DUNLOP 新商品タイヤ「SP SPORT MAXX 050 NEO」「エナセーブ NEXT」「エナセーブ100」試乗レポート/マリオ高野(1/3)
- 筆者: マリオ 高野
プレミアムランフラットタイヤ「SP SPORT MAXX 050 NEO」
「SP SPORT MAXX 050 NEO」はダンロップ独自の次世代新工法「NEO-T01」と新材料開発技術「4D NANO DESIGN」により、高い快適性能と環境性能、そして安全性能を実現。パンク状態に陥って空気圧がゼロになっても所定の速度(80km/h程度)で一定の距離(80km程度)を走行できるでランフラットタイヤ特有の乗り心地の硬さを大幅に低減したのが最大の特徴です。
次世代新工法「NEO-T01」とは、実際のタイヤの内側の形状をした金属の成形フォーマー(メタルコア)にタイヤの各種部材を貼付けていく超高精度のタイヤ成形工法で、タイヤ作りの永遠のテーマである真円度を高めることに成功。高速域での振動を大幅に抑制し、コンフォートカーに相応しい乗り味を実現しました。
従来のインフレート工法よりも成形時の変形が少なく、肉厚のアンバランスがなくなることで材料を薄くでき、軽量化にも直結。トレッドゴムやカーカス、ベルトなどの部材を含んだ寸法と剛性の均一性が高まり、乗り心地と操縦安定性が向上するという話です。
「SP SPORT MAXX 050 NEO」が装着されたBMW 523iで、テストコースの周回路と振動騒音路を試走した限りでは、まず、最初の転がりだしのスムーズさが際立っていることが印象的でした。この、いかにもバネ下の軽い足ならではのスムーズさは、180km/h以上の高速域になっても損なわれず、微振動の類いはほとんど感じられません。真円に近いタイヤならではのクリアーな感触です。グリップ感は、高速コーナーでの粘り強さが印象的で、限界がとてもわかりやすいため、アクティブな運転が楽しめました。
凹凸の激しい振動騒音路では、タイヤそのものがストロークして路面からの入力をいなしている感触が伝わり、固めながらも快適至極。もっとも大きな突起を乗り越える瞬間だけは強めの衝撃を受けますが、ランフラットタイヤとしては存外にしなやかな乗り味といえるでしょう。ランフラットタイヤを標準装着するようになってすでに久しいBMWは、強靭なボディとサスペンションセッティングの巧みさによりランフラットタイヤの硬さを克服してきた感がありますが、「SP SPORT MAXX 050 NEO」ならBMWのコンフォート部門の実験部隊も歓迎するでしょう。
ホイールの内側に着けられる重量バランサーの量が少ないことも、このタイヤが真円に近づいたことを証明しています。
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