日本人がまだ知らない「チューンドディーゼル」という考え方/ボルボ「D4」ポールスター・パフォーマンス・パッケージ 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二
チューニングと聞いて思い浮かべる世界とは異なる洗練されたパッケージ、その内容とは
ではこの「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」とは一体どんなものなのか。
これはチューニングのためのソフトウエアプログラムだ。
まるで分厚い国語辞典のような感じの、チューニングキットというには意外なほどにちいさなサイズの箱に入って納品される。この箱の中には専用のソフトウエア、専用のリアエンブレム、英語版だけだがオーナーズブック、認定証とメーカー保証が含まれ、税金・工賃込で188,000円。オーナーが発注すれば、車番などの情報が本国に登録されたのちにこのキットが販売店に発送されてくる。
ソフトウエアプログラムだから、販売店に預けて数時間もすれば、エンジンはチューニングされた状態に仕上がって戻ってくるというお手軽さだ。
モータースポーツ直系の熱い血がたぎる!
「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」導入による性能の向上は、実は数字で見るとごくわずか。
D4の標準車で190PS、400Nm、それが「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」導入後は200PS、440Nmになる。え、それだけ?な数字に拍子抜けした人もいらっしゃるかもしれない。
なんといっても“あの”ポールスターの名を冠しているのだ。え、それっぽっちウソでしょ、と思う人がいても不思議じゃない。
ポールスターはボルボのモータースポーツやカスタマイズのオフィシャルパートナーとして設立された会社。スウェーデン・ツーリングカー選手権(STCC)にボルボのコンストラクターとして参戦したのち、WTCC(世界ツーリングカー選手権)にも参戦を続けていて、今年7月、完全に子会社化された。まあメルセデス・ベンツでいうところのAMG的なイメージと思っていただければ話は早い。
そんな本気モタスポの滾る(たぎる)血が流れる「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」、たったそれだけの出力アップでええのんそれ、である。
[いやいや、それがむっちゃええのよ・・・次ページへ続く!]
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