なんだその“ドヤ”グリルは!? でもそのうちマネされる…輸入車最新デザイントレンド3選【外車のススメ】

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クルマの設計やデザインには「トレンド」があり、大なり小なりどんなクルマでもその影響を受けています。そのトレンドの中には、流行に近いムーブメントを起こす可能性を秘めているものもあります。そこで今回は「これから流行るかも?」「マネされるかも?」という輸入車の最新デザイントレンドを3種選抜してみました。

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数年後には、同じようなアイデアを採用する車種が増えているかも!

目次[開く][閉じる]
  1. デカっ!ギョっとするけれど見慣れてくる? BMW新型4シリーズの「大開口グリル」
  2. とってもクリスタルな現行ボルボのシフトレバーは現代の「水中花シフトノブ」?
  3. ドミンゴを思い出す!? コンパクト+4WD+3列シートの「メルセデス・ベンツGLB」

デカっ!ギョっとするけれど見慣れてくる? BMW新型4シリーズの「大開口グリル」

2020年6月、新しいBMW 4シリーズが発表されました。当初は2ドアでスタートしたBMW 3シリーズは、2代目からは4ドアが主流となりましたが、2ドアクーペも継続してラインナップしていました。そして先代(6代目)3シリーズからは、クーペが「4シリーズ」として分化しています。

新型4シリーズで話題になっているのがグリルの大きさ。

BMWは縦長の四角形を2つ組み合わせた「キドニー(腎臓)グリル」を長年にわたってファミリーフェイスとして採用していますが、このサイズがどんどん拡大しています。昨年登場したBMW最大のSUV「X7」でも、かなりのデカさになっていて驚きました。

見慣れてくると・・・これがなかなか悪くないと思えてくる不思議

一方、新型4シリーズのキドニーグリルは「縦方向」にも長い印象。フロントマスクの高さ全部を使っているイメージです。デカっ!初めて見たら、ギョっとすること間違いありません。世界的にグリルサイズの拡大はトレンドですが、これはまた好き嫌いが分かれる、思い切ったデザイン。でも見慣れてきちゃうのも不思議です。

日本車のグリルにも、トヨタ アルファード/ヴェルファイアなどのミニバンで巨大サイズが数多く採用されていますが、今後はメーカーごとに共通デザインでまとめられている「ファミリーフェイス」でも、ギョッとするような大開口グリルが出てくるのではないでしょうか。

とってもクリスタルな現行ボルボのシフトレバーは現代の「水中花シフトノブ」?

ここ数年で販売台数を伸ばしているボルボ。華美に過ぎずシンプルさを残しつつ、上質感・高級感を漂わせる落ち着きあるインテリアも人気の理由です。

色の組み合わせ・素材の使い方には唸らされるものがあり、光沢を抑えたシルバー系の金属、派手さのないウッドパネル、フエルトの採用など、車格・イメージに合わせて生み出される様々なアイデア・高いセンスに感心。車内空間を豊かな時間に変えてくれそう……という雰囲気があります。

中でもラグジュアリー感を高めているのが、「XC60 T8 TwinEngine AWD Inscription」などの電動化モデルに装備される、スウェーデン・オレフォス社製の「クリスタルシフトノブ」です。同社のガラスは、ノーベル賞の晩餐会でも使われるほどの工芸品。シフトノブ用クリスタルガラスも、職人15人以上の手を掛けて作られている逸品です。

高級ハーバリウム・シフトノブとか、どうですか!?

日本にも素晴らしいガラス工房があるので、金属や革、樹脂でできているシフトノブにさらなる高級感を与えるための採用が進んでもおかしくないなあ、と思ったら、そういえば日本にも透明なシフトノブが。

そう、シフトノブの中に花が入っている「水中花シフトノブ」です。インテリアとして人気が高い「ハーバリウム」も流行しているので、ひょっとしたら「高級ハーバリウム・シフトノブ」がメーカー製造のクルマで出現するかも?

ドミンゴを思い出す!? コンパクト+4WD+3列シートの「メルセデス・ベンツGLB」

2020年6月25日から予約受注を開始した、メルセデス・ベンツのまったく新しいSUV「GLB」。同社のSUVを示す「GL」に、クラスを表すアルファベットの組み合わせ車名から、コンパクトな「GLA(Aクラスベース)」に次ぐ大きさのSUVであることがわかります。

Bクラスは、Aクラスに対して実用性が高いことをセールスポイントにしているため、GLBも居住性・積載性に優れており、スクエアな外観もそれを表しています。スタイリッシュでクーペ的なデザインが多くなっているSUVの中で、あえて各ウインドゥを立て気味にしたスタイルはむしろ新鮮。各部ディティールは、現代流メルセデス・ベンツのデザイン言語を採用していますが、Gクラスのような落ち着きも備えています。そして大きなトピックがもうひとつ。それは、GLBが4634×1834×1706mmという比較的コンパクトな外寸なのに、3列シートの7人乗りを実現していることです。

全長4.7m以下の同等サイズSUVで3列シートを採用している例は、プジョー 5008 、日産 エクストレイル、三菱 アウトランダー(ガソリン)、ホンダCR-Vなどがありますが、車種数的には多くありません。またいずれもスタイリッシュなデザインで、GLBのようなオフローダー的で無骨さを感じるようなイメージは希薄なのも、GLBが新鮮に映る理由でしょう。

小さくて3列といえば、ニッポンにもあったじゃないか!

そういえば、GLBを見てふと思ったのですが、3列シートで4WD、そしてコンパクトなボディで高い実用性……といえば、軽1BOXバンのスバル サンバーをベースにした「ドミンゴ」を思い出しました。軽自動車用の小さな車体に3列シート、4WDシステムを詰め込んだ設計は他に類がなく、2世代にわたる隠れロングセラーになりました。

3列シートSUVの人気が高まれば、GLB のような「コンパクトで実用重視、無骨なデザインを持った3列シートSUV」が今後さらに増えていくかもしれません。

[筆者:遠藤 イヅル]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

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