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試乗レポート 2012/9/24 21:26

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」[プロトタイプ] 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)

関連: トヨタ iQ Text: 渡辺 陽一郎 Photo: オートックワン編集部・トヨタ自動車
トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」[プロトタイプ] 試乗レポート/渡辺陽一郎

スムーズで力強い加速感と高い走行安定性

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 試乗レポート9トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 試乗レポート3

走行安定性にも注目したい。ベースとなるガソリンエンジン搭載のiQは、ハンドルを切った時にボディが外側へフラリと振られる違和感を伴う。全高は1500mmに達するのに、ホイールベースは2000mmと短いからだ。低速域で曲がる最中にアクセルを閉じると後輪が横滑りを生じ、速度が上昇すると前輪が滑って旋回軌跡を拡大しやすいクセも併せ持つ。だからiQは、2008年10月に登場した時から9個のエアバッグに加えて横滑り防止装置を標準装着していた。

ところがeQは、iQのようなクセを感じさせない。どっしりした骨太感があり、操舵感は機敏ながら、左右に振られる印象を抑えた。装着されていたタイヤは15インチのブリヂストン・エコピアEP150(175/65R15)。転がり抵抗を抑えたエコ指向のタイヤだが、さほどグリップ不足は感じない。

走行安定性を高めた理由は低重心化だ。iQではトランスミッションが位置するあたりにモーターを搭載。リチウムイオン電池はフロントシートの下側からリヤシートの足元付近の床下に積まれる。重量物の位置を下げたことが奏効して、走行安定性が高まった。

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 制御装置(インバーター・モーター等)はフロント・ボンネット下に収納トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 充電口トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) バッテリー積載は乗員の下トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 電気自動車だからマフラーはなし!トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー)用リチウムイオンバッテリー

市販EVではもっとも良好な「電費」性能

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) インパネ・インテリア周り
トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) インパネ周りトヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) フロントシート

モーターに電気を供給するリチウムイオン電池の容量は12kWh。リーフが24kWhだから、電池の容量は半分になる。i-MiEVはベーシックなMグレードが10.5kWh、上級のGグレードが16kWh。これらに比べても、eQの電池容量は小さめだ。

満充電(実際には完全な満充電にはならないが)で走れる距離も、JC08モード計測で100km。これもリーフの半分で、i-MiEVはMが120km、Gが180kmとしている。コンパクトなiQがベースとあって、eQはEVの中でも近距離移動用に位置付けられ、ある程度割り切って設計されているのだ。

データ上で注目されるのは、ガソリンエンジン車の燃費に相当する「電費」だ。104Wh/kmとされ、1kmを104Whの消費で走行できる。この値は資料によれば「世界最高」。国産のEVと比較してみると、i-MiEVがM、Gともに110Wh/km、リーフは124Wh/kmだから、目下のところEVとしては最も少ない電力消費で走行できる。

開発者によれば「満充電に要する電気代は昼間電力で約200円、深夜電力なら100円」とのこと。深夜電力には制約も多いので、昼間電力で計算すると、1km当たりの走行単価は2円だ。ただし経験的にいってJC08モードの走行距離が100kmなら、実際に走れるのは75kmくらい。となれば現実的な走行単価は2.6円前後だろう。

ちなみにレギュラーガソリンが1リッター当たり145円として、ハイブリッドカー「プリウス」の実用燃費(約24km/L)を計算すると、1km当たり約6円。大雑把にいって、走行単価はプリウスの半分弱というレベルだ。

現時点では割高だが・・・

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 試乗レポート8
トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 試乗レポート6トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー) 試乗レポート5

車両価格は税込みで360万円。リーフの「X」グレードが376万4250円だから、コンパクトなサイズと航続可能距離が約半分という点を踏まえれば、率直にいって割高な印象を受ける。

ただし、経済産業省による補助金額は、現時点では未定ながらリーフを上まわると予想される。補助金額はベース車との価格差の半額(税抜き価格で計算)とされ、EVの車両価格が割高だと補助金額も増えるからだ。

問題はiQのベース車をどのグレードにするかだが、ラインナップの中間を取れば税込み150万円の100Gあたりだろう。となればeQとiQの税抜き価格差の半額、すなわち補助金額は約100万円だ。リーフを22万円ほど上まわる。

車両価格から補助金額を差し引くと約260万円。リーフは298万円少々だから、eQであれば38万円くらいは安く買えそうだ。

それでも居住性などの機能、航続可能距離を考えると価格は高めで、開発者は「当面の間はリース販売。ユーザーは自治体や環境負荷の低減に気を使う企業が中心になる」と言う。生産台数も当初は極めて限定的なものとなるだろう。

現時点ではかなり敷居が高い印象だが、補助金を差し引いて230万円くらいになれば、購入する気分にもなるのではなかろうか。フリードハイブリッドなどと同額で、プリウスの最廉価グレードとも肩を並べる。ちょっと頑張れば、セカンドカーとしての所有も不可能ではない。

eQは最先端のEVで外観もカッコイイ。発売後の早急な量産化、そして更なる低価格化にも期待したいところだ。

トヨタ 新型EV「eQ」(イーキュー)[2012年12月発売予定] 主要諸元

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー)[2012トヨタ環境技術説明会 会場にて]

全長x全幅x全高:3115x1680x1535mm/ホイールベース:2000mm/乗車定員:4名/駆動方式:FF/空車重量:1080kg/タイヤサイズ:175/65R15/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:47kW/モーター最大トルク:163N・m/バッテリー種類:リチウムイオン/バッテリー総電圧:277.5V/バッテリー総電力量:12kWh/充電所要時間:約3時間[普通充電(AC200V)]/約8時間[普通充電(100V)]/約15分(80%充電)[DC急速充電]/交流電力消費率:104Wh/km[JC08モード]/一充電走行距離:100km[JC08モード]/最高速度:125km/h/車両本体価格:360.0万円[消費税込み ※当初の販売は自治体や特定利用者向け限定導入のみ]/生産:トヨタ自動車 高岡工場[愛知県]

トヨタ 新型EV(電気自動車)「eQ」(イーキュー)新型EV「eQ」とトヨタ自動車 内山田 竹志 取締役副会長トヨタが考える「将来モビリティの棲み分けイメージ」[2012トヨタ環境技術説明会]EV(電気自動車)の利点と課題について[2012トヨタ環境技術説明会]新型EV「eQ」について[2012トヨタ環境技術説明会]

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