日産 新型キックスの「買い得」「やめとけ」グレードはどれ? 残価設定ローンやライバル比較でお得に買う方法を解説

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2026年6月に待望のフルモデルチェンジを果たした日産のコンパクトSUV、新型キックス。旧型の課題だった基本設計やデザインを一新し、力強い第3世代「e-POWER」や上質な内装を手に入れた一方で、どのグレードを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、新型キックスのグレードごとの違いや、一般ユーザーにおすすめの買い得グレード、「やめたほうがいい」グレードを徹底解説します。

さらに、残価設定ローンを活用して安く買い、将来的に高く売る賢い購入術や、ホンダ ヴェゼルやトヨタ カローラクロスといったライバル車を引き合いにした交渉術、購入前に必ず確認しておきたい注意点までご紹介します。

目次[開く][閉じる]
  1. 日産 キックスが不人気だった理由と新型投入が遅れた背景
  2. 新型キックスのグレード構成・価格一覧
  3. 一般ユーザーに推奨する買い得グレードは「X+」
  4. 「Xシンプルパッケージ」が「やめとけ」と言われる理由
  5. 最上級グレード「G」と4WD「e-4ORCE」がおすすめの人
  6. 新型キックスを安く買って高く売る方法と値引き交渉術
  7. 第3世代e-POWERの燃費性能と進化した内装・後席空間
  8. 購入前の注意点:ボディサイズの拡大と後方視界

日産 キックスが不人気だった理由と新型投入が遅れた背景

今は全長を4500mm以下に抑えたコンパクトSUVが売れ筋ですが、先代型の日産 キックスは販売面で苦戦を強いられていました。2025年度(2025年4月から2026年3月)の登録台数は、1か月平均674台で、ライバル車になるホンダ ヴェゼルの12%です。

不人気の理由は、基本設計やデザインの古さです。キックスが日本でハイブリッドのe-POWERを搭載して発売されたのは2020年ですが、海外では、2016年からノーマルガソリンエンジン車を販売していました。

新型へのフルモデルチェンジと日本導入が遅れた背景

そこで2026年6月に、キックスは新型にフルモデルチェンジしました。ただし、これも遅いです。北米では2024年3月に、直列4気筒2.0Lノーマルガソリンエンジンを搭載する新型キックスを発表していたからです。

つまり2024年から2026年に掛けて、北米ではノーマルガソリンエンジンとはいえ新型キックスを販売しながら、日本では旧型を売っていました。

新型キックスはプラットフォーム(基本骨格)が刷新され、衝突安全性も向上しています。裏を返せば、過去2年間にわたり、日本のユーザーには、海外モデルよりも安全性を含めて基本設計の古いキックスを販売していたことになります。

この点を日産の開発者に尋ねると「日本で発売する新型キックスは、第3世代のe-POWERを搭載しており、開発に時間を要しました」と述べています。

なお、先代キックスはタイ製の輸入車でしたが、新型は国内で生産します。当初は追浜工場で造り、その後九州工場に移管します。

新型キックスのグレード構成・価格一覧

新型キックスのグレード構成は、最も安価な「Xシンプルパッケージ」、「X」、「X+(プラス)」、最上級の「G」です。

駆動方式は、前輪駆動の2WDと、後輪を前輪とは別のモーターで駆動する4WDの「e-4ORCE」を全グレードに設定しています。

以下、グレード別の価格を一覧表にまとめました。

駆動方式グレード価格(税込)

2WD

Xシンプルパッケージ

299万9700円

X

325万9300円

X+

354万9700円

G

389万8400円

4WD

X e-4ORCEシンプルパッケージ

334万9500円

X e-4ORCE

359万9200円

X+ e-4ORCE

389万9500円

G e-4ORCE

424万8200円

一般ユーザーに推奨する買い得グレードは「X+」

一般ユーザーに推奨する買い得グレードは「X+(2WD)」です。価格は354万9700円で、「X(2WD)」に比べて29万400円高いです。

「X」が装着しない大画面で視認性に優れる12.3インチの「NissanConnectインフォテインメントシステム」や車載通信ユニット、夜間の視界を助けるLEDフォグランプ、荷物で両手が塞がっている時に便利なリアゲートの電動開閉機能などが備わります。

