日産 キャシュカイ 海外試乗レポート(2/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:日産自動車株式会社
日産 キャシュカイ 海外試乗レポート
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洗練された乗用車とタフなSUVのクロスオーバー

リアスタイル

一般的なセダンやステーションワゴンでは物足りない。と言って、フルサイズのSUVではアグレッシブに過ぎるし、そもそも価格的にもサイズ的にもちょっと手を出し難い――英国では13,499ポンドという価格からスタートするキャシュカイの狙いどころは、まずはそうした顧客層となりそうだ。なるほど、SUVとステーションワゴンの“良いとこどり”を狙ったかのようなフォルムを基調とし、角度によってはムラーノの弟分のようにも見えるそのエクステリアのデザインは、確かに「クロスオーバー」という言葉がピタリとくる印象。

例えば、後方に向かうに従いなだらかに下降線を描くルーフラインには軽いスポーツカー風味も演じられる一方、外径の大きなシューズやロワボディをぐるりと一周するプロテクター風の処理や200mmを確保したという地上高が、タフなSUVテイストを演出する・・・といった具合だ。

ただし、せっかくクロスオーバーという新しい提案性をアピールするスマートなスタイルのこのモデルに、日産マークを光り物のクローム・バーでV字型に挟み込んだ、ヨーロッパで発売中のパトロール(日本名:サファリ)などと共通イメージの“オフローダー顔”を採用した点にはやや違和感を覚える。確かにタフなイメージは演出されるものの、逆に昨今のトレンドを先導するクロスオーバーモデルらしいモダーンなテイストは表現しづらいように思える。「ヨーロッパで発売する4×4(フォー・バイ・フォー)モデルにはこの顔を用いるのが今の日産のルール」と開発担当者はそう説明するが、個人的には「これはちょっと・・・」と思えたのだが。

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インパネ

インテリアのデザインも、やはり「洗練された乗用車とタフなSUVのクロスオーバー」という狙いどころを実感出来るもの。高さ方向を強調したセンターパネルや、敢えて高い位置に置かれたセンターコンソールに“非日常”のイメージが演じられている。

キャビンスペースは特に広大、という印象ではないものの、前席下への足入れ性に優れる事もあり後席2人がけは楽に行える。ただし、リアのシートベルト・バックルは自立式でなく、その装用に必ず両手を必要とする点は要改善。コスト競争力も重視するモデルゆえか樹脂部品の質感が全般にやや低いのも少々気になるところ。ダッシュアッパーという“好立地”に置かれたナビゲーションシステムのモニターも、一見では格納式に見えるが実は固定式だ。

ところで、ラゲッジスペースに対する要求度が厳しいヨーロッパ市場での量販を見込むだけに、キャシュカイの積載性はなかなか優れている。後席使用時のトノーカバー下までの容量は410Lだが、シートバック前倒し式の後席アレンジ時には最大1,513Lまで拡大。また、荷室高は779mmが確保され、同最大幅は1,188mmという大きさだ。

そんなキャシュカイの装備面で注目に値するのは、オプション設定の“パノラマ・ガラスルーフ”。開閉は不可能だがそう割り切ったゆえに、長さ1,040mm、幅880mmという圧倒的な大きさを実現出来たという。

フロントシートリアシートラゲッジパノラマ・ガラスルーフリアランプ

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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