日産 GT-R 2012年モデル 試乗レポート/桂伸一(2/3)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:茂呂幸正
注目は4年目にして初のエンジン改良、サスペンションは左右非対称に
以前、GT-R 2011年モデルに試乗して感じたことは、これがひとつの完成形だろう・・ということだった。しかしこうして2012年モデルに乗ると、GT-Rの進化に終わりはない、と認識を新たに感じた。
注目は、4年目にしてエンジン内部に始めて手が入ったこと。インテークマニュホールドや、ヘッド、エキゾーストバルブに、カムタイミングの変更。さらにガソリンと空気の混合比をリーンに変更して、燃費の向上からCO2排出量を抑えながら出力は550psに、トルクは64.5kgmにまで引き上げ、同時にレスポンスも向上した。最高出力領域を数%薄くして、250~300km/hの燃費は十数%も向上。日本では意味がなくても世界で”活躍”するGT-Rとしては大いに意義深い。
550psの数値も、あくまで出ている最低値を公表しただけという。「ユーザーがシャーシダイナモで測定した時に、カタログ値よりも上だったら嬉しいでしょ。これもメーカーのおもてなしの心です」
操縦性に結びつくのが、ダッシュボード周りとフロントエンド周りの補強による剛性アップ。さらにサスペンションを左右で非対称にセットした。理由は4駆のトランスファーやデフが右側に出るため、静止状態でもフロント右側は50kg重い。右ハンドルはドライバーの荷重が加わるからさらに左右でバランスが違う。そこを整える、というよりも“走行中に”いかに4輪の接地荷重が均等になるか、そこを重視した。
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