ノート、ヤリス、フィットを徹底比較! 3大コンパクトカーで本当に買い得なのはどれ!?【2021年版】

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トヨタ ヤリス、ホンダ フィット、そして日産からノートと、2020年は3大メーカーからコンパクトカーのニューモデルが勢揃いした。そんな中、装備、空間の広さ、価格の妥当性などをトータルで考えると、結局一番お買い得なコンパクトカーはどのモデルなのだろうか。そんな問いに対し、国内外の新型車に精通するカーライフジャーナリストの渡辺 陽一郎氏がズバリ答えてくれた!

買いなのはどれ!? ノート・ヤリス・フィットを写真で見比べてみる[画像60枚超]

目次[開く][閉じる]
  1. 2020年デビューしたノート・フィット・ヤリスを徹底比較!
  2. ノート・フィット・ヤリスの動力性能や燃費を比較してみる
  3. ノート・フィット・ヤリス、筆者が勧めるのはこのコンパクトカーだ

2020年デビューしたノート・フィット・ヤリスを徹底比較!

視界や後席の居住性、荷室空間でフィットがリード

日産 ノートが2020年12月23日にフルモデルチェンジを行い、トヨタ ヤリスやホンダ フィットと併せて3大メーカーの主要コンパクトカー3車が出揃った。いずれも全長は4m前後の5ナンバー車で、全高は立体駐車場を使える高さに抑えている。まずはこの3車の実用性を比べてみよう。

運転席からの視界は、ホンダ フィットが最も優れている。フロントピラー(柱)の形状を工夫して、インパネの上面も平らに仕上げたから、前方と斜め前が見やすい。ボディの側面も水平基調だから、ライバル2車に比べて、側方や斜め後方の視界も良い。

車内に入ると、後席の居住性が快適なのもフィットの特徴だ。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、フィットが握りコブシ2つ半、ノートは2つ分、ヤリスは1つ少々にとどまる。フィットの足元空間はミドルサイズセダン並みで、頭上にも余裕を持たせた。

荷室容量にも注目したい。フィットは従来型と同様、燃料タンクを前席の下に搭載する。そのために荷室の床が低く、ライバル車を上まわる。逆にヤリスは、全長が3940mmと短く、リヤゲートも寝かせたから背の高い荷物は積みにくい。

以上のように内外装の形状やレイアウトにおいて、ホンダ フィットは実用的だ。

フィットの個性的な内外装は好みが分かれるところだ

その半面、フィットは好みが分かれるところもある。

フロントマスクは以前に比べて柔和な印象になったが、最近の流行を考えると個性的だ。インパネも上下幅を狭め、広いウィンドウと併せて車内を開放的に見せるが、2本スポークのステアリングホイールを含めて視覚的なボリューム感は乏しい。

ノート・フィット・ヤリスの動力性能や燃費を比較してみる

ハイブリッドモデル同士で比較

エンジンは、ホンダ フィットとトヨタ ヤリスはノーマルタイプとハイブリッドを用意するが、ノートはe-POWER(ハイブリッド)のみの設定だ。そこで動力性能と燃費は全車ハイブリッドで比べてみよう。

フィット e:HEV(イーエイチイーブイ)とノート e-POWER(イーパワー)では、エンジンは発電を担当し駆動はモーターが行う。フィットのe:HEVは、巡航時にエンジンが直接駆動して効率を高めるが、ノートのe-POWERにこの機能はない。ヤリスはほかのトヨタ車と同様で、エンジンとモーター駆動を常に併用する。

その中で加速が一番活発なのは、ボディの軽いヤリス ハイブリッドだが、高回転域では3気筒エンジン特有のノイズが耳障りだ。

その点でモーター駆動のフィットとノートは静かで滑らかに加速する。動力性能はヤリス、ノートの順番で、フィットは3車の中で最も大人しい。

ダントツの低燃費はトヨタ ヤリスのハイブリッドだ

売れ筋グレードでWLTCモード燃費を比べてみよう。

フィットe:HEV HOMEは28.8km/L、ノート e-POWER Xは28.4km/L、ヤリス ハイブリッド Gは35.8km/Lと突出して優れている。フィットe:HEVの動力性能と燃費は、3車の平均水準だが、滑らかさでは注目される。

ノート・フィット・ヤリス、筆者が勧めるのはこのコンパクトカーだ

乗り心地の良さではノートとフィットが優勢

乗り心地は、新しいプラットフォームを使うノートが最も優れている。ルノー ルーテシアと共通化した効果もあり、足まわりが柔軟に伸縮して快適だ。またノートは走行安定性も高い。足まわりが柔軟に動くから、峠道などではボディの傾き方も拡大するが、挙動の変化は穏やかで不安を感じさせない。

その点でフィットは乗り心地が少し硬いが、粗さは抑えた。SUV風のクロスオーバーモデル、フィット クロスターはタイヤサイズが185/60R16になり、ほかのグレードに比べて快適だ。フィットの操舵感はライバル2車に比べて少し鈍いが、後輪の接地性は高く、誰でも運転しやすく安心できる。

ヤリスはボディの軽さもあって機敏に曲がる。乗り心地は硬めで、特に14インチタイヤは、指定空気圧が前輪:250kPa、後輪:240kPaと高く、路上の細かなデコボコを伝えやすい。

以上のようにノートは走行安定性と乗り心地を絶妙に調和させ、ヤリスは機敏に曲がるが乗り心地は硬めだ。フィットはスポーティではないが、操舵感が穏やかで馴染みやすく、乗り心地も満足できる。従って幅広いユーザーに適する。

先進運転支援システムは各社の個性が光る

衝突被害軽減ブレーキはトヨタ ヤリスが注目される。右左折時でも直進してくる対向車や歩行者を検知するからだ。ただしホンダによると「公表はしていないが、フィットも右左折時の検知を行う」とのこと。ノートの衝突被害軽減ブレーキは、2台先を走る車両も検知できるので、前方で異常が生じた時にいち早くドライバーに警報を発する。それぞれ特徴を持たせた。

売れ筋グレードのコスパの高さを比較してみる

売れ筋グレードの価格を比較してみると、ホンダ フィット e:HEV HOMEが206万8000円、日産 ノート e-POWER Xは218万6800円、トヨタ ヤリス ハイブリッド Gは213万円だ。上記の価格は横並びだが、装備は異なる。

フィット e:HEV HOMEは運転支援機能とLEDヘッドランプを両方ともに標準装着した。ヤリス ハイブリッド Gは、運転支援機能は標準装着するが、LEDヘッドランプは8万2500円のオプションだ。

 

ノートはセットオプションの設定が多い点に注意が必要

そしてノート e-POWER Xは、両方ともにオプションになる。しかも運転支援機能のプロパイロットは、情報を共有するカーナビ、インテリジェントルームミラーなどとセットオプションだから44万2200円の上乗せになる。LEDヘッドランプも9万9000円のオプションとされ、ノートXに両方の装備を加えると約54万円の上乗せだ。総額は272万8000円に達する。この点は注意が必要だ。

筆者が推奨するのはホンダ フィット

このように3大メーカーのコンパクトカーを比べてみると、ホンダ フィットは突出した機能はないものの実用性が高く、価格も割安に抑えた。

筆者が3大メーカーのコンパクトカーの中で、ファミリーを含めた幅広いユーザーに推奨出来るのは、ホンダ フィットだ。

[筆者:渡辺 陽一郎]

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15万円283万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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