BMWはPHEVの本格的な普及を狙っている!先行試乗で凄さがわかった!BMW2、3シリーズPHEV海外試乗レポート(3/4)
- 筆者: 五味 康隆
- カメラマン:BMW Japan
例えPHEVでも、BMWの“本質”は失われていない
3シリーズセダンのPHEV「330e」のプレゼンテーションで強調されていたのが、前後重量配分50:50。改めて次世代ユニットであろうとも、BMWの本質である走りの愉しさは追求し続けているということ。
2リッター直列4気筒の直噴ターボガソリンエンジンと8速ATの間に、最大トルク250Nm、最高出力65kWの電気モーターを搭載。モーターだけで8速ATを介してリアタイヤを駆動し、エンジンと強調することもできる。
またエンジンの余剰出力を充電してバッテリーに蓄えることもできるなど、シンプルでありながら自由自在。バッテリーはトランクルームの床下にあり、ガソリン車と比べると床面が微妙に高くなっているが、実用性などには影響はでないレベル。
その走りの特徴は、PHEVユニットが2シリーズ以上にシンプルな機構なので、エンジンとモーターがどのように働いているかが解りやすいのに加えて、エンジンが動き出すとモーターの存在感が薄くなり普通のガソリン車的な乗り味になるのが特徴。イメージでは、停止時の機能であるエンジンのアイドルストップ機能が、走行中にも使えるようになった感覚。
その間は、不思議なほど静かにしっとりと振動少なく上質にクルマが走ってくれる。その上質で高級にも感じる走りが永遠に続けば良いのに…と思ったところで大抵エンジンがかかり現実に引き戻される感覚があった。
MAXeDriveモードでは、時速120kmまでエンジン始動をさせずに走行できる
とはいえ、電気モーターを駆使するMAXeDriveモードでは、120km/hまでエンジン始動をさせずに走れるので、日本の走行環境であればその上質な移動を存分に楽しめるとも言える。
ちなみに通常のAUTOeDriveモードでは、バッテリー容量によるが、時速70kmで250Nm以上の要求トルクが発生するとエンジンが始動する。この辺りは追って日本の交通環境で実際に試してみたいところ。
そしてBMWがPHEVでも引き続きこだわる前後重量バランス50:50はやはり有効だ。路面の凸凹やうねりなどで、前と後ろが同期して同じように動くので、前後の傾きが少なく快適。前後がちぐはぐに動くフロントヘビーなモデルでは得られない快適性を改めて確認できた。
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