さらに「X+」では、インパネの表皮が「X」の織物からファブリックに上級化され、シート生地も織物&トリコットから合成皮革に変更されます。

これらを価格換算すると約30万円で、価格差は前述の29万400円なので、「X+」は特に割安ではありません。それでも内装の質の向上も含めると、推奨度が高いです。

グレード(2WD)価格(税込)差額

X

325万9300円

X+(推奨グレード)

354万9700円

+29万400円

高値での売却を狙うなら標準装備が充実したグレードを

また売却時の査定は、基本的にグレードに基づいて行われます。「X」に「NissanConnectインフォテインメントシステム」などをオプション装着するなら、標準装着される「X+」を選ぶ方が高値で売りやすいです。

「Xシンプルパッケージ」が「やめとけ」と言われる理由

この中で、一般ユーザーが買ってはいけない「やめとけグレード」は、「Xシンプルパッケージ」です。

新型キックスの特徴とされる12.3インチの画面を備えた「NissanConnectインフォテインメントシステム」をオプションでも装着できず、「日産オリジナルナビ取付パッケージ」も備わらないため、ディーラーオプションの選択肢も狭まります。

万が一の事故時に役立つ「SOSコール」や、車線変更時の死角をカバーする「後側方車両検知機能」などの安全オプションも、「Xシンプルパッケージ」では装着できません。

したがって「やめとけグレード」なのですが、装備はこれで十分と考えるユーザーには、「Xシンプルパッケージ」はむしろ買い得です。

オプション設定を除いて標準装着される装備を「X」と比べると、省かれるのは4万円相当の「日産オリジナルナビ取付パッケージ」だけです。

それなのに「Xシンプルパッケージ(2WD)」の価格は、「X(2WD)」よりも25万9600円安い299万9700円なので、充実した装備を求めないユーザーには割安です。運転支援機能の「プロパイロット」などは標準装着されます。

グレード(2WD)価格(税込)差額

Xシンプルパッケージ

299万9700円

X

325万9300円

+25万9600円

最上級グレード「G」と4WD「e-4ORCE」がおすすめの人

最上級になる「G(2WD)」の価格は、「X+(2WD)」よりも34万8700円高い389万8400円です。

「G」に加わる装備には、ハイビーム状態を保ちながら対向車の眩惑を抑える「アダプティブLEDヘッドライト」、運転席の電動調節機能、後方の並走車両を検知する機能、「パノラミックガラスルーフ」などがあります。

「G」に加わるこれらの装備を価格に換算すると、総額で37万円くらいに達するため、価格アップが34万8700円であれば割安ともいえます。しかしガラスルーフなどはニーズが分かれる装備です。

グレード(2WD)価格(税込)差額

X+

354万9700円

G

389万8400円

+34万8700円

雪道を走る機会があるなら4WD「e-4ORCE」も魅力的

4WDの「e-4ORCE」の価格は、「X+」の場合で2WDよりも34万9800円高いです。

グレード価格(税込)差額

X+(2WD)

354万9700円

X+ e-4ORCE(4WD)

389万9500円

+34万9800円

その代わりステアリングヒーターやヒーター付きドアミラーなどを含んだ6万3800円の「ホットプラスパッケージ&クリアビューパッケージ」が標準装着され、e-4ORCEの実質価格は28万6000円です。

新型キックスでは、後輪を駆動するモーターの動力性能を高めたことも踏まえると、雪道などを走る機会があるなら、e-4ORCEを選ぶ価値も高いです。

今後の改善点:一部安全装備のオプション化を

今後の改善が必要なのは、「アダプティブLEDヘッドライト」が「G」の専用装備になり、「X+」や「X」には装着できないことです。安全装備なので、後方の並走車両を検知する機能と同様、オプション装着を可能にすべきです。

新型キックスを安く買って高く売る方法と値引き交渉術

新型キックス「X+(2WD)」で残価設定ローンを組んだ場合、3年後の残価(残存価値)は、新車価格の59%です。一般的には3年後で42~48%なので、新型キックスは残価を高く設定しています。5年後でも46%に達します。

