VW 新型ゴルフGTI[GOLF7] 試乗レポート/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志・島村栄二
7代目新型ゴルフのなかで最も“イケてるデザイン”を手に入れたGTI!
過去、長くイタリア車に乗っていたことは確かにあるけれど、別にイタリア至上主義というわけでは毛頭ない。でもこうして目の当たりにすると、やっぱりイタリアンデザインのエロさ、美しさ、感性に訴えかけるドラマティックさに心動かされずにはいられない。
だって、なんだかんだ言ってやっぱり乗っていた当時は、その流麗なフォルムに恋をしていたんだもの!
つまり、フォルクスワーゲン(以下VW)グループのデザイン統括に、あのアルファロメオ156や近年オシャレカーの名を欲しいままにするアウディのデザイン統括をしていたことで知られるイタリア人デザイナーのワルター・デ・シルヴァ氏が就任。
そして『設計段階から根性入れて初めて監修した』という7代目新型ゴルフは、「いや、エエクルマなんはわかってるんやで、でも女子的にはもうちょっとセクシーさとか艶っぽさも欲しいわけよ!」と、ゴルフが持ついわば物理部男子のような剛健さ(失礼!)に及び腰になっていた、クルマに洒落心を求めたい世代にもきっちり訴えかける、スタイリッシュさを手に入れたというわけだ。
しかも、全体的に若々しくアグレッシヴに変身した7代目ゴルフのラインナップ上、このGTIのデザインが“いちばんイケてる”と断言してもいい。
新型ゴルフGTIはちょっとセクシーすぎ!?
シルヴァ氏がデザイン統括に就任したのは、先代である6代目ゴルフ(通称ゴルフ6)のデザインがほぼ出来あがってからで、就任後にそのデザインのほとんどをやり直させた、という逸話はとても有名だが、それでも若干の遠慮やゴルフの持つ普遍性にガッツリ手を入れることには、若干の不安もあったのかもしれない。
リリース当時には至極斬新に思えたゴルフ6だったが、こうして7代目と比べてみるとかなり控えめな印象だからだ。その点イチからじっくりと自分好みに生まれ変わらせることが出来た今回の7代目ゴルフが、彼の“今やりたい最終型”になったのは想像に易く、当然その中にはGTIも大きな柱として当初から存在していたのであろうから、完成度が高いのは納得出来る。
さらに多少穿った見方をすれば、実はこのGTIのデザインありきでノーマルデザインを完成させたんじゃあるまいね、と思ってしまう。だって繰り返しになるが、このGTIがラインナップ上一番カッコエエんやもの!
そういう意味でシルヴァ氏が大輪の花を咲かせたのはやっぱり、この7代目が初めてなんだと思わざるを得ない。ここまでドラマティックに生まれ変わっても、これまでのデザイン、プロダクト、伝統をきっちり踏襲しているから、歴代GTIを乗りついているコアユーザーの心をも掴むはずだ。
いや、どうだろう、やっぱりちょっとセクシーになりすぎた感はあるかもしれないけれど……。
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