フォルクスワーゲン ポロ 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:芳賀元昌
フォルクスワーゲン ポロ 試乗レポート
フロントスタイリング グローブボックス リアスタイリング インパネ エンジン 試乗 フロントシート リアシート ラゲッジスペース ラゲッジアレンジ イメージ 画像ギャラリーはこちら

ゴルフの弟分にあたる4代目ポロが、ひと回り大きくなって国内デビュー。

フロントスタイリングリアスタイリング

本国では昨年10月にフランクフルトショーで発表。国内では6月14日からの発売となるニューポロは、6年ぶりにフルモデルチェンジを受けた4代目。VWジャパンにとっては、年間販売台数の約20%を占める主力モデルだ。

新しいプレミアムコンパクトとして、すべてに妥協を許さず、クオリティと安全が追求されたニューポロ。ボディサイズは旧型に比べて、全長で140mm、全高で55mm、ホイールベースで60mm拡大。ボディ剛性も従来比で33%近く高められている。

スタイルは、シンプルかつスタイリッシュ。4つの丸型ヘッドランプが特徴で、愛くるしいルポの素敵なお兄さんの印象だ。水平基調のダッシュパネルに、各種スイッチ類を集中させたセンターパネルを配置したインパネ回りは、ドイツ車らしい機能美を求めたデザインだ

加速感はいまひとつだけど、粘りのあるフットワークが思う存分に楽しめる。

インパネエンジン

エンジンは、旧型から受け継がれた1.4L直4DOHCを搭載。スロットル制御は、ワイヤ式から電子制御に変更になった。アクセルを踏むと、予想外にレスポンスがついて来なかった。ボディの拡大に伴う重量増も要因に考えられるが、燃費の向上と排ガスの低減を課せられたコンピュータ制御が、加速を緩慢にしている可能性も大きい。もともと発進加速の領域は得意ではなく、中速から高速域を得意とするドイツ的なエンジン特性だけに、より元気のなさが感じられるのだろう。高速道路ではパワー不足を感じない追い越し加速を見せる。

大幅に刷新されたフロントストラットサスと新設計のリアトーションビームが組み込まれた足回りは、素直なハンドリングと相まって、接地感の高いフットワークを味わわせてくれる。多少ロールを伴うコーナリングは粘りがあり、挙動はっきり伝わってくるのでコントローラブル。左右に連続するコーナーでのシャープな身のこなしはボディの高剛性の賜物だ。

エンジンパワーに対して完全にサスが優っている分、実力を100%発揮できる。走ってみると、意外に楽しいタウンモデルといえる。

ファミリーユースにも対応できる居住空間が備わった。

フロントシートリアシート

ボディサイズとともに、大幅に手が加えられたのがリアシートの居住性だ。旧型の足元スペースはかなり窮屈だったが、ニューポロは大人がちゃんと座れる空間を確保している。ルポがパーソナルな2ドアの位置付けであり、価格的に近いニューポロとの差別化も必要だったのだろう。シートはドイツ流のカチッとした座り心地だが、多少日本人好みのソフト感が若干加味された気がする。気になったのは、運転席のスライドレバー。座面からかなり前に出っ張っているため、運転中に左足のふくらはぎにチクチクとあたるのだ。リクライニング機構は相変わらずダイヤル式だが、内側から外側に位置が変わり、操作力が軽くなっていたのは好印象だった。

フラットなラゲッジスペースは、通常で270L、ダブルフォールディングで後席を倒せば1030Lまで拡大できる。段差があった旧型に比べて、それぞれ10%/6%の容量アップとなる。

ユーザーの8割が国産車からの乗り換え。2ドアモデルは02年秋以降に導入の予定だ。

ラゲッジスペースラゲッジアレンジ

198万円。ニューポロ4ドアの価格を聞いて、随分リーズナブルな設定だと思った。確かに金額だけをみれば、国産車+αだ。けれどもポロにはクラス最高レベルの安全性が備わっている。たとえば、ソフトなパデッドダッシュボード、衝突感知自動ロック解除機能、自動燃料供給停止装置、衝撃吸収ステアリングコラム、クラッシュオプティマイド・ブレーキシステムなど。国産車ではオプションの、シート内蔵型フロントサイドエアバッグを標準装備している。

安全性を重視するユーザーが、国産車から乗り換えるのもうなずけるだろう。ただし親切装備や収納は国産車に劣る。プッシュ式カップホルダーがセンターパネル内に装備されたが、ガシャガシャと音がうるさく作りの質感は低い。

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筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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