BMW X1 試乗レポート/菰田潔(1/2)
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部
既に各国でヒットモデルとなりつつあるX1
BMWの中期戦略に、年間生産台数を増やそうという計画がある。近いうちに150万台、将来はそれを越える180万台をも見据えている。
それを達成するためには、車種バリエーションを増やさなければならない。BMWでは、これまで持たなかったニッチなマーケット向けのモデルも増やしている。1、3、5、7シリーズというメイン車種があり、2ドアクーペの6シリーズ、スペシャルティカーのZシリーズ、SAVのXシリーズ、さらにはそれらの中に走りを極めたMモデルも用意されている。
Xシリーズは1999年の「X5」から始まり、「X3」「X6」とモデルを増やしていき、そして今回新しく加わったのが「X1」だ。
X1はその数字からも判るとおり、Xシリーズでは最も小さなモデルである。とはいっても3シリーズのシャシーとエンジン/トランスミッションをベースにしているから、中身は実績のある3シリーズなのだ。
3シリーズのシャシーだが、エクステリアデザインがまったく異なるので3シリーズのイメージはほとんどない。もちろんキドニーグリルやホフマイスターキンクと呼ばれるピラーのカーブ、サイドのキャラクターライン、丸目ヘッドライト、L字型テールライトなどBMWのデザイン文法に則って創られている。
顔は誰が見てもBMWだがこれまでになく、ブルドッグ風にややほっぺが下がっている。
これは歩行者保護の対策で、オフロードカーではなく普通の乗用車としての基準に合わせたからだ。 ホイールベースは3シリーズそのもの、だがボディの全高は1,545mmと高く、室内の空間容積は大きくなっている。
幅は日本の機械式駐車場に合わせて1,800mm以下だ。 路面からシートのヒップポイントまでの距離は、3シリーズに比べて9cm高くなっている。
SAVらしくフロア位置が5cm上がり、フロアからヒップまでの距離が2cm高くなっている。アップライトに座る姿勢なので、シート位置が前に来るからリヤシートのレッグルームは3シリーズより広い。
リヤシートのバックレストは31度までリクライニングさせることができ、左右独立でリラックスした姿勢で座れる。カーゴポジションの垂直位置なら420Lが480Lに広がり、四角い箱を載せるには都合がよい。前に倒せば1,350Lの広い荷物室が作れる。
ちなみに、シートのヒップポイントが高いので、乗り降りするときにお尻の位置の移動が小さいので楽だった。これは若い人だけでなく、高齢者にも嬉しいだろう。
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