DTM:アウディ、年間チャンピオン獲得に大きく前進

アウディ

ザントフールトで開催されたDTMレースにおいて、アウディはその望み通りに年間チャンピオン争いをリードするライバルに追いた。それでも、今シーズン第6戦はディフェンディングチャンピオンのアウディが思い描いていた通りの展開とはならなかった。

2週間前のニュルブルクリンク戦と同様に、レース序盤には厳しい展開が待っていた。ポールポジションからスタートしたティモ シャイダーはスタート時にエンジンストールに見舞われ、10番手にまで後退。しかし、その後の素晴らしい追い上げと優れた戦略によって、ティモ シャイダーは3番手まで浮上。それでも、先頭を走るゲイリー パフェットとポール ディ レスタとの差はあまりにも大きく開いてた。

「スタートミスは完全に僕の責任だ。スタートのタイミングは良かったが、タイヤのグリップが高すぎたので、エンジンをストールさせてしまった。最終的には今年初めての表彰台を獲得することが出来たけれど、マシンの状態がパーフェクトだっただけに、今でも自分に腹立たしく感じている」と、シャイダーはコメント。

シャイダーは予選と同様にレース本番でも攻略の難しいザントフールトのサーキットで最速の走りを見せ、1分32秒967のファステストラップも叩き出している。

「しかしそれだけでは充分ではない。DTMで勝利を収めるには、すべてが完璧でなければならないのだ。残念ながら、今日のレースはすべてが完璧とはいかなった。ティモ シャイダーはスタートの上手いドライバーとして定評がある。それでも今回の様な不幸が起こることで、多くの人が我々は今シーズンを失ったと思っている。しかし我々は決して諦めず、戦い続ける。今日、我々は自分たちのマシンのパフォーマンスが素晴らしいということを再び目の当たりにしたのだから」と、アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング ウルリッヒはコメントしている。

ティモ シャイダーは、今回4位に入賞してその点差を19から16ポイントに縮めたマティアス エクストロームと同様に、ポイントランキングトップのブルーノ シュペングラーとの差を縮めた。残り5レースとなった現時点で、残り50ポイントを獲得するチャンスが残されている。

ミギュエル モリナ、オリバー ジャービス、マルティン トムツィクがそれぞれ5位、6位、8位を獲得したことで、アウディスポーツ チームABT スポーツラインはエントリーさせた5台の全てがポイントを獲得。また完璧な戦略を実行出来たことで、5台のうち4台が、ポイントランキングトップのブルーノ シュペングラーより上位でゴールを果たした。

レース終盤、マルティン トムツィクにシュペングラーをパスするチャンスが訪れたが、レース終了間際にラルフ シューマッハが追突してきたため、シュペングラーを追走し続けることが出来なくなってしまった。

マイク ロッケンフェラー(アウディスポーツ チームフェニックス)はシュペングラーの前を7番手で走行していましたが、シュペングラーが左リアホイールに接触してきたことでスピンを喫した。「彼があの行為によって何の罰則も受けなかったことが信じられない」と、スピンによって13位に後退してしまったロッケンフェラーは憤慨しながらコメントしている。

ロッケンフェラーのチームメイトのアレクサンドレ プレマは、フライングスタートによるドライブスルーペナルティで最後尾に後退したが、力強い追い上げで11位まで浮上。マルクス ウィンケルホック(アウディスポーツ チームロズベルグ)はフォーメーションラップ中にプロペラシャフトの異常に見舞われ、レースに参加することが出来なかった。彼のチームメイトのキャサリン レッゲは14位でゴールし、スージー スタッダートとの女性同士の争いに勝利している。

Dr. ウォルフガング ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)

ティモ シャイダーのパフォーマンスは優勝を確信させるものであっただけに、今日の結果は不満足なものだったと言いたい。トップから7番手にまで後退してしまったニュルブルクリンク戦の後、私はこれ以上の悪いことは起こり得ないと考えていた。しかし物事が悪い方向に向かっていれば、それ以上の悪夢も起こりうるのだ。ティモはその後、素晴らしいドライビングを見せてくれたし、チームの戦略やピット作業も適切だったので、考え得る最高の結果を得ることが出来た。しかし、それだけで充分だとは言えない。

ティモ シャイダー (GW:プラス トップサービスアウディA4 DTM ゼッケン1番)3位

スタートについては本当に申し訳ない! 完全に僕の責任だ。今年は、2009年には起こらなかった小さな問題が頻発している。エンジンを再始動した後のマシンは、11番手から3番手に浮上することが出来たほど、すこぶる調子が良かった。僕のお粗末なスタートをよそに、完璧な戦略とピット作業を提供してくれたチームメンバー全員に感謝している。3位は満足出来る結果ではなかったけれど、僕にとって今年初めての表彰台となった。不調な今シーズンにあって、回復の兆しの表れだと思う。我々は今後も前向きに進み続けると共に、2度と今回のような過ちを起こさないようにしなければならない。

マティアス エクストローム (レッドブル アウディA4 DTM ゼッケン5番)4位

スタートは悪くなかったが、これといって良かった訳でもなかった。最初のセクターでは自分のペースで走ることが出来たが、マシンのバランスは決して完璧ではなかった。2度のピットストップを終わらせた後には自分のペースを調整することが出来たものの、今日の僕は優勝出来るほどには速くなかった。その点は少々期待外れだった。でも重要なポイントを獲得することで、わずかとは言えポイントランキングトップとの点差を縮めることが出来たことは確かだ。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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