日産 キャシュカイ 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:日産自動車株式会社
“新世代Cプラットフォーム”を採用し、「デュアリス」の名で間もなく日本導入
キャシュカイ――そんな聞き慣れない名前の日産車が、この2月からヨーロッパで発売されている。英国にある日産テクニカルセンターヨーロッパを中心に本社のある日本と共同で開発作業が行われ、やはり英国にある同社のサンダーランド工場で生産されるのがこのブランニューモデルだ。
そんなキャシュカイが目指す主な市場は、当然のごとくヨーロッパ。前述のように開発や生産をヨーロッパ主体で行っている点。そして、発売当初からルノー製ディーゼルエンジンを搭載するモデルをラインナップに加える点などからも、数ある日産車の中でもことさらにヨーロッパ市場を重視したモデルである事が容易に推測が出来る。
そんなヨーロッパに軸足を置いたこのモデルを敢えてここでも紹介するのは、これが「間もなく日本にも導入予定」、と発表されているから。ただし、その際のネーミングはキャシュカイではなく、すでに『デュアリス』と決まっているという。イラン南西部の遊牧民の種族名から名付けられた“キャシュカイ”という名前は、日本では現金(cash)をイメージさせかねないという事から、敢えて別名が与えられるのだ。
日産自らがそのキャラクターを『小型クロスオーバーSUV』と紹介するキャシュカイ。そのボディ3サイズは4,310×1,780×1,610mmと、相対的に全幅がやや広い点が目立つ。日本ではそれは「日常シーンで不自由を感じないギリギリの全幅」という印象でもあるが、率直なところこれは日本市場への適合性はさほど重視をされないで決定されたサイズであるようだ。
オール新開発の骨格である“新世代Cプラットフォーム”を採用の第1号車となるこのモデルに搭載のエンジンは、1.6/2リッターのガソリンと1.5/2リッターのディーゼルという4種類。FWDベースのモデルだが、両2リッターエンジン車には電子制御式のスタンバイ4WDシステム“オールモード4×4”付きも設定される。組み合わされるトランスミッションは5速、もしくは6速のMTが基本。ただし、2リッターのガソリンモデルにはFWD/4WD仕様共にCVTも設定され、『デュアリス』として日本に“輸入”される際にはこの仕様がメインになると予想される。
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