トヨタ 新型ラクティス試乗レポート/岡本幸一郎(1/2)

トヨタ 新型ラクティス試乗レポート/岡本幸一郎
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初代モデルをうまく進化させ低燃費も実現する新型ラクティス

ファンカーゴの後継車として2005年に誕生した初代ラクティスは、背高なパッケージング、精悍なスタイリング、半円状のインパネ、広いパノラマルーフ、後席のダイブインシート、低床のラゲッジスペースなど、なかなか見どころの多いクルマだった。

そして2010年、モデルチェンジした2代目の新型ラクティスは、ひとことでいうと初代の特徴的な部分をならしたような、普遍性を持ったクルマになった。少々残念な気もするところだが、こちらのほうが老若男女を問わず誰でもとっつきやすいクルマにはなったと思う。

第一印象では、初代よりも車高が低くなったことが印象的だ。それでも2WD車で1585mmと、立体駐車場は基本NGなくらいの高さはあるわけだが、今まで1660mmあったところがこれだけ下がると、ずいぶん低くなったように目に映る。

開発陣によると、後ろから見たときに背高感が大きく不恰好だったのをなんとかしたかったというのと、燃費20km/Lの達成のため前面投影面積を小さくしたかったというのが、車高を低くした主な理由とのことだった。

インテリアの雰囲気もずいぶん変わり、インパネは水平基調の上下二段構成となった。

余談だが、フロントのワイパーが1本になっていることにも驚いた。

175/60R16(Sグレードは185/60R16)という、このクラスとしてはやや外径が大きめなタイヤを履くせいもあってか、全体的に上げ底されたような感覚のキャビンは、5ナンバー枠を維持しながら、室内幅が40mmも拡大されたおかげで、初代よりも横方向の広さ感が増している。

リアシートのサイズやクッションもそこそこ確保されており、前席だけでなく後席の居心地のよさも良好だ。

そして、パノラマルーフのあまりの広さに驚いた!

構造面の見直しにより、初代では開口部が前後に細長い印象だったところ、新型では横幅が拡大されたことと、またルーフシェードがボード式からロール式になり、より後方まで開口部が拡大されたのが特徴だ。

しかも、初代は約25kgの重量増だったところが、新型では10kg未満と軽量に抑えられているので、ハンドリングへの影響が小さくなったというのもありがたい。これがメインのGグレードにしか設定がないというのはもったいない気がしてしょうがない。

なぜレピスやSグレードにはないのだろう…?

2WD車の後席のシートアレンジについて、初代ではダイブインシートにより後席が非常に低い位置で畳み込まれたところ、2代目では座面が前方に沈む込みながら、背もたれが前に倒れて、より低めの位置でフラットになるという、一般的な仕組みの6:4分割のチルトダウン式となったのも大きな変更点。

しかもそれをラゲッジルーム側面に設定されたレバーで行なえるようになったのも特徴。

上のクラスのクルマでは最近よく見るが、このクラスでは初となる。

これに合わせてラゲッジルームの開口地上高も、初代では515mmと低くされていたところ、新型では615mmに上がっている。

同時に初代では妙に縦に細長かったテールゲートが一般的なサイズ感になり、開口高さも初代に比べるとだいぶ小さくなったわけだが、こちらほうが使いやすいと思う。

ただし、デッキボードは簡単に約120mm低くすることができるし、ボードを取り外して、さらに約170mmの荷室高を稼ぐことができ、最大で1200mmの荷室高を確保することが可能で、むしろこのスペースにはより背の高い荷物が積めるようになったわけだ。

ちなみに室内高(最大値となるのは後席の前端あたり)については、相当に広いと感じた初代では1365mmだったところ、2代目でも1310mmとなっているので、車高が低くなったわりには、がんばって確保されているといえるだろう。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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