トヨタ ランドクルーザー200 新型車解説

  • 筆者:
  • カメラマン:原田淳
トヨタ ランドクルーザー200 新型車解説
エクステリア リアスタイリング フロントビュー リアビュー サイドビュー インテリア フロントシート リアシート ラゲッジフロア ラゲッジアレンジ 音声ガイド機能付きカラーバックガイドモニター 画像ギャラリーはこちら

50年に及ぶ歴史深き、陸の艦艇

9年振りに一新されたランドクルーザー。「NEW KING OF 4WD」の誕生である。1951年に、「ランドクルーザー」はトヨタジープBJという名で警察パトロールカーとして産声を上げた。今回登場した新型ランドクルーザー200で、9代目となる歴史深き、世界が認める本格高級SUVである。

他のSUVを圧倒する走破性能と、重厚感漂うグラマラスなボディープロポーションは、まさに陸の艦艇そのもの。また、そのネームバリューとブランド力から派生するインパクトは、決して衰えることを知らない。さらなる先進機能を盛り込み、快適性能もグレードアップして誕生した新型ランドクルーザー200。その不動の地位を墨守する勢いは、フルモデルチェンジという策で新たなる一手に出た。

新生“KING OF 4WD”降臨

イメージ2

新型ランドクルーザー200は、その50年に及ぶ歴史の中で築き上げてきた強度・耐久性・信頼性の更なる進化を図るべく、ゆとりに満ちた動力性能と世界最高峰のオフロード走破性を実現することを目指した。

ボディーサイズは4,950(+60)×1,970(+30)×1,880(+20)ホイールベース2,850(±0)と、ランクル100より若干の拡大を図っており、室内長は従来比で175mmの延長を施している。その結果それぞれの座席と前の席との間には広大なゆとりが生み出されている。

パッケージングはフロントピラーを前出したキャビンフォワードによって、室内長を大幅に延長。評価の高い従来のボディーサイズを基本にしながら、その数値を大きく変えることなく、キャビンのゆとりを拡大した。同時に乗用車から乗り換えた人でも違和感を感じないオンロード性能や、数々の先進装備による快適性・安心・安全性能の提供を念頭において開発された、新生“KING OF 4WD”である。

新型ランドクルーザー200は、新開発プラットフォームの導入で、全ての性能の基本であるフレーム構造、サスペンションも一新している。ドライバーを的確にサポートするトヨタの最先端テクノロジーを随所に積極的に採用したことや、前後左右独立コントロールオートエアコンをはじめとした上質なアメニティの為の配慮も入念に行われている。

エクステリアリアスタイリングフロントビューリアビューサイドビュー

ランクルの伝統を、新しいデザインに昇華

インテリア

新型ランドクルーザー200は、一目で“ランクル”と判断できるアイデンティティを持ちながらも、一瞬で新しいデザインだと伝わる要素を併せ持っている。

まずエクステリアは、力強さを近代的に表現することを目指したデザインテイストでまとめられている。全体的に強靭な走りを予感させる伝統ある迫力のシルエットで構成されており、従来のランクルらしさに、新しい上質感漂うデザインエッセンスを取り込むなど、洗練されたデザインテイストを感じる。フロントフェイスは、4WDならではの風格を前面に押し出し、ボディーの厚み感・一体感を強調する造形面で、近代的な力強さを表現している。

逆台形の形を強調した存在感溢れる大きなグリルは“王の威厳”を感じさせる意匠だ。またその左右へ伸びるヘッドライトは、凛とした表情を持つロー&ハイビームに、外側に切れ上がったターンランプを組み合わせた精悍なデザインに仕上がっており、大地をどこまでも照らしてくれそうな印象を与える。さらに、フロントフェンダーへと連続するボディーと同色のフロントバンパーによって、伝統的なランドクルーザーのイメージをモダンに表現。

サイドビューは水平軸がしっかり通った安定感のあるシルエットを描き、ルーミーなキャビンなど機能を優先する伝統のスタイリングを継承しながらも、ボディー全体の立体感を強調しており、格段の力強さを演出している。

特に前後のフェンダーは、ボディーに融合させる新しい造形処理をすることで、先進的でダイナミックなイメージを表現。加えてキャビンを前出ししたことで、一段と余裕のある室内空間を実現している。

サイドステップは、存在感を目立たせないスマートでシンプルなデザインながら、乗り降りに際しては確実にサポートをしてくれる。リアビューは別立体とした左右独立のリアコンビランプや、ボディーとの一体感、ワイド感を強調したバンパー周りで、より力強さと安定感を表現している。