経過期間予測残価率

3年後

59%

5年後

46%

これは日産が、新型キックスがこれから中古車市場で人気を高めると考えているからです。そうなれば新型キックスをユーザーが売却する時も、高値が期待できます。

また残価設定ローンでは、残価を除いた金額を分割返済するため、残価の高い新型キックスでは、月々の返済額を抑えられます。残価設定ローンを使うことも、新型キックスを安く使う方法です。

競合車(ヴェゼル・カローラクロス)との比較で好条件を引き出す

残価設定ローンを使わずに現金で買う時は、グレードは前述の「X+」を選び、ライバル車のコンパクトSUVと購入条件を比較するのが良いでしょう。

今は各メーカーとも値引きを抑えていますが、ホンダ ヴェゼル「e:HEV Z(2WD)」は格好の競争相手です。価格は326万8100円ですが、カーナビをオプション装着すれば、新型キックス「X+」に近い価格になります。

トヨタ カローラクロス ハイブリッドも競争相手です。「Z(2WD)」の価格は343万円で、新型キックス「X+」に近いです。

ヴェゼルやカローラクロスといった強力なライバル車と競合させて商談することで、車両本体からの値引き拡大や、下取り車の査定アップといった好条件をより引き出しやすくなります。

車種グレード(2WD)価格(税込)

日産 新型キックス

X+

354万9700円

ホンダ ヴェゼル

e:HEV Z

326万8100円

トヨタ カローラクロス

ハイブリッド Z

343万円

第3世代e-POWERの燃費性能と進化した内装・後席空間

なお新型キックスが搭載する第3世代の「e-POWER」は、発電用に特化した直列3気筒1.4Lエンジンを搭載します。エンジン回転数をなるべく上下させず、2000回転以下/2000回転/2400回転という高効率な領域で回すことで、燃料消費量を節約します。

モーターの最高出力は143馬力、最大トルクは32kg-mで、日産のMサイズミニバンであるセレナの「e-POWER」に近い性能です。コンパクトSUVのハイブリッドとしては強力です。

新型キックス(2WD)のWLTCモード燃費は、買い得グレードの「X+」や「X」が25.7km/Lなので、先代型の23.0km/Lに比べると、燃費性能と動力性能が両方とも向上しています。

駆動方式新型先代型

2WD

23.4〜25.7km/L

23.0km/L

e-4ORCE(4WD)

20.1〜21.5km/L

19.2km/L

日産 ノートオーラに迫る上質な内装とゆったり座れる後席

内装の質も高まり、インパネには布が張られ、車内の雰囲気は日産のコンパクトカー、ノートオーラに近いです。

身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、先代キックスは握りこぶし1つ半でしたが新型は握りこぶし2つ分です。ヴェゼルの2つ半には達しませんが、後席にも、ゆったりと快適に座れます。

購入前の注意点:ボディサイズの拡大と後方視界

注意点はボディサイズの拡大です。全長は4365mm、全幅は1800mm、全高は1615mm(2WD)なので、先代型に比べて75mm長く40mmワイドです。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も35mm伸びて2655mmです。最小回転半径も、先代型の5.1mから5.3mに拡大されました。

項目新型先代型新旧差

全長

4365mm

4290mm

+75mm

全幅

1800mm

1760mm

+40mm

全高(2WD)

1615mm

1605mm

+10mm

全高(4WD)

1610mm

1605mm

+5mm

ホイールベース

2655mm

2620mm

+35mm

最小回転半径

5.3m

5.1m

+0.2m

いずれも大幅な違いではないですが、街中や駐車場での運転感覚に良くない影響を与えることがあるため、試乗した時に確認しましょう。

デザイン変更に伴う斜め後方の視界に注意

デザインがスタイリッシュに刷新された反面、ボディ後端のピラー(柱)がやや太くなり、斜め後方や真後ろの視界に死角が生じやすくなっています。縦列駐車や車庫入れを試しておきましょう。

これらの注意点をディーラーでの試乗時にしっかり確認した上で購入すれば、新型キックスならではの上質な内装や力強い走り、優れた実用燃費をより一層満喫できるでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部 画像提供:日産自動車/トヨタ自動車】

日産/キックス
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新車価格:
300万円424.8万円
中古価格:
23万円349.3万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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