ダイハツ 新型 コペン(コペン ローブ) 試乗レポート／河口まなぶ(4/4)

服を軽く羽織るように・・・ドライバーと一体になれる感覚

もちろんコペンはFFのオープンスポーツカーだから、その走りにFRのオープンスポーツカーのような派手さはない。けれど実際に走らせると、あらゆる部分に“ジワジワとくる”良さを感じる。豊かなサスペンションの動きによる質の高い乗り味、絶妙な味付けといえるステアリング・フィール…体に伝わるそうした感触はまさに本物だ。

そして当然のように、クルマと一体であることを感じさせる。人馬一体とは「マツダ ロードスター」の考え方だが、コペンの場合はもっとコンパクトでドライバーにフィットする感覚があって、まるでクルマを纏うような感覚がある。

今回のモデルは正式名称が「コペン・ローブ」で、ローブが意味するのは骨格に外板を衣服(＝ローブ)のように着ることを表現しているという。が、僕自身は乗り味走り味そのものに着る感覚があると感じ、それを意味しているかと勘違いしたほど。要はそのくらい、ドライバーとクルマが一体になれる感覚があった。しかもそれは何も走りだけに限った話ではない。停めてあるクルマに乗り込んだ瞬間から始まる。一切気を使うことなく、自然に馴染む感覚…とでもいおうか。

だからこそ、僕はこのクルマを走らせた瞬間に、ワインディングでも高速道路でもなく、家の前からコンビニまでのいつもの道を想像して、そこを楽しく気持ちよく走れると思えたのだ。そしてなにげない日常のシーンに、よろこびを添えてくれる…と思えた。

そんな風に思うと、新型コペンとはこれまでになかった感覚を持ったスポーツカーだといえる。スポーツカーであることを、肩肘張らずリラックスして、ライフの中で楽しみ味わえる…まさにリアルな生活にフィットするスポーツカー、と感じたのだった。

[レポート：河口まなぶ／Photo：島村栄二]

DAIHATSU COPEN Robe(ダイハツ コペン ローブ) 主要諸元　[※( )内はCVTモデル]

全長x全幅x全高：3395x1475x1280mm／ホイールベース：2230mm／車両重量：850kg(870kg)／乗車定員：2名／駆動方式：前輪駆動[FF]／エンジン種類：直3 DOHC 12V インタークーラー付ターボ ガソリンエンジン／総排気量：658cc／最高出力：64ps[47kW]/6400rpm／最大トルク：9.4kg-m[92N･m]/3200rpm／トランスミッション：5速マニュアルトランスミッション(7速スーパーアクティブシフト付CVT)／燃料消費率：22.2km/L(25.2km/L)[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：165/50R16 75V／メーカー希望小売価格：1,819,800円(1,798,200円)[消費税込み]

※画像をクリックすると、より多くの「コペン」が楽しめるフォトギャラリーページへとジャンプします！