スズキ アルトワークス vs ダイハツ キャストスポーツ どっちが買い!?徹底比較(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
復活の兆しを見せ始めた“コンパクトスポーツハッチ”
「コンパクト スポーツハッチバック」に、復活の兆しが見えてきた。
「スズキ スイフトスポーツ」「ホンダ フィットRS」「トヨタ ヴィッツRS」などは今でも選べるが、昔の「ホンダ シティターボ」「ダイハツ シャレード・デトマソTURBO」「トヨタ スターレットSi」などに比べるといささかボディが大きい。
1970年代の後半から1980年代に売られていたスポーツハッチバックは、全長が3,300~3,700mm、全幅は1,600mm以下で、車両重量も700kg前後と軽かった。エンジンは1~1.3リッターと非力であったが、軽いボディで軽快なコーナリングを楽しめる。
仮に挙動が乱れても、ボディが軽ければ操作もし易い。上手に走らせれば速く、失敗すれば遅いという原因と結果も分かりやすく、自然と運転が上達した。
そして小さなエンジンを積んだ安いクルマなのに、カーブを曲がる時には上級のスポーティカーと対等以上に勝負できる。この「下克上」のような感覚も魅力であった。
満を持して登場した“ワークス”
こういった昔を知るクルマ好きを中心に受けているのが、2015年12月に発売された「スズキ アルトワークス」だ。軽自動車だから全長は3,395mmで全幅は1,475mm。当時のコンパクトカーに近いサイズとなる。
動力性能も同様で、直列3気筒658ccエンジンは、ターボを装着して独自のチューニングを施すことにより、最高出力は64馬力(6,000rpm)、最大トルクは10.2kg-m(3,000rpm)だ。後者の数値は当時のコンパクトカーのノーマルエンジンを上まわるほど高い。
2WDの車両重量は670kg(5速MT)だから、加速力にも余裕がある。ちなみに初代アルトワークスは1987年に、軽自動車で最初のツインカムターボとして登場した。
車名については現行型で復活したことになるが、当時と今とでは軽自動車の品ぞろえが大幅に違う。
初代アルトワークスの時には「スズキ ワゴンR」が登場しておらず(初代ワゴンRの発売は1993年)、スズキにとってアルトが軽自動車の主力商品だった。だからアルトワークスの登場も当然の流れだったが、今はワゴンRやハスラーが売れ筋で、それぞれのターボモデルも相応の人気を得ている。
にもかかわらずアルトワークスを投入した背景には、走りの楽しいスポーツハッチの不足と高いニーズがあるのだろう。
2015年3月にアルトターボRSが5速AGS(オートギヤシフト)を備えて発売され、「ワークスは出ないのか」という声が高まり、5速MTを選べるアルトワークスの登場となった。
アルトワークスのライバル車は「ダイハツ キャストスポーツ」だ。キャストは1車種でSUV風のアクティバ、都会的なスタイル、ターボエンジンのみを搭載するスポーツの3種類をそろえる。
キャストスポーツは外観だけでなく足まわりとタイヤも専用になるので、この2車種を比べてみたい。
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