さらに、ルーフと後端のピラー部の厚みを増すことで、乗員を守る安心感・信頼感も創出している。また、サイドの肩口のボリュームがリアまで回り込む形状も、堂々とした安定感をより高めている。バックドアガーニッシュには横長&メッキタイプを採用し、リアビュー全体のワイド感と高級感を演出している。

オプティトロンメーター/マルチインフォメーションディスプレイサードシートフロントシートリアシートラゲッジフロア
前後左右独立温度コントロールオートエアコン
音声ガイド機能付きカラーバックガイドモニタークロールコントロール

インテリアは、代々、培ってきたランドクルーザーの伝統と力強さを継承しながら、細部に至るまで高級感を磨き上げたデザインだ。特に運転席周りは、とてもSUV車とは思えないくらいの豪華な作りで、フラッグシップセダンと同等の作りである。

まずインストルメントパネルは水平方向に軸がしっかりと通った造形で、全席に圧倒的な広がり感を感じさせる。また段差を現象させ、面一構造の採用や、木目調オーナーメントに施したクロームバー等、細部に至るまでこだわり、これまでにない高級感を追求している。

センタークラスターは下部に新たに金属を削り出したような質感と力強さを見せるホールドを表現し、実用的なニーパッドを配置し、悪路でのサポート機能も向上させている。

ナビ・空調・オーディオ類は、ゾーンごとに機能的に配置し、視認性、使用性の向上を図るとともに、カーボン調パネルの採用により、精度感を演出しており、まるでインテリア全体が伝統工芸品のようである。

パッケージングはフロントピラーを前出したキャビンフォワードによって、室内長を大幅に延長。評価の高い従来のボディーサイズを基本にしながら、その数値を大きく変えることなく、キャビンのゆとりを拡大した。これに伴ってラゲッジルームも拡大され、簡単な手順を踏むだけで多彩なシートアレンジを実現。積載を荷物に合わせて、ラゲッジスペースをより自由自在に使いこなすことが可能となった。

信頼性の高いパワートレーンと、ドライブトレーンを採用

4.7L 2UZ-FE VVT-iエンジン
タイヤ&ホイール

新型ランドクルーザー200のエンジン性能は、従来から定評のある余裕のV8 4.7L 2UZ-FEガソリンエンジン(4,663cc、最高出力212kw(288ps)/5,400 最大トルク448N・m(45.7kg・m)/3,400 10・15モード走行燃費6.6)をベースに新たに吸気側にVVT-i(連続可変バブルタイミング機構)を採用。

さらに圧縮比アップによる燃焼の効率化など細部にわたる入念なリファインの結果、エンジン出力を従来比で39kw(50PS以上)向上させながら、良好な燃費性能も両立しており、同時に、NOx(窒素酸化部)やNMHC(非メタン炭化水素)の排出量も低減。新しい時代の本格派4WDにふさわしい、低燃費、クリーンな排出ガス、優れた運動性能、低騒音を実現するパワーユニットとしている。

駆動に関しては、様々な新システムを導入しており、前後のスタビライザーを油圧システムでリンクさせ、走行状況や路面状況に応じてスタビライザーの作動、非作動を自在にコントロールするKDSS(Kinetic Dynamic Suspension System)を搭載している。

岩石路、砂地路、湿地などの泥道や、急坂路など、微妙な速度調整が必要となるシーンで、エンジンとブレーキを自動制御して極低速を維持し、ホイールスピンやロックを最小限に抑えてくれるクロールコントロールを採用。

また、ABS制御の最適化により、ダート路、砂利道、砂地路などのオフロード路面においても優れた制動性能を確保するマルチテレインABSを搭載している。フルタイム4WDシステムのセンターディファレンシャルを搭載。路面状況や走行状態に応じて前後トルク配分を制御する「トルク感応型駆動力配分」機構を持つトルセンLSD付きトランスファーを採用。

さらに前後輪いずれかがスリップした際には、瞬時に他方にトルクを配分し、高いトラクション性能を確保。4WDならではの走りの安心感が、一段と向上している。また、HIGHT-LOW(H4-L4)レンジ切り替えを従来型のレバータイプからダイヤルスイッチに変更し、使用性を高めている。

この4WDシステムには新採用となる、ヒルスタートアシストコントロールを搭載。急な登り坂や滑りやすい登り坂での発進時に、ブレーキからアクセルへ踏み替える際、ホイールシリンダー圧力を制御して車両のずり下がりを緩和し、余裕を持ったペダル踏み替え操作を可能としている。また、ブレーキ油圧を最適に制御する為、タイヤがロックすることなく車両は安定を保持してくれる。

世界の4WDをリードする、泣く子も黙る“KING OF 4WD”ランドクルーザー200。その威厳ある風格と、世界の誰しもが認める高い性能、今回も4WDの王者として裏切らない、世界の頂点に相応しい車に見事に仕上がっている。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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