスバル インプレッサ WRXと切磋琢磨しながら限界を高め合った歴史は、まさに日本車の黄金時代を象徴しています。メーカー同士がこれほどまでに渾身の思いでしのぎを削っていた熱い時代は、もはや二度とやってこないかもしれません。
トヨタ チェイサー ツアラーV|刺激的な加速と直列6気筒の官能的なサウンドを堪能できるFRセダン
1990年代は、滑らかで力強い直列6気筒エンジンを搭載したモデルが数多くラインアップされていました。その象徴的な存在といえるのが、名機1JZ-GTE型エンジンを搭載したトヨタ チェイサー ツアラーVです。
当時はセダンといえば保守的なイメージが強かった中、「マークII」3兄弟の中でも特にスポーティに振ったチェイサーは、走りを重視するユーザーから絶大な支持を集めました。その人気は衰えることを知らず、やがてドリフトマシンのベース車としても確固たる地位を築くことになります。
1JZ-GTE型エンジンが奏でる澄んだエキゾーストサウンドと、高回転域まで淀みなく続く吹け上がりは、まさに直6ならではの快感です。その刺激的な加速感は、上位機種の2JZ-GTE型を凌ぐと評価するファンも少なくありませんでした。
現在、世界的に見ても直列6気筒エンジンを自社生産するメーカーは限られ、セダンというカテゴリー自体も減少傾向にあります。これほどまでに高い運動性能を備えた、手頃な価格帯の直6・FRセダンは、現在の日本では「ありそうで存在しない」稀有なパッケージングとなってしまいました。
日産 スカイラインGT-R(R34)|伝統の「RB26DETT」と「アテーサE-TS」が到達した第2世代の完成形
第2世代GT-Rの集大成として1999年に登場したのがR34型スカイラインGT-R(型式:BNR34)です。1989年のR32型の登場から始まった進化の系譜において、最後の直列6気筒エンジン搭載GT-Rとして、発売当初から特別な視線を注がれていました。
心臓部に鎮座するRB26DETT型エンジンは、過酷なサーキット走行やハードなチューニングにも耐えうる頑強な設計が特徴。アクセル開度に合わせて高まる咆哮と、精密機械のような吹け上がりの鋭さは、まさに芸術品と呼ぶにふさわしいものです。
その強大なパワーを、独自の4WDシステム「アテーサE-TS」が瞬時に制御。強烈なトラクション性能と意のままに操れるハンドリングを両立させ、世界中のスポーツカーを震撼させました。当時はまだ頑張れば手の届く価格帯であったこともあり、多くの走り屋やチューナーたちがこのクルマを相棒に選び、各地でタイムを競い合ったものです。
今後、GT-Rの名を冠する新型車が登場するとしても、それは電動化技術をフルに駆使した新時代のモンスターになるはずです。「RB26」と「アテーサ」が織りなす、このメカニカルで濃密なドライビング体験は、間違いなく1990年代という時代が生んだ唯一無二の遺産といえるでしょう。
まとめ:1990年代の名車は現代のクルマでは味わえない熱狂を教えてくれる
今回は「もう二度と出てこない」であろう1990年代の名車5台を振り返りました。
これらのモデルがいまなお多くのファンを惹きつけて止まない理由は、単なるノスタルジーではありません。現代の電子制御に守られたクルマでは決して味わうことのできない、ダイレクトな操作感とエンジンの鼓動がそこにあるからです。
いずれも絶版車として高い人気を誇り、中古車相場は高騰傾向にあります(特にR34 GT-Rなどは別格の価格帯となっています)。しかし、流通している中古車はまだ存在します。
もし、かつて憧れたあのドライビングの世界を体感したいと考えているなら、今が最後の手にするチャンスかもしれません。興味のある方は、ぜひ一度、当時のエンジニアたちが情熱を込めて作り上げた傑作たちに触れてみてはいかがでしょうか。現代のクルマにはない、魂を揺さぶる体験が待っているはずです。
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