フェラーリ、「F12 ベルリネッタ」が北京国際モーターショーにてアジア・デビュー
新世代12気筒エンジン搭載の初のモデル「F12 ベルリネッタ」
フェラーリは、新世代フラグシップ12気筒エンジンを搭載した「F12 ベルリネッタ」を、2012年4月23日の北京国際モーターショーでアジア初公開した。
F12 ベルリネッタ
フェラーリ史上最速、新世代V12気筒エンジンを搭載した最初のモデル「F12 ベルリネッタ」。
「F12 ベルリネッタ」に搭載される6,262cc 65度角V12エンジンの最大出力は「740CV」、最大トルクは「690Nm」。その80%が2,500rpmという低回転域から発生し、そこから8,700rpmのレブ・リミットまでシームレスに加速する。
パワーウェイトレシオは「2.1kg/CV」を達成。0-100km/h加速は「3.1秒」、0-200km/h加速は「8.5秒」を誇る。
トランスミッションは、ベルリネッタのパフォーマンスに合わせて開発されたクロスレシオのF1デュアル・クラッチ・トランスミッションを採用している。
排出ガスを40%低減させる進化型HY-KERSシステムも世界初公開
「F12 ベルリネッタ」のアジア・デビューに加え、ミッドリア・エンジン・レイアウトに採用した進化型HY-KERSシステムも世界初公開された。これは、新設計の小型軽量の電気コンポーネンツで、ハイブリッド・システムによって重量1kg増につき1kwの出力増というフェラーリの掲げる目標数値をほぼ達成している。
会場で展示されたパワートレーンは12気筒エンジンにデュアル・クラッチ・ギアボックスと電気モーターを組み合わせたもの。これは、電気モーターを統合することでよりパワフルにすると同時に、排出ガスを低減するスポーツカーを創造することが目的とされている。補助システム専用のもうひとつの電気モーターはV12エンジン前方に搭載される。2つの電気モーターはバッテリーに接続されているが、このバッテリーは最終仕様に合わせて車輌の利用可能スペースに並列で配置される。
HY-KERSシステムの電気モーターは、ギアボックスの2つのクラッチのひとつを介して伝達され、2本あるメイン・シャフトの1本に接続される。これにより、電気モーターとガソリン・エンジンのパワーを瞬時に伝達し、トルク・マネージメントやトラクション・コントロール、ブレーキ配分といった車輌のスポーツ性能とドライビング・プレジャーに大きく寄与した。
F1からの技術的フィードバックをベースに、専用ECUで管理した電気モーターは、ブレーキング時にはジェネレーターとして作動し、負トルクから発生する運動エネルギーを利用して、バッテリーの充電を行う。電気モーターだけでなく、パワー・ステアリングやブレーキ・サーボ、エアコンディショナー、オンボード・システムといった付属システムも制御する。
研究の最終段階に入っているHY-KERSシステムは、この数ヵ月のうちに本格的な開発がスタートする予定。このシステムにより、ICE(内燃エンジン)と同じ出力換算で、排出ガスを複合サイクルで40%低減させることが可能になる。
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