スズキ 新型 ソリオ[マイナーチェンジモデル)[2013年11月発表] 新型車解説 ~DJE新採用でクラストップ「25.4km/L」の低燃費をマーク~
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部・SUZUKI/レポート:オートックワン編集部
スイフトに続きデュアルジェットエンジンを新搭載
新たにソリオに新設定となった「デュアルジェット エンジン」は、従来モデルに搭載する1.2リッター「K12B型」 4気筒エンジンをベースに、1気筒あたり2本のインジェクター(燃料噴射装置)を装備するデュアルインジェクションシステムを採用。エンジンの熱効率を高め、圧縮比を11.0から12.0に高めた。さらにデュアルジェット エンジンのノッキング抑制効果を高めるクールドEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環方式)システムの採用や、冷却性能の向上、低フリクション化などの改良を重ね、出力・トルク性能を抑えることなく燃費性能を向上させた。
デュアルジェット エンジン車のFFモデルはさらに、軽の新型車やスイフトなどに広く採用されている減速エネルギー回生機構「エネチャージ」を採用し、走行時の発電を最小限に抑えることで、エンジン効率を高めた。加えて、従来型のソリオでも採用していたアイドリングストップシステムを、13km/h以下の減速時にエンジンを停止させる「新アイドリングストップシステム」に進化。またアイドリングストップ時に蓄冷剤を通し冷たい空気を送風する「エコクール」も併せて採用した。
従来型エンジンや特別仕様モデルも継続され、かなりのワイドバリエーションに
これらの燃費対策により、デュアルジェット エンジン車はFFモデルでクラストップの燃費性能25.4km/Lをマークさせ、エコカー減税100%免税を達成した。従来モデルの1.2リッターエンジンに対し、約17%の燃費改善となる。なお4WDのデュアルジェット エンジン車のうち一部モデルについては、「エネチャージ」「新アイドリングストップシステム」が非採用となる点は注意が必要だ。
また従来の1.2リッターエンジン搭載車も継続販売されるほか、従来モデル同様にカスタム仕様の「ソリオ BANDIT(バンディット)」や、特別仕様の「BLACK&WHITE」や「Gリミテッド」もラインナップ。ソリオ BANDITとBLACK&WHITEについては、今回のマイナーチェンジで追加されたデュアルジェット エンジン仕様車も新たに追加された。
結果として、新型ソリオはかなりのワイドバリエーションとなっている。下に記したグレード・価格一覧を見て頂いても分かるように、少なくない価格差を考慮し従来型エンジンも残した、とスズキでは説明するが、購入する側からすればかなり分かりづらい。もう少しラインナップを整理して欲しいところだ。
内外装のデザインも一新、エコ運転支援の新メーターデザインも採用
デュアルジェット+エネチャージによる燃費性能向上が大きなニュースの新型ソリオだが、その他にも注目点は多い。
まずデザインだが、前後バンパー・スポイラー、15インチアルミホイール等の形状を変更し、LEDリアコンビランプを新採用。さらにスケルトンタイプのフロントグリルのデザインも刷新された。ちょっと地味目だった標準タイプの外観が、よりスタイリッシュに生まれ変わった。中でもデュアルジェット+エネチャージ車を中心に、一部グレードではLEDイルミネーションを追加。加えて「X-DJE」「S-DJE」グレードにはブルーメッキ加飾のヘッドランプガーニッシュとフロントグリルを追加し、エコモデルであることを外見からもアピールする。
なお現行型ソリオのモデル途中から追加され好評を博しているカスタムモデル「ソリオ BANDIT」シリーズの外観については、ルーフエンドスポイラーやリアコンビランプの形状改良のみに留まっている。
ブラック基調のインテリアもシート表皮などを変更。メーターデザインも新しくなった。特にDJE車はエコ運転を支援する専用メーターを採用した。
ソリオ独自の魅力がさらに磨きをかけた
装備面では「ワンタッチパワースライドドア」を新採用し、ドアハンドルのボタンひとつで開閉を可能とする便利な機能を加えた。また運転席・助手席の背もたれ部には折りたたみ式「パーソナルテーブル」を新採用。ひとつのテーブルに2つのドリンクホルダーとコンビニフックを用意し、使い勝手を高めた。
コンパクトなボディサイズながら、広い室内空間で使い勝手に優れ、燃費も良く価格も手頃な5人乗り両側スライドドア車というのは、ソリオ独自の大きな魅力だ。今回のマイナーチェンジによって、その魅力はさらに磨きをかけた。
世間では、「スズキ スペーシア」や「ダイハツ タント」「ホンダ N BOX」など、背の高いスライドドアタイプの軽自動車が人気を集めている。しかし白ナンバーの登録車ながら価格帯も近いスズキ ソリオも、ユーザーの使い方次第では併せて検討してみる価値は十分にある。もっともっと注目されてもいい1台だ。
[レポート:オートックワン編集部]
車名 | グレード名 | エンジン | 変速機 | 駆動 | 消費税込価格 |
---|---|---|---|---|---|
ソリオ | G | 1.2リッターK12B型 | CVT | 2WD | 1,382,850円 |
G4 | 1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,604,400円 | ||
X | 1.2リッターK12B型 | 2WD | 1,515,150円 | ||
1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,672,650円 | |||
X-DJE | 1.2リッターK12B型デュアルジェット +エネチャージ | 2WD | 1,646,400円 | ||
4WD | 1,772,400円 | ||||
S | 1.2リッターK12B型 | 2WD | 1,634,850円 | ||
1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,792,350円 | |||
S-DJE | 1.2リッターK12B型デュアルジェット +エネチャージ | 2WD | 1,766,100円 | ||
4WD | 1,892,100円 | ||||
Gリミテッド (特別仕様車) | 1.2リッターK12B型 | 2WD | 1,399,650円 | ||
1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,557,150円 | |||
BLACK&WHITE II (特別仕様車) | 1.2リッターK12B型 | 2WD | 1,649,550円 | ||
1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,800,750円 | |||
BLACK&WHITE II-DJE (特別仕様車) | 1.2リッターK12B型デュアルジェット +エネチャージ | 2WD | 1,780,800円 | ||
4WD | 1,900,500円 | ||||
ソリオ BANDIT | BANDIT | 1.2リッターK12B型 | 2WD | 1,646,400円 | |
1.2リッターK12B型デュアルジェット | 4WD | 1,803,900円 | |||
BANDIT-DJE | 1.2リッターK12B型デュアルジェット +エネチャージ | 2WD | 1,777,650円 | ||
4WD | 1,903,650円 |